アフガニスタン(公開日:2014.02.26)
村は変わっていく〜グンバッド村のケース〜(2014.02.26)
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(以下、SCJ)がジャパン・プラットフォームの助成で行っているバーミヤン州での教育復興支援事業。2010年8月に開始して、3年半が経過しました。その間いろいろな村で支援を行っておりますが、今回はグンバッド村の教育支援の状況についてご報告します。
グンバッド村はバーミヤン中央郡のはずれにあり、大きなお店もなければ、クリニックもありません。病院に行くときには30キロメートルほど離れたバーミヤンの中央まで行かないといけません。幹線道路にも面しておらず、未舗装の凸凹、生活はかなり大変です。グンバッドの小学校には、グンバッド村からと隣村のアクシャイ村から子どもたちが通っています。両村には約330世帯が暮らしています。
以前、子どもたちはテントの教室で学んでいました。SCJでは2012年から学校を建設したり、先生や村の有力者、PTAに研修を行ったり、子どもへの保健教育を実施したり、就学前教育を行っています。現在は170人以上の子どもたちが新しい校舎で学んでいます。
村の人々は春から秋にかけて農業や牧畜業で生計を立てており、家族全員でこれらの作業に従事しています。子どもたちも例外ではありません。冬の間は農作業ができず、家畜の世話をしたり、年配の男性たちはモスクに集まって話をしたり、子どもたちは同じくモスクでイスラムの教えについて勉強したりしています。経済的に厳しい状況にあり、収入源も限られているため、何か問題が生じると家畜を売ってお金を作って対応している日々です。
以前、村人たちは子どもの教育に対してあまり前向きではありませんでした。学校の建物もなく、学校に通わせるくらいなら、働いてもらった方がいい、という考えが根強くありました。学校の先生の質もあまり高くなかったこともその一因かもしれません。海外や都市部にいた経験があるか、経済的に豊かな家族のみが、学校に子どもを通わせていました。
SCJを含め様々な支援団体が活動を始めたことにより、村は少しずつ変わっていきました。様々な教育支援を行うと同時に、もっと子どもの教育に関心を持ってもらい、子どもたちを学校に通わせるように働きかけてきました。
「昔は男の子だけ学校に行かせればいいや、女の子は学校に行かせなくてもいいや、と多くの村人は考えていたと思うよ」と、村の人は話してくれました。
「学校を建ててもらって、私たちもいろんな研修に参加させてもらうことで、ちょっとずつ考え方が変わってきたように思うんだよ。今は子どもたちを学校に通わせないと、特に女の子は、立派なイスラム教徒の女性になれないし、あまりよくないことを身に付けてしまうかもしれない。昔の私たちの考えは間違っていたんだよね。イスラムの教えの中でも男性にも女性にも教育は必要である、とされているし。」と村のリーダーは語りました。
そうはいっても、まだすべての女の子が5年生や6年生まで学校に通っているわけではありません。「女の子は少し読み書きができればいいや」と考えている人たちもいます。でも、多くの人たちは子どもの教育に前向きになっていて、子どもたちが学校で教育を受ければ、よりよい生活や未来が開けると考えるようになりました。
学校の建設だけでは十分な支援とはいえません。先生方や地域の住民への研修も必要です。子どもたちへの保健教育も欠かせません。とはいえ、やはり、村に学校が建つ、ということは大きな意味を有していると思います。支援が目に見える形でできますので、村の人たちも「自分たちもやらないと」となってきたのかもしれません。
教育支援は時間がかかります。人々の考え方も変わっていきます。地元の村の人たちとともに教育支援を続けていきたいと思っています。
(アフガニスタン担当 紺野)
グンバッド村はバーミヤン中央郡のはずれにあり、大きなお店もなければ、クリニックもありません。病院に行くときには30キロメートルほど離れたバーミヤンの中央まで行かないといけません。幹線道路にも面しておらず、未舗装の凸凹、生活はかなり大変です。グンバッドの小学校には、グンバッド村からと隣村のアクシャイ村から子どもたちが通っています。両村には約330世帯が暮らしています。
以前、子どもたちはテントの教室で学んでいました。SCJでは2012年から学校を建設したり、先生や村の有力者、PTAに研修を行ったり、子どもへの保健教育を実施したり、就学前教育を行っています。現在は170人以上の子どもたちが新しい校舎で学んでいます。
村の人々は春から秋にかけて農業や牧畜業で生計を立てており、家族全員でこれらの作業に従事しています。子どもたちも例外ではありません。冬の間は農作業ができず、家畜の世話をしたり、年配の男性たちはモスクに集まって話をしたり、子どもたちは同じくモスクでイスラムの教えについて勉強したりしています。経済的に厳しい状況にあり、収入源も限られているため、何か問題が生じると家畜を売ってお金を作って対応している日々です。
以前、村人たちは子どもの教育に対してあまり前向きではありませんでした。学校の建物もなく、学校に通わせるくらいなら、働いてもらった方がいい、という考えが根強くありました。学校の先生の質もあまり高くなかったこともその一因かもしれません。海外や都市部にいた経験があるか、経済的に豊かな家族のみが、学校に子どもを通わせていました。
SCJを含め様々な支援団体が活動を始めたことにより、村は少しずつ変わっていきました。様々な教育支援を行うと同時に、もっと子どもの教育に関心を持ってもらい、子どもたちを学校に通わせるように働きかけてきました。
「昔は男の子だけ学校に行かせればいいや、女の子は学校に行かせなくてもいいや、と多くの村人は考えていたと思うよ」と、村の人は話してくれました。
「学校を建ててもらって、私たちもいろんな研修に参加させてもらうことで、ちょっとずつ考え方が変わってきたように思うんだよ。今は子どもたちを学校に通わせないと、特に女の子は、立派なイスラム教徒の女性になれないし、あまりよくないことを身に付けてしまうかもしれない。昔の私たちの考えは間違っていたんだよね。イスラムの教えの中でも男性にも女性にも教育は必要である、とされているし。」と村のリーダーは語りました。
そうはいっても、まだすべての女の子が5年生や6年生まで学校に通っているわけではありません。「女の子は少し読み書きができればいいや」と考えている人たちもいます。でも、多くの人たちは子どもの教育に前向きになっていて、子どもたちが学校で教育を受ければ、よりよい生活や未来が開けると考えるようになりました。
学校の建設だけでは十分な支援とはいえません。先生方や地域の住民への研修も必要です。子どもたちへの保健教育も欠かせません。とはいえ、やはり、村に学校が建つ、ということは大きな意味を有していると思います。支援が目に見える形でできますので、村の人たちも「自分たちもやらないと」となってきたのかもしれません。
教育支援は時間がかかります。人々の考え方も変わっていきます。地元の村の人たちとともに教育支援を続けていきたいと思っています。
(アフガニスタン担当 紺野)