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〜宮城県野蒜小野球スポーツ少年団への野球備品支援〜(2012.12.17)

日本/東日本大震災/コミュニティ・イニシアチブ
(公開日:2012.12.17)

"新しいユニフォームで勝てるようになった!"
〜宮城県野蒜小野球スポーツ少年団への野球備品支援〜(2012.12.17)

 
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、ウォルマート・ストアーズ・インク(本社:米国アーカンソー州ベントンビル)のご支援のもと、スポーツ・文化活動を通じて、被災地の子どもたちの教育的、知的および社会的な成長に資する環境と機会づくりに貢献しています。昨年に引き続き、2012年、宮城県内での支援第二弾として、新たにスポーツ・文化、地域の郷土芸能活動30団体への支援を実施し、宮城県内では、計64団体を支援しました。

今回は、野蒜小野球スポーツ少年団の練習にお邪魔してきました。海岸沿いに位置する宮城県東松島市野蒜地区は津波による甚大な被害を受けており、野蒜小野球スポーツ少年団はほぼ全ての野球道具を失いました。セーブ・ザ・チルドレンは同スポーツ少年団の子どもたちが震災前と同様に野球活動を行なえるよう、ユニフォームやバット、グローブなど、野球に必要な備品一式を提供。現在、小学生25名が元気に活動を行っています。


寒さに負けず、投球練習を行います


         低学年の子たちも練習に参加                   ホームランに思わず笑みがこぼれます

野蒜小野球スポーツ少年団を引っ張っているのがキャプテンを務める尾形隼輔くん(小6)。被災後、再び野球ができると決まった時の様子を振り返りつつ、「また野球ができるんだと思うとすごく嬉しかった。仲間と会えると思うと嬉しかった。ずっと一緒にやってきたので。」と話してくれました。今回の支援の中でも、特に嬉しかったのはユニフォームだったといいます。「初めて見た時、『かっこいい!』と思いました。個人的にも白が大好き。色が明るくて、気持ちが明るくなるし、テンションも上がる。そのおかげで、招待試合に行くと必ず2回に1回は勝てるようになったし、試合内容もよくなった。ユニフォームのおかげだと思う。」と話してくれたように、勝利をもたらすユニフォームとして子どもたちの中でも大人気だそうです。今後の目標を尋ねると「打って、守れて、走れる選手になりたい。将来はプロ野球選手になってWBCに出場したい。西武の中島選手が目標です。」と話してくれた尾形君に、キャプテンとして野蒜小野球スポーツ少年団を引っ張ってきた頼もしさと力強さを感じました。


いつも心がけていることは「声を出すことと、低学年の子たちのお手本になること」
キャプテンの尾形くん


支援で提供されたファーストミット(写真右)
ボールが取りやすくなったため大きなミスが少なくなったそうです

現在は定期的に練習を行えるまでになった野蒜小野球スポーツ少年団ですが、震災後の野球再開への道のりは決して容易なものではありませんでした。それでも、「チームがバラバラになってしまっていたので、一緒に集まってみんなでもう一度野球をやりたい。」という田中監督の強い思いに触れ、少しずつ野球の練習に戻ってくる子どもが増えていきました。なんとか練習を再開した野蒜小野球スポーツ少年団ですが、すぐに野球に必要な備品の不足に直面しました。特に監督の頭を悩ませたのは試合時に着用するユニフォームの調達。そのような中で、今回の支援によりユニフォームを新調することができたのです。監督は「ユニフォームを揃えてあげたかったけど資金的にも新調するのは難しく、しばらくは古いユニフォームでやるしかないのかなと思っていた。そんな時に新しいユニフォームを支援してもらえることになり。私も嬉しくってね。」と取材中も当時の喜びと感動がよみがえってきた様子でした。そんな監督の今後の目標は、少しでも長く野蒜スポーツ少年団を継続させること、そして一人でも多くの子どもに野球の楽しみを味わってもらうこと。「もっと団員を集めたい!」と語る姿に、震災後の大変な状況の中、子どもたちのために野球ができる環境を一つ一つ整えてきた監督の熱い思いを感じずにはいられませんでした。


「野球には勝つこと以上の醍醐味がある」と語る田中監督

震災が起こる前は野蒜小学校のグラウンドを使用して練習していましたが、校舎の損壊とともにグラウンドも使用できなくなりました。現在は東松島市立の他の小学校のグラウンドを借りて練習を行っていますが、練習会場が確保できず、十分に練習ができないまま試合に臨む時もあります。それでも子どもたちは野球をできること自体に喜びを感じており、一つでも多くの勝利を目指して全力で目の前の一球を追いかけています。大変な状況下でも子どもたちが野球を通じて笑顔になれるよう、そして仲間とともに前を向いて歩いていけるよう、セーブ・ザ・チルドレンは引き続き子どもたちがスポーツや文化活動に積極的に参加する企画を支援していきます。 



(c) セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
(報告:広報 北村)

 

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