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ウガンダ
(公開日:2018.11.02)

【ウガンダ防災事業】研修に参加したバナナ農家の声

 

バナナを収穫するリチャードさん(カセセ県)

2013年年5月1日に、ウガンダ西部カセセ県で大雨による大規模な洪水が発生しました。洪水が発生した夜、リチャード・ムクングザさんは家族と一緒にいました。洪水は家と農園、家畜を飲み込み、リチャードさん家族は、家や農園を失くし、洪水が起こったときから翌月まで野外でのキャンプ暮らしを余儀なくされました。収入源を失ったためリチャードさんと妻モーレンさん、そして7人の子どもたちは一日1食の生活を送りました。リチャードさんは、洪水が起こった後の家族の生活について、「洪水の発生を知らなかったため、多くの家畜が流されました。また作物や農地など、多くのものを失いました。さらに、お金もないので学費が払えず、学校に通う6人の子どもたちは学校に通うことができなくなり、子どもたちにも悪影響を及ぼしています」と、話します。

リチャードさんが暮らすカセセ県は、洪水や地滑り、長期化する乾季、病気や害虫による作物の被害といったさまざまな災害が頻繁に発生します。これらの災害は気候変動によって引き起こされ、ウガンダの多くの地域で、災害の頻度や災害がもたらす影響の深刻度も増しています。セーブ・ザ・チルドレンは、カセセ県の村に暮らす人々が今後の災害に備えられるよう支援活動を行っています。事業ではリチャードさんが暮らす村をはじめとする多くの地域で、地元のラジオ局を介したコミュニティ・ラジオ(早期警報システム)を設置し、天気予報や害虫の飛来、農業に役立つ情報を発信しています。また、村と村の間で情報交換ができるよう会合の機会を設けています。

洪水後、リチャードさんはセーブ・ザ・チルドレンのボランティアに会い、事業の活動の一つであるモデル農家プロジェクトへの参加を勧められました。このプロジェクトは、肥料や種子などの農業資材や技術指導をモデル農家に支援し、モデル農家は、村内の別の農家に指導できるようにするものです。このプロジェクトを通して、リチャードさんはバナナの種を受け取り、土壌の管理や栽培について研修を受けました。リチャードさんは、「セーブ・ザ・チルドレンから、洪水時に土壌が流されないよう樹木の株分けについて研修を受け、私たちは川岸に樹木や竹などの植物を植えました」と、研修や研修後の様子について語りました。数か月後、リチャードさんと家族は食料や収入源、医療費や子どもたちの学費をまかなうバナナ農園を再建しました。


収穫されたバナナの皮むき作業(カセセ県)

リチャードさんは、地元のレストランにバナナを販売することができるようになり、収入を得て、家族は新しい家と家畜を買うことができました。また、この事業では、リチャードさんのような人々の生活再建を支援するだけでなく、次の災害への備えも支援しています。リチャードさんは、防災活動について、「コミュニティ・ラジオを通して洪水のような災害が発生したとき、いつでも村内へのアナウンスが可能となりました。セーブ・ザ・チルドレンが来る前は、洪水が発生した際にすべきことが分かりませんでしたが、今では自分たちの生活と命を守るために災害時に何をすべきかしっかりと認識しています」と、話します。


早期警報システムの設置状況。屋根にソーラーパネルを設置し、電力を確保(カセセ県)

本事業は、皆さまからのご寄付、外務省の日本NGO連携無資金協力の助成、および有限会社三平商会のご支援を受けて実施しています。



 

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