アフガニスタン(公開日:2014.03.05)
「学校が変わる」ということ(2014.03.05)
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(以下、SCJ)では2010年8月からジャパン・プラットフォームの助成により、バーミヤン州にて学校建設や子どもから子どもへの保健教育、就学前教育等の包括的な教育復興支援を行っています。教育支援というと、学校を建設したり、図書室を設置したり、識字教育を行ったり、といったイメージを持たれる方が多いかもしれません。SCJはもちろんそれらの支援事業を行っていますが、それ以外にも大切な活動があります。それは「学校が変わる」ためのお手伝い。「学校が変わる」ためにはどうすればいいのか?SCJでは子どもを取り巻く人々に着目し、 先生や地域住民の人たちへの研修を実施しています。
アフガニスタンの教育には、残念ながら様々な課題があります。その中であまり知られていないのが「体罰」の問題。アフガニスタンの学校や地域社会では体罰が根強く残っています。
そんな学校の先生や地域の方々に対して、SCJでは体罰を用いないで教育するための研修を行っています。さらに、学校運営委員会を設置して、よりよく学校の運営ができるような研修も行っています。実際にこれら研修に参加してくださった方々の声を聴いてみました。
サイード・アバド・スクールのハバ校長先生は、研修に参加した感想を次のように述べてくれました。
「研修を通しての最大の学びは、リーダーシップの重要性を理解したことです。仕事の優先順位の付け方も学びました。さらに重要なのは、学校の年間計画の持つ意味ですね。他の先生や地域住民の方々と協力しながら、来年の計画を立てようと思います。」
タヒールさんは保護者会の会長さんであり、会計役も務めながら、学校の先生たちと協力して子どもたちの課題解決に取り組んでいます。
「研修ではいろんなことを学んでいるけれど、今まで良かれと思っていたことが、実は子どもたちにとってよくないことだと知りました。例えば体罰は、子どもたちを教育するうえでとても役に立つと思っていたのです。でも、研修を受けて、体罰は子どもたちによくない影響を及ぼすことがわかりました。それに、最近では子どもたちが学校で抱えている課題を親御さん同士で共有することが増えてきた、と保護者会で聞きました。」
今後もできる限り、プロジェクトにかかわるバーミヤンの方々の声をお届けしていきたいと思っています。
(アフガニスタン担当 紺野)