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アフガニスタン
(公開日:2021.04.16)

【アフガニスタン 食料支援】新型コロナウイルス感染症の影響で家計が悪化した世帯へ緊急食料支援を開始

 
アフガニスタンでは2020年2月24日に最初の新型コロナウイルス感染症の感染者が報告されて以来、全34州で感染者が確認されています。アフガニスタンの総人口は約4,000万人ですが、2021年3月25日の時点で確認されている感染者数は5万6,226人います。しかし、検査数が少ないため実際の感染者数はもっと多いと予測されています*1
 

新型コロナウイルス感染症が社会経済に与えた負の影響は甚大です。新型コロナウイルス感染症が拡大し始めた2020年3月以降、失業や農業生産量減少による収入の減少と食料価格の高騰が相まって、食料の入手が困難な人口は9%(約360万人)増加しました*2
40年続く紛争や頻発する自然災害に加えて、新型コロナウイルス感染症による社会経済的な打撃を受け、全人口の44%にあたる1,760万人が深刻な食料危機にあり、支援を必要としています*3

これらの状況に対応するため、セーブ・ザ・チルドレンは2021年3月25日からアフガニスタン南部のカンダハル州で、緊急食料支援と衛生・栄養に関する啓発活動を組み合わせた事業を開始しました。具体的な活動は以下の通りです。

1)新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響で家計が悪化した400世帯に対して、世帯全員分の食料を購入できるよう現金を給付する。
2)現金給付世帯を含む地域住民3万6,000人に対して衛生・栄養に関する啓発活動を行い、新型コロナウイルス感染症の感染予防、衛生、栄養に関する知識や状況を改善する。

1)の現金給付の支援では、地域住民や行政と連携して、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、最も脆弱な状態に置かれた世帯を選び、モバイルマネーを用いた現金給付を行います。

2)の衛生・栄養に関する活動では、衛生用品キットの配布やボランティアによる対面での啓発を行います。さらに市場や学校、モスクなどの場所に新型コロナウイルス感染症の予防に関するポスターを掲示したり、ラジオを通じて感染予防に関するメッセージを発信したりする予定です。アフガニスタンでは新型コロナウイルス感染症の予防には手洗いが有効であるという認識は広まっているものの、石けんが手に入らなかったり、マスクの着用やソーシャルディスタンスなど衛生習慣が定着していないという課題があります。

また、栄養に関する啓発活動では、栄養を摂取する必要性が高い妊産婦や5歳未満の子どもを持つ養育者だけでなく、世帯主であり女性や子どもの栄養に関わる意思決定者である男性も対象とします。これにより現金給付による食料支援で、女性や子どもが十分な栄養を摂取できるよう後押しします。

カンダハル州は、食料危機の影響を最も大きく受けた州の一つで、90%以上の世帯が影響を受けています*4。また、アフガニスタン国内で4番目に新型コロナウイルス感染症に感染した人が多い州でもあります*5。カンダハル州の人々を取り巻く現状は深刻ですが、本事業を通じて新型コロナウイルス感染症感染拡大下であっても人々の健康や生計が改善するよう、現地政府や地域住民と緊密に連携して活動を進めていきます。

この事業は、皆様からのご寄付およびジャパン・プラットフォームのご支援により実施しています。

(海外事業部アフガニスタン事業担当 瀬戸口千佳)

*1 OCHA, WHO Afghanistan: Strategic Situation Report: COVID-19, No. 93 (25 March 2021)
*2 OCHA, Afghanistan: Humanitarian Needs Overview (2021), 19 December 2020 p.81
*3 OCHA, Afghanistan Humanitarian Response Plan(2018-2021), January 2021 revision. p.7
*4 IPC, Acute Food Insecurity Analysis Afghanistan 2020 November 2020, p.2
*5 MOH, COVID-19 Dashboard, Accessed on 31 March 2021

 

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