ミャンマー(公開日:2012.09.07)
キャンペーンで栄養知識を普及&母乳育児を推進(2012.9.7)
8月1日から7日は、世界170カ国以上で実施されている「世界母乳育児週間」。子どもの健康な発達のために母乳育児を促進することが目的です。ここミャンマーでは、保健省によって8月は栄養月間と定められ、母乳育児をはじめ母と子どもの栄養や健康のための知識の普及や実践を啓発しています。
わたしたちは、事業地のひとつであるテゴン・タウンシップにおいて保健局や教育局と連携し、母乳育児を促進するためのイベントを開催しています。8月の栄養月間に行われるこのイベントは2010年に始まり、今年で3年目。資生堂「花椿基金」のご支援により実施されています。今年は10村10会場で開催し、合計3,000人以上のひとびとが参加。女性と子どもたちが主役となって、楽しくにぎやかに栄養を学ぶ有意義な一日を過ごしました。
数あるアクティビティのなかで、人気のひとつが栄養ソングコンテスト。前もって決められた曲に、栄養に関するメッセージを込めた詩を自作。それを、イベント当日に自分で発表します。メッセージの内容のみならず、歌唱力や振り付けも含めて、総合的に評価するコンテスト。これまでは小学生以下の児童を対象としていましたが、近い将来母親・父親になる世代にも栄養の知識をより広く普及させることを目的に、今年は中高生の部も設けました。実はこの曲、2005年に当時の現地職員(現在は他の事業に従事)がつくったSCJのオリジナル曲。このようなイベントなどを通して、今でもテゴンの人々に歌われ続け、栄養知識の普及促進に貢献しているのです。
また、お母さんたちを対象にした栄養クイズ。事業では、母親支援グループを形成し、子どもの栄養に関する知識を学びあったり、子育ての経験を共有したりする会合を支援しています。お母さんたちのなかには、栄養クイズに備えるために、これまでに学んだ知識を助産師と一緒におさらいした方もいたという報告も届いています。その他にも、お父さんを対象にした栄養クイズや親子で参加する食材グループ競争、調理コンテストなど、栄養に関する知識を楽しく学べる工夫を凝らしたアクティビティがあり、参加者のみならず会場につめかけた村人も一体となってこのイベントを楽しんでいました。
(イベントに集まる村のお母さん、子どもたち)
この栄養啓発イベントは、わたしたちがテゴン・タウンシップで実施している母と子どもの栄養事業の大切な活動のひとつ。このキャンペーン支援活動で促進している完全母乳育児の実践率は9.4%から45.0%へと顕著に上昇し(ブログ・エントリー「今年も盛況でした!」を参照)、第1期事業の顕著な成果に貢献しました(ブログ・エントリー「栄養改善事業の成果と今後」を参照)。新しい30村を対象にした第2期事業は、今月末に完了予定。完全母乳育児の実践率が改善したか、そして栄養不良率は削減したか、今月実施する調査で効果を測定します。
引き続きご理解とご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。
(報告: ミャンマー事務所 藤野)