アフガニスタン(公開日:2022.02.09)
【アフガニスタン】子どもたちのことを考えると夜も眠れない−肺炎と極度の食料不足に陥る子どもたちが急増
アフガニスタンでは、肺炎にり患する子どもたちが急増しており、保健医療施設で治療を受けられない子どもたちが死亡しています。
病院で、ワズマさんは酸素吸入が必要でしたが酸素タンクが不足していたためにわずか30分しか提供できないと言われ、医師はひとつのベッドを共有して、入院している3人の子どもたちを同時に治療していました。
ワズマさんは入院中の状況について、とても具合が悪く、横になり体を動かすととても痛く、熱とだるさを感じていたと話します。また病院にいるときはとても不安に感じ呼吸をすることも困難だったと言います。彼女は、治療により何とか回復しましたが、アフガニスタンに暮らす多くの子どもたちはこうした治療を受ける機会がありません。
アフガニスタンが現在の危機に陥る前から肺炎で亡くなる5歳未満の子どもは5人に1人を超えており、世界的にも子どもの死亡原因で最も多いのが肺炎です。
セーブ・ザ・チルドレンの移動式保健医療チームのリーダーで医師のサダットは次の通り訴えます。
「重度の肺炎の子どもたちはひどい咳で、呼吸をするのも困難な状況にあります。息を吸って吐くたびに子どもたちの胸が大きく上下するような状況です。そして顔もむくみ、浅黒くなります。私たちはそうした状態にある子どもたちを多く診てきました。
毎日複数の子どもたちを酸素吸入と救急医療のために病院に搬送していますが、死亡した赤ちゃんもいました。母親に子どもの状態を確認するために連絡をとったところ亡くなったとの知らせを受け、想像を絶する気持ちになりました。
すべての人を治療することができないことが多く、パルスオキシメーターや吸入器がもっと必要です。そして、一度に行ける地域は1ヶ所しかなく、他の地域でも大勢の病気の家族がいて、そうした子どもたちやその家族のことを考えると夜も眠れません。」
アフガニスタンでは経済の崩壊により国民の9割以上が貧困状態に陥っており、私たちの調査によると保健医療にかかる費用を支払えない大きな要因となっています。
全国にある診療所は職員に給料を支払えないために閉鎖を余儀なくされています。私たちは金融資産凍結や支援の停止がこうした保健医療サービスに直接的に影響を及ぼしていると考えています。病気で治療が必要な子どもたちが目にするのは閉鎖された診療所と、医薬品がない薬局であり、セーブ・ザ・チルドレンは、国際社会に対し必要な資金を拠出するよう要請します。
私たちの移動式保健医療チームは、2021年に37万5,000回以上の診療を行い、1万2,000人を超える栄養不良の子どもたちを治療しました。加えて、越冬支援として最も寒さが過酷な地域に暮らす家族に現金や冬服、燃料の提供を行っています。
カブール郊外に家族と暮らすワズマさん(9歳)
2021年12月に実施した調査では、対象世帯のうち過去3ヶ月に保健医療サービスが必要だったが利用できなかった世帯が55%にのぼりました。また調査対象の半数の親は、2週間のうちに子どもが肺炎にかかったとも話していました。
幼い子どもたちの免疫システムに影響を及ぼす極度の食料不足が起こっているなか、子どもに肺炎がまん延しています。金融資産凍結や支援の停止による保健医療サービスの崩壊は、アフガニスタンの子どもたちに大きな代償を払わせています。
北部のある病院の医師は、これほど多くの肺炎の子どもたちや重度栄養不良の子どもたちを診たことがないと話します。ひとつのベッドに、2人から3人、ときには4人の子どもたちが入院しているときがあり、昨年12月だけで135人の子どもたちが院内、あるいは病院に運ばれてくる途中で死亡しました。死亡した子どもたちの大半は肺炎による呼吸困難に陥っており、40人の子どもたちは重度の栄養不良でした。その医師は、もし栄養不良の子どもたちが病院で治療を受けることができれば命を落とすことはなかっただろうと話しました。
ワズマさん(9歳)は、カブール郊外に家族とともに暮らしています。その地域に暮らす人たちの多くは職を失い、親は子どもたちの食事を優先し、自分たちは食事をしていません。
ワズマさんは、体調が悪くなり、高熱と咳が続き呼吸困難に陥りました。彼女の両親は民間療法を試しましたが効果はありませんでした。病院に行かなければならないと分かってはいましたがそのためのお金がなかったため父親のサミールさんは友人にお金を借りました。
