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ウガンダ
(公開日:2018.03.29)

【防災】ウガンダ西部で、新しい防災事業を開始しました

 
セーブ・ザ・チルドレンは、2015年2月よりウガンダ共和国カセセ県において、防災事業を実施しています。

カセセ県はウガンダ西部に位置し、気候変動の影響を受け、近年、洪水が多発している地域です。また、繰り返し起こる洪水や浸水による地形変化、異常気象による干ばつも発生しています。これらの災害が発生すると、子どもたちもさまざまな影響を受けます。洪水により家が浸水して流されてしまったり、川が氾濫し橋を渡れなくなり学校に行けなくなったり、または家に帰ることができなくなってしまいます。その他にも、乾季の長期化で一部の川が干上がり水不足となったり、洪水や豪雨で浸水し作物が腐ったりして不作・凶作となり食料不足が発生し、1日1回の食事もままならない子どもたちも少なくありません。

このような状況を受け、セーブ・ザ・チルドレンは、2015年2月から3年間、人々の災害や気候変動に対応する能力が向上することを目指す活動を実施してきました。
これまでの3年間では、カセセ県内でも特に災害リスクの高いカルサンダラ準郡において、18の村に災害対策委員会、学校8校に防災クラブを立ち上げ、それぞれが防災計画を策定し、それに基づき実施するさまざまな活動を支援してきました。具体的には、災害発生時に備えた避難経路や避難所の確立、啓発といった「災害対応準備活動」や、災害が起こった際の被害を最小限に抑えるための河道の修正や河川の清掃などの「減災活動」を、住民らが中心となって実施しました。さらに、住民の大多数が農業を営んでいることから、災害や気候変動に強い農法を導入するなどの「気候変動への適応の取り組み」も行いました。学校においても、学校の防災クラブでは、メンバーである子どもたちが中心となり、防災や減災に関連した啓発活動を実施したり、災害や気候変動に強い農法を、学校菜園を通じて導入しました。


村の災害対策委員会が、行動計画について話し合う様子(カルサンダラ準郡)



防災クラブが応急手当のデモンストレーションを行う様子(カルサンダラ準郡)

こういったカルサンダラ郡での経験をもとに、2018年2月より新たな防災事業を開始しました。この事業では、事業地を拡大し、洪水や干ばつ、加えて地滑りなどの災害による影響が深刻なマリバ準郡およびニャキユンブ準郡において、コミュニティによる防災・気候変動対応の能力向上を目指した活動を実施していきます。

1年目は主に、25の村、学校30校のそれぞれに災害対策委員会と防災クラブを設立し、防災行動計画を策定する活動に焦点を当てます。また、カルサンダラ準郡においても、これまで築いてきた活動が根付き持続的に発展していくよう、振り返りのための会議や必要に応じて能力強化研修を実施する予定です。さらに、これらコミュニティレベルでの取り組みを、県行政が支援し、さらに将来的には県行政が同様の取り組みを他準郡で行うことができるよう、県の災害対策委員会に対する能力強化も行っていきます。見落とされがちな子ども特有のニーズが防災計画に取り入れられるよう、また子どもたちが主体的に防災強化に貢献できるよう、子どもの参加を促しながら、事業を実施していきます。
2015年からの事業で実施した減災のための工事が完了し、
ウガンダの首相府と在ウガンダ日本国大使館、当会が出席した引渡式の様子。

このとき、2月より開始した新しい事業の署名式も執り行いました。
(写真右:在ウガンダ日本国大使、左:当会ウガンダ駐在員と事務局長)

本事業は、みなさまからのご寄付と、有限会社三平商会、および日本NGO連携無資金協力の助成を受けて実施しています。

(海外事業部 ウガンダ担当:福田)








 

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