アフガニスタン(公開日:2006.08.15)
藤原紀香さんが建てたアンダー小学校のいま(2006.08.15)
【藤原紀香基金 アフガニスタン教育事業 2005年度活動報告書】
【アンダー小学校のいま】
バーミヤン県ヤカウラン郡アンダー村のアンダー女子小学校は、藤原紀香アフガニスタン基金にて建設し2004年に完成した。新校舎完成の1年後の2005年秋、当会のスタッフが再び、現地の小学校を訪問し視察を行ったところ、子どもたちは新しい校舎で生き生きと勉強に励んでいた。
【アンダー小学校のいま】
バーミヤン県ヤカウラン郡アンダー村のアンダー女子小学校は、藤原紀香アフガニスタン基金にて建設し2004年に完成した。新校舎完成の1年後の2005年秋、当会のスタッフが再び、現地の小学校を訪問し視察を行ったところ、子どもたちは新しい校舎で生き生きと勉強に励んでいた。
教室に机や椅子も入り、以前は床に座って学習するしかなかった子どもたちは、それらの机を使って勉強している。1年から6年生までこの日は160名の生徒が通っていた。学校職員としては男性の校長と女性教員7名および用務員2名が勤務している。
地域の人々は、「子どもたちが教育を受け、読み書きを学び、より良い将来を築くためにも、この学校はとても大切な存在だと感じています」と、新しいアンダー小学校の校舎建設を振り返りながら、語った。
また、公共施設がほとんどないこの地域では、アンダー小学校の校舎がアフガニスタン大統領選や議会選挙などの有権者登録および選挙会場としても利用され、村人の政治参加にも大きな役割を果たしている。
【アンダー小学校に通う子どもたちの声】
【2005年度活動報告】
概要
SCJ は、2002年2月にアフガニスタン事務所を設立して以来、バーミヤン、カブール、ロガールの三県において学校建設、教員研修、識字教育、地雷回避教育、平和教育、学校家具供与など、子どもたちのための複合的な教育支援を行ってきた。2005年度は、地域的にも活動内容的にも多岐にわたっていた事業内容を見直し、「基礎教育の質とアクセスの向上を目指す」ことがSCJアフガニスタン事務所としての最優先事業分野であることを確認した。これにより、平和教育などの事業は当年をもって終了、優先分野である基礎教育の「質」と「アクセス」の向上のために資源を集中投下するべく事業の再構築が始まったところである。
2005年度、藤原紀香アフガニスタン基金では他の協力者・団体の支援とあわせて以下の活動を行った。
1.学校建設事業
バーミヤン県バーミヤン郡チャプダラ村に、小学校の校舎(教室7室、職員室1室、倉庫1室)を建設した。日本の中学校教諭でもある個人協力者のお申し出で建設が決まったこの学校は、2004年に着工し、資機材の大きな値上がりや工事計画変更等のため難航したが、当基金とのタイアップにより2005年10月に無事竣工を迎えた。建設前には校舎がなく炎天下やテントの下で勉強していた430人の子どもたちは、新校舎で風雨に妨げられることなく、隣の教室の授業に気を取られることもなく集中して勉強することができるようになった。また、2年にわたった建設のプロセスを通じて村人たちの教育に関する興味・意識も向上した。
2.学習環境改善事業
バーミヤン県バーミヤン郡、ヤカウラン郡、カブール市の識字教室38教室に、副読本計768冊と本を入れる箱を支援した。顕微鏡など教材、家具、スポーツ用品などの支援により、3校の子どもたちが、教材・家具を用いて勉強できるようになり、また、スポーツにより心身の発達を促進することができるようになった。
さらに、郡教育局への資機材支援を通じ、通信や書類作成の効率が改善し、教育行政の実務能力が向上した。
3.識字教育事業
バーミヤン県バーミヤン郡、ヤカウラン郡の20村26か所において690人の女性を対象に識字教室を約5ヶ月間実施した。またカブール市内で9ヶ月間の識字教室12教室を開始し、480人が参加している。これらの教室は、学齢期を過ぎた13歳以上の女性を主対象としている。コースの終わりには、207人が小学校1年生レベルの、140人の子どもが小学校2年生レベルの字の読み書きや算数の能力を習得した。
また、女子対象のノンフォーマル教育の実施により、女子教育の重要性と女子の教育を受ける権利に関して、保護者やコミュニティ成員の意識が向上した。
4.調査
子どもたちの就学状況や、教育に対する保護者の意識を調査し効果的なプロジェクト形成に役立てることを目的に、サイガン郡2村にて学齢期の子どもをもつ親60名を対象に子どもの教育状況調査を行った。農村調査を専門とするインドのNGOの協力を得て、5日間の定性調査を行ったもので、参加者たちが絵を書いたりカードを使ったりしながら意見を述べる「参加型調査手法」を使用した。調査の結果、教育の必要性は一般に地元住民に受け入れられているものの、家計を助ける労働力としての子どもへの期待がいまだ高いこと、特に女子教育への障害が多いこと、通学時間が短くてすむように村内に学校建設を望む声が切実であること、しかしながら外部援助者への依存心も非常に高いことなどが報告された。
