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ガザ
(公開日:2024.05.09)

【パレスチナ・ガザ地区】ラファ検問所:支援物資搬入のための最後の砦(とりで)をイスラエルが制圧−子どもの生存に必要な支援物資搬入が閉ざされた

 
2024年5月7日、イスラエル軍によるガザ地区南部ラファ検問所の制圧と北部のケレム・シャローム検問所の閉鎖により、ガザに暮らす子どもたちに必要な支援物資の搬入が完全に遮断され、人々の生命線が絶たれています。

これら検問所の封鎖は、支援活動を遮断し、すでに命の危機に直面している数万人の子どもやその家族の命を、さらに危険に晒すことになります。人道支援が届けられない状況は、1999年の武装紛争下の子どもに関する国連安保理決議によれば、子どもたちに対する重大な侵害にあたり、また国際人道法違反となります。


ガザ地区ラファで破壊された建物の近くにある家族用のテント

昨年10月7日に紛争が始まって以来、燃料やその他の物資をガザに搬入するための主要な入口はラファ検問所しかなく、他の検問所からの支援物資の搬入は部分的、または不定期にしか行うことができていませんでした。

また、ラファ以外の検問所は、開いているときでさえ、人道支援団体が支援を受け取り、人々に届けることはほとんど不可能でした。

セーブ・ザ・チルドレンが、最近ガザ北部の人たちに食料を届けた際は、4回も搬入を試みましたが難航し、イスラエルとの物資搬入の交渉と搬入計画の策定だけで6週間を要しました。飢餓は決して戦争の武器として使われてはならず、国際人道法でも禁止されています。

ガザ保健省は5月7日の記者会見で、ラファ検問所の閉鎖により、医薬品や医療機器を積んだトラックや、病院に必要な燃料が届かなくなったと訴えています。また、ガザ地区外に搬送予定だった重傷者や病気の市民も、必要な治療などを受けるためにガザから出られない状況にあると伝えています。

私たちは、イスラエルに対し、ラファでの作戦を直ちに停止し、すべての検問所を開放して、緊急・人道支援物資をガザ地区へ届けられるよう許可すべきだと訴えます。

セーブ・ザ・チルドレンのパレスチナ事務所長ザビエル・ジュベールは以下のように述べます。
「すでに何ヶ月も支援物資の搬入制限が行われてきた中で、今回、事態がさらに悪化するとは信じがたいことです。この残忍な紛争が始まってから、7ヶ月が経ちますが、これまでで、最も困難な状況です。

支援物資が届かない状況は子どもたちの命を危険に晒します。数万人が避難しているラファとラファ検問所に対する攻撃は、ガザの人々にとって、致命的なものです。

これまでの空爆で、すでに何千もの子どもが命を奪われましたが、空爆による直接的な犠牲者だけでなく、今まさに、100万人の子どもたちの命がこの攻撃にかかっているのです。

支援団体が、支援を必要とする子どもたちや家族がどこにいても、安全に、かつ制限なく支援物資を届けることができるよう、ガザに通じるすべての検問所を、いますぐ全面的に利用できるようにしなければなりません。

ガザ地区へアクセスができなければ、支援活動はたちまち停止し、パレスチナの子どもたちが生き延びるチャンスはなくなってしまいます。

ラファへの地上侵攻を阻止する機会はまだあります。国際社会は、ジュネーブ諸条約の下での責任を守り、市民や子どもたちに対するより深刻な犯罪を防ぐために、あらゆる措置を講じなければなりません。」

セーブ・ザ・チルドレンは、ガザの子どもたちの命を守るために、即時かつ恒久的な停戦を求め、関係国が国際人道法を順守し、イスラエルが国際司法裁判所の判決を守り、国際司法裁判所が示した暫定措置を損なうような行動を慎むよう求めます。また、 国際社会は、国際人道法および国際司法裁判所の判決の下、パレスチナの人たちの保護を確保する義務を負っています。

セーブ・ザ・チルドレンは、1953年以来、パレスチナの子どもたちやその家族が暮らすために、必要不可欠な支援を提供してきました。私たちは、スタッフが安全に支援活動を行えるように取り組みもしています。そして、今後も支援を継続できるようラファの状況を常に注視しています。

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