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ミャンマー
(公開日:2013.03.19)

母と子の栄養改善と生計向上を目指して 〜第2期事業が完了〜(2013.3.19)

 
外務省日本NGO連携支援無償資金協力により、2011年10月1日に開始したバゴー地域テゴン・タウンシップでの「母乳・補助食の栄養指導と生計向上支援事業(第2期)」が、2012年10月31日に無事に完了いたしましたことをご報告申し上げます。

この事業の目的は、5歳未満児の栄養不良を削減すること。そのために、5歳未満の子どもの母親や妊婦の栄養に関する知識を向上させて栄養不良を防ぐとともに、定期的な身体計測によって栄養不良を早期に発見し、新鮮で栄養バランスのある食材を支給して健全な発育を回復させるという取り組みです。同時に、家庭の食事を改善するために、家庭菜園や養鶏などの技術研修や資機材供与を組み合わせて実施。栄養改善と生計向上支援を統合した事業です。

事業対象地域における活動開始時(2011年11月)の5歳未満の子どもの栄養状態を確認するため、事業対象村に居住する5歳未満の子どもたちの身長および体重を測定したところ、身体計測に参加した556名の5歳未満の子どものうち、49名が栄養不良であることが確認されました(栄養不良率8.8%)。同じく、活動終了時(2012年8月)に対象村の5歳未満の子どもの身体計測を実施したところ、身体計測に参加した527名の5歳未満の子どものうち、17名が栄養不良であることが確認されました(栄養不良率3.2%)。したがって、事業の目標である「栄養不良率の半減」が達成されたことが認められました。WHO(世界保健機構)の基準に拠ると、栄養事業の介入が必要ないレベルまで改善したことを示しています。


対象村での栄養不良が顕著に改善した背景には、事業で実施した様々な地域活動を通して、妊婦および5歳未満の子どもの母親を中心に、多くの人々に栄養に関する正しい知識が理解されただけでなく、子どもの栄養改善のための正しい習慣が日常生活のなかで実践されたことが考えられます。

これを裏付けるものが、活動前後に対象村の母親を対象に実施した反復横断調査の結果です(2011年11月と2012年9月に実施)。活動前後の指標を比較することにより、母親たちの行動変容が顕著に向上したことが示されました。

(1) 卵や肉を摂取する5歳未満の子どもの割合が、61.0%(203/333)から87.5%(356/407)に増加した。


(2) 微量栄養素を多く含む野菜を摂取する5歳未満の子どもの割合が、80.2%(267/333)から91.9%(374/407)に増加した。


(3) 適切な栄養品目及び回数の食事を摂取する6〜24ヶ月未満の子どもの割合が、44.2%(42/95)から81.4%(118/145)に増加した。


(4) 完全母乳育児を行う6カ月未満の子どもの母親の割合が、26.5%(9/34)69.7%(23/33)に増加した。


現在、タウンシップ内のあらたな対象村にて第3期事業が実施中です。第1期、第2期同様に、子どもたちの栄養状況を改善させることができるよう、引き続き全力を尽くします。


食事の前には石鹸で手を洗う習慣づけも促進しました。

(報告:ミャンマー事務所 藤野)

 

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