日本/東日本大震災/防災(災害リスク軽減)(公開日:2014.11.06)
宮城県東松島市で地域と子どもをつなぐ防災を支援(2014.11.06)
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、宮城県東松島市で子どもを中心として学校、学童保育、家庭、地域、行政が連携する防災を目指して活動しています。今回は、子どもと地域をつなぐ防災の支援活動を報告します。
■「防災の集い」に子どもたちが初参加■
東松島市横沼東区で、10月26日に「防災の集い」が開催されました。これまでは大人を対象としていましたが、区長さんをはじめ自主防災会の役員さんと話し合って子どもたちも参加できる内容にしました。
?自主防災会会長さんから、防災用に地域に配備されているトランシーバーの説明
将来、自衛隊に入隊したいという小学校5年生の男の子は、実際トランシーバーを手にして大喜び。
?子どもたちから「命の手帳」の説明
東松島市では、小中学校すべての子どもたちが、災害に対する心得や連絡先が記入されている「命の手帳」を持っています。地域の人に助けをお願いする「ヘルプカード」も付いていることを地域の人たちに伝えました。
?防災カードゲーム「なまずの学校」
「なまずの学校」は、災害時に起こりうる状況に対して手持ちのアイテムカードを使って解決策を考えるゲーム形式の防災教育教材です。事前に行った「なまずの学校」の進め方研修に参加した自主防災会の会長さんと役員さんが、抜群のチームワークでファシリテーター役を務めてくださいました。小学生から70歳代の地域の人たちが、グループに分かれ、様々な状況に対して解決策を考えます。
「タンスの下敷きになった人の救出」という問題で「バール」という答えが出ると、会長さんが「この地区の備蓄倉庫にあります」と補足。地域で行う「防災の集い」ならではの、具体的な情報が伝えられました。みんなが安心する情報を共有する貴重な機会となりました。
最後に各チームの点数発表をした時は、盛り上がりもピークに。「いろんな展開があって楽しかった。またやりたい」「ボケ防止になった」という大人たち、「学校で『なまずの学校』したことを思い出した」という子どもに対して、お母さんは「子どもが知っていたからよかった」などの感想がありました。
「お楽しみ抽選会」で景品も手にし、最後は全員で集合写真。子どもから大人まで一緒になって、災害時の問題解決に取り組み、地域での備えについても知ることができ、楽しく学べた「防災の集い」となりました。
■地域の知恵から生まれた炊き出しクイズ■
地域における防災の取り組みを、もうひとつ紹介します。6月15日に行われた市の総合防災訓練で、東松島市柳北区の皆さんが行った取り組みです。柳北区では、区長さんと地域の育成会のお母さんたちと話し合い、子どもたちが楽しく地域の防災訓練に参加できる企画で実施しました。柳北区では、毎年防災訓練で炊き出しをしています。100人分の豚汁とおにぎりを短時間で作るにはコツがあり、その知恵を子どもたちに「炊き出しクイズ」として伝えました。
問題:今から、炊き出しの準備を始めます。豚汁とおにぎりを作りますが、最初にすることは、何ですか?
答え:?野菜を切る ?お湯をわかす ?お米を研ぐ (大量のお湯を沸かすには時間がかかるので、まずお湯をわかし、お湯が沸く間に野菜を切るといいそうです)
学校で防災訓練が終わった後、40人以上の子どもたちが地区センターに集まってきました。「炊き出しクイズ」では、たくさんの手が挙がり、「知ってたよ〜!」という子や「えー!なんで?」という子など、さまざまな反応が。その後には、地震で食器が割れてしまった時に役に立つように、チラシなどの紙でお皿を作り、そのお皿でおにぎりを食べました。
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、学校だけでなく地域にいる時も子どもたちの災害リスクが減らせるように、東松島市の方々と共に取り組んでいきたいと思います。引き続き、ご支援よろしくお願いします。
(報告:東京事務所 太田まさこ、仙台事務所 菅原絵美)