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ウガンダ
(公開日:2021.08.26)

【ウガンダ コンゴ民主共和国難民支援】新型コロナウイルス感染症拡大下で暮らす難民の子どもたちへの心理社会的支援

 
セーブ・ザ・チルドレンは、2019年5月より、コンゴ民主共和国からウガンダに避難している難民の子どもや青少年を暴力や虐待、搾取などから守るための支援(子どもの保護)を継続して実施しています。今回は、感染症が拡大する中での、家庭訪問型の心理社会的支援の活動に参加した子どものケースを紹介します。


感染症が拡大する以前、多くの子どもたちでにぎわう「こどもひろば」(2019年5月)

メアリーさん(8歳)は、母親と3歳の妹と、ウガンダ西部の難民居住区で暮らしています。以前は父親や他の3人の きょうだいとも一緒に暮らしていましたが、父親の家庭内暴力がひどく、母とメアリーさん、妹は知り合いの家に逃げることにしました。彼女は次第にふさぎ込みがちになり、情緒も不安定になっていきました。そんな生活の中で、メアリーさんはセーブ・ザ・チルドレンが実施する「こどもひろば」を毎日訪れ、友人と遊び、ストレスを発散することで安らぎを得ていました。

「こどもひろば」とは、緊急下に置かれた子どもたちに安心・安全を感じられる場所を提供し、遊びや活動を通じて、子どもとしての時間を取り戻し、災害や紛争による影響から立ち直るのをサポートするための活動です。緊急人道支援プログラムの一種として国際的に推奨されており 、ウガンダでの難民向けキャンプマネジメント基準にも、この「こどもひろば」の設置が定められています。

しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大対策として発出されたウガンダ政府の指導により、「こどもひろば」は閉鎖することになりました。学校も「こどもひろば」も閉まってしまい、メアリーさんにとって、とてもつらい日々でした。彼女は、「こどもひろば」が開いていないか確かめに行って、閉まっていることを確認すると、さらに落ち込んでしまうこともあったと言います。

そのような子どもたちの声に応えるため、感染症拡大下でも子どもたちへの心理社会的支援を継続できるよう、セーブ・ザ・チルドレンは、それまで施設での集合型の活動手法を変え、家庭訪問型のこどもひろばをはじめました。

活動を子どもたちと一緒に考え実施するボランティア(こどもひろばファシリテーター)に研修を行い、緊急下で子どもたちが抱える不安やストレスに寄り添い、子どもたちが持つレジリエンス(回復力)の強化を支援するために、音楽やダンス、芸術、読み聞かせ、運動や遊びの活動を組み合わせる形で、活動を展開しました。


「子どものセーフガーディング」について研修を受けるこどもひろばファシリテーターたち(2020年9月)

メアリーさんは、「「こどもひろば」ファシリテーターが家に来てくれるようになって、とてもうれしかったです。縄跳びやボードゲームも届けてくれました。ひろばが閉まっている間、ずっと家に来てくれたので、安心しました。」と話してくれました。

さらに、家族が離ればなれになっている状態については、他団体と協力して保護者向けの支援活動につなげることで、家族の関係が改善、その結果、今は父親も含め皆が同じ家で暮らすことができるようになりました。それにより、メアリーさんの状態も落ち着きを取り戻しました。

メアリーさんは、「セーブ・ザ・チルドレンの支援で、家族がまた一緒に暮らせるようになったことにも、とても感謝しています。」と話してくれました。


ファシリテーターと活動するメアリーさん(写真右)

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(海外事業部 藤井麻衣子)

 

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