以上
地域の人々は、「子どもたちが教育を受け、読み書きを学び、より良い将来を築くためにも、この学校はとても大切な存在だと感じています」と、新しいアンダー小学校の校舎建設を振り返りながら、語った。
また、公共施設がほとんどないこの地域では、アンダー小学校の校舎がアフガニスタン大統領選や議会選挙などの有権者登録および選挙会場としても利用され、村人の政治参加にも大きな役割を果たしている。
【アンダー小学校に通う子どもたちの声】
- 新しい校舎になってから、すごく勉強しやすくなりうれしいです。以前は部屋が暗くて湿っぽかったし、天井も崩れそうだったけど、今は安心して勉強ができます。
- もし学校がなかったら、きっと毎日家の手伝いや家畜の世話ばかりして、ずっと文字や計算を知らないままでいたでしょう。
- 小学校を卒業したら中学校へ進んで勉強を続けるのが夢です。でも、中学校は郡の中央にしかなく、ここからは遠くて通うのは無理かな・・・。
- ほしいものはいっぱいあります。本や文房具、中学校、井戸、通学バス、スポーツ用品など。それに親たちが女の子を学校に行かせてくれるように理解してくれることも、私たちの願いなんです。
- 勉強を続けて大きくなったら、お医者さんかエンジニアになりたいです。学校の先生になりたいというお友達もたくさんいます。
【2005年度活動報告】
概要
SCJ は、2002年2月にアフガニスタン事務所を設立して以来、バーミヤン、カブール、ロガールの三県において学校建設、教員研修、識字教育、地雷回避教育、平和教育、学校家具供与など、子どもたちのための複合的な教育支援を行ってきた。2005年度は、地域的にも活動内容的にも多岐にわたっていた事業内容を見直し、「基礎教育の質とアクセスの向上を目指す」ことがSCJアフガニスタン事務所としての最優先事業分野であることを確認した。これにより、平和教育などの事業は当年をもって終了、優先分野である基礎教育の「質」と「アクセス」の向上のために資源を集中投下するべく事業の再構築が始まったところである。
2005年度、藤原紀香アフガニスタン基金では他の協力者・団体の支援とあわせて以下の活動を行った。
1.学校建設事業
バーミヤン県バーミヤン郡チャプダラ村に、小学校の校舎(教室7室、職員室1室、倉庫1室)を建設した。日本の中学校教諭でもある個人協力者のお申し出で建設が決まったこの学校は、2004年に着工し、資機材の大きな値上がりや工事計画変更等のため難航したが、当基金とのタイアップにより2005年10月に無事竣工を迎えた。建設前には校舎がなく炎天下やテントの下で勉強していた430人の子どもたちは、新校舎で風雨に妨げられることなく、隣の教室の授業に気を取られることもなく集中して勉強することができるようになった。また、2年にわたった建設のプロセスを通じて村人たちの教育に関する興味・意識も向上した。
2.学習環境改善事業
バーミヤン県バーミヤン郡、ヤカウラン郡、カブール市の識字教室38教室に、副読本計768冊と本を入れる箱を支援した。顕微鏡など教材、家具、スポーツ用品などの支援により、3校の子どもたちが、教材・家具を用いて勉強できるようになり、また、スポーツにより心身の発達を促進することができるようになった。
さらに、郡教育局への資機材支援を通じ、通信や書類作成の効率が改善し、教育行政の実務能力が向上した。
3.識字教育事業
バーミヤン県バーミヤン郡、ヤカウラン郡の20村26か所において690人の女性を対象に識字教室を約5ヶ月間実施した。またカブール市内で9ヶ月間の識字教室12教室を開始し、480人が参加している。これらの教室は、学齢期を過ぎた13歳以上の女性を主対象としている。コースの終わりには、207人が小学校1年生レベルの、140人の子どもが小学校2年生レベルの字の読み書きや算数の能力を習得した。
また、女子対象のノンフォーマル教育の実施により、女子教育の重要性と女子の教育を受ける権利に関して、保護者やコミュニティ成員の意識が向上した。
4.調査
子どもたちの就学状況や、教育に対する保護者の意識を調査し効果的なプロジェクト形成に役立てることを目的に、サイガン郡2村にて学齢期の子どもをもつ親60名を対象に子どもの教育状況調査を行った。農村調査を専門とするインドのNGOの協力を得て、5日間の定性調査を行ったもので、参加者たちが絵を書いたりカードを使ったりしながら意見を述べる「参加型調査手法」を使用した。調査の結果、教育の必要性は一般に地元住民に受け入れられているものの、家計を助ける労働力としての子どもへの期待がいまだ高いこと、特に女子教育への障害が多いこと、通学時間が短くてすむように村内に学校建設を望む声が切実であること、しかしながら外部援助者への依存心も非常に高いことなどが報告された。
以上