「お金を借りることができなければ娘が生きていたか分かりません。息をするのも苦しがっており、とても不安でした。厳冬にも関わらず、自宅を温めることができないため多くの子どもたちは寒さのなか日々を過ごさなくてはならず病気になっています。」
2021年12月に実施した調査では、対象世帯のうち過去3ヶ月に保健医療サービスが必要だったが利用できなかった世帯が55%にのぼりました。また調査対象の半数の親は、2週間のうちに子どもが肺炎にかかったとも話していました。
幼い子どもたちの免疫システムに影響を及ぼす極度の食料不足が起こっているなか、子どもに肺炎がまん延しています。金融資産凍結や支援の停止による保健医療サービスの崩壊は、アフガニスタンの子どもたちに大きな代償を払わせています。
北部のある病院の医師は、これほど多くの肺炎の子どもたちや重度栄養不良の子どもたちを診たことがないと話します。ひとつのベッドに、2人から3人、ときには4人の子どもたちが入院しているときがあり、昨年12月だけで135人の子どもたちが院内、あるいは病院に運ばれてくる途中で死亡しました。死亡した子どもたちの大半は肺炎による呼吸困難に陥っており、40人の子どもたちは重度の栄養不良でした。その医師は、もし栄養不良の子どもたちが病院で治療を受けることができれば命を落とすことはなかっただろうと話しました。
ワズマさん(9歳)は、カブール郊外に家族とともに暮らしています。その地域に暮らす人たちの多くは職を失い、親は子どもたちの食事を優先し、自分たちは食事をしていません。
ワズマさんは、体調が悪くなり、高熱と咳が続き呼吸困難に陥りました。彼女の両親は民間療法を試しましたが効果はありませんでした。病院に行かなければならないと分かってはいましたがそのためのお金がなかったため父親のサミールさんは友人にお金を借りました。
「お金を借りることができなければ娘が生きていたか分かりません。息をするのも苦しがっており、とても不安でした。厳冬にも関わらず、自宅を温めることができないため多くの子どもたちは寒さのなか日々を過ごさなくてはならず病気になっています。」
ワズマさんの父親のサミールさん
病院で、ワズマさんは酸素吸入が必要でしたが酸素タンクが不足していたためにわずか30分しか提供できないと言われ、医師はひとつのベッドを共有して、入院している3人の子どもたちを同時に治療していました。
ワズマさんは入院中の状況について、とても具合が悪く、横になり体を動かすととても痛く、熱とだるさを感じていたと話します。また病院にいるときはとても不安に感じ呼吸をすることも困難だったと言います。彼女は、治療により何とか回復しましたが、アフガニスタンに暮らす多くの子どもたちはこうした治療を受ける機会がありません。
アフガニスタンが現在の危機に陥る前から肺炎で亡くなる5歳未満の子どもは5人に1人を超えており、世界的にも子どもの死亡原因で最も多いのが肺炎です。
セーブ・ザ・チルドレンの移動式保健医療チームのリーダーで医師のサダットは次の通り訴えます。
「重度の肺炎の子どもたちはひどい咳で、呼吸をするのも困難な状況にあります。息を吸って吐くたびに子どもたちの胸が大きく上下するような状況です。そして顔もむくみ、浅黒くなります。私たちはそうした状態にある子どもたちを多く診てきました。
毎日複数の子どもたちを酸素吸入と救急医療のために病院に搬送していますが、死亡した赤ちゃんもいました。母親に子どもの状態を確認するために連絡をとったところ亡くなったとの知らせを受け、想像を絶する気持ちになりました。
すべての人を治療することができないことが多く、パルスオキシメーターや吸入器がもっと必要です。そして、一度に行ける地域は1ヶ所しかなく、他の地域でも大勢の病気の家族がいて、そうした子どもたちやその家族のことを考えると夜も眠れません。」
アフガニスタンでは経済の崩壊により国民の9割以上が貧困状態に陥っており、私たちの調査によると保健医療にかかる費用を支払えない大きな要因となっています。
全国にある診療所は職員に給料を支払えないために閉鎖を余儀なくされています。私たちは金融資産凍結や支援の停止がこうした保健医療サービスに直接的に影響を及ぼしていると考えています。病気で治療が必要な子どもたちが目にするのは閉鎖された診療所と、医薬品がない薬局であり、セーブ・ザ・チルドレンは、国際社会に対し必要な資金を拠出するよう要請します。
私たちの移動式保健医療チームは、2021年に37万5,000回以上の診療を行い、1万2,000人を超える栄養不良の子どもたちを治療しました。加えて、越冬支援として最も寒さが過酷な地域に暮らす家族に現金や冬服、燃料の提供を行っています。