アフガニスタン(公開日:2021.09.03)
【アフガニスタン】子どもたちへの緊急・人道支援の早急な再開に向けて
セーブ・ザ・チルドレンは、アフガニスタンで深刻な人道危機が起こっていることへの懸念が高まるなか、厳しい冬が始まる前に、保健・栄養事業を再開したいと考えています。
故郷から避難を余儀なくされ避難生活を送るアフガニスタンの家族。2021年7月28日撮影
アフガニスタンでの暴力の激化により、セーブ・ザ・チルドレンは8月中旬に、同国での事業を一時的に中断せざるを得なくなりました。しかし、現在、一部のスタッフについては、すぐに事業再開が可能な状態になると考えています。
アフガニスタンでは、現在の混乱が起こる前から、人々は極度の食料不足と貧困に苦しんでいましたが、新型コロナウイルス感染症の流行や紛争、干ばつなども重なり、過去に類を見ない規模の食料危機に陥っていました。同国で飢餓に直面している人は、世界で2番目に多いと言われています。
実際、アフガニスタンでは、今年6月に過去4年間で2回目となる深刻な干ばつが起こり、人口の3分の1以上にあたる約1,400万人が飢餓に陥っています。この人数の中には、栄養支援を受けているおよそ200万人の子どもたちが含まれ、今年中に5歳未満の子どもの半数が急性栄養不良に陥ると考えられています。
緊急・人道支援のニーズが急増している一方で、支援に必要な資金は大幅に不足しています。私たちは、アフガニスタンにおける緊急・人道支援の必要性と活動を担保するための支援を強く訴えます。また、各国首脳などに対しては、アフガニスタンの子どもたちが必要とする支援を確実に受けられるようにし、安全な場所での新しい生活を希望する人たちのために、安全で合法的な避難ルートをつくるよう要請します。
緊急の支援がなければ、気温が−16度まで下がり、凍えるような夜と降雪が続く冬を迎えるアフガニスタンで、何万人もの子どもたちが栄養不良と病気で命を落とす可能性があります。
セーブ・ザ・チルドレンのアジア地域事務所代表ハッサン・ヌールは次のように訴えます。
「今回の危機以前から、アフガニスタンへの人道支援は圧倒的に少なく、何百万人もの人たちが緊急・人道支援を切実に必要としていました。
しかし今、状況ははるかに悪化しています。暴力の激化にともない、さらに多くの子どもたちが極度の食料不足に直面し、シェルターや食料、保健医療サービスも無いままに屋外で避難生活を送っています。そして、安全に避難しようと試みる家族は想像を絶する恐怖に直面し、子どもたちは精神的苦痛を受けています。
セーブ・ザ・チルドレンは40年以上にわたってアフガニスタンで活動してきましたが、その活動をやめるつもりはありません。現在、私たちのチームは、避難を余儀なくされた家族に可能な限り必要な支援を提供しており、性別に関わらず現地で活動するスタッフの一部が間もなく支援活動を再開すると確信しています。
また、難民となった子どもたちやその家族の多くは、着の身着のままで故郷を後にし、疲れ果てて震えながら避難先の国へたどり着きました。避難してきた難民の家族のために、一晩中、その地域の人たちが一丸となって寄付金を集め、支援を提供するなど、できる限りのことをしている姿を見て、心が揺さぶられました。
しかし、より多くの命を守るために、各国政府が迅速に行動を起こすことが、いま必要です。難民の家族を支援した地域の人たちのように、政府もまた、その役割を果たすべきときがきています。」
セーブ・ザ・チルドレンは、独立かつ政治的に中立な組織で、1976年からアフガニスタンで活動してきましたが、一時的に活動を中断せざるを得ない状況にあります。2020年は、保健・栄養、教育、子どもたちを暴力から守るための支援(子どもの保護)、生計向上支援などの分野で160万人以上の子どもたちとその家族に支援を行いました。
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