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ミャンマー
(公開日:2013.03.07)

「初めてみたときは、気を失ってしまいました...」(2013.03.07)

 
現在実施中の母子保健事業(外務省日本NGO連携無償資金協力)の現地視察にいってきました。視察地は、ンガペ、ミンドン、テゴンの3つの地域。主な目的は、事業の一環として支援している補助助産師研修の進捗状況を確認することでした。

補助助産師(Auxiliary Midwfe:AMW)とは、助産師(Midwife)の監督・指導のもと、村の中で母子保健を促進するボランティアさんです。現在、母子保健の促進を強力に進めているミャンマー保健省は、国内すべての村に1名の補助助産師を育成することを目指しています。

私たちの事業対象村にも、補助助産師が存在せず、最寄の保健センターまで徒歩で数時間かかる村が数多く含まれています。事業の大切な活動のひとつとして、地元の保健局と連携しながら、基礎的な母子保健サービスが行き届いてないそのような村に、補助助産師を育成することを支援しています。



補助助産師になるためには、保健省によって定められた6ヶ月間の研修を修了しなければなりません。最初の3ヶ月間は、タウンシップ病院にて基礎的な母子保健の講義を受講。その後、残りの3ヶ月間は出身村に近い保健センターにて、助産師の指導のもと、地域保健の実習を行います。

研修期間の6ヶ月間、親元を離れての生活となります。また、他の村から来ている研修生たちとの共同生活です。慣れない土地での初めての研修は、心配や不安でいっぱいだったことでしょう。

研修がはじまってから1週間後。ひとりの研修生がいなくなってしまいました。現地事務所の職員、他の研修生や保健局関係者、さらに地元治安当局も総動員で、彼女を探しました。すると、ほどなくして出身村にひとりで帰ってしまっていたことがわかりました。理由を聞くと、

「家族との離れ離れの生活が、とてもつらかった...」

とのこと。しかし、同じ寂しさを抱いている他の研修生たちの共感と励ましを受け、勇気を出して研修に戻ってきたとのことでした。

また、すでに保健センターでの実習が始まっています。保健センターの実習では、助産師が介助する普通分娩を見学することが重要な課題のひとつ。出産を目にするのは初めての研修生が多く、中には、

「うまれて初めて出産を見学したとき、気を失ってしまいました...」

と恥ずかしそうに話してくれた研修生もいました。志を同じくする研修生たちに励まされながら実習を継続し、今では分娩介助の手順をきちんと習得していました。



6つの活動地域にて、合計114名の補助助産師候補生が研修を受講しています。6ヶ月の研修は、もうすぐ完了。研修後は、それぞれの村で女性と子供たちの健康を守る大切な使命を担う彼女たち。研修生全員が無事に研修を終了し、補助助産師として立派に成長してくれることを期待し、願い、信じています。

(報告: ミャンマー事務所 藤野)

 

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