日本/東日本大震災/コミュニティ・イニシアチブ(公開日:2014.04.10)
2013年 コミュニティ・イニシアチブ事業のご報告(2014.04.10)
私たちSCJは、復興支援のひとつとして「子どもたちの成長を支えることができる地域づくり」を目指してコミュニティ・イニシアチブという事業を展開しています。コミュニティ・イニシアチブでは、地域の方々が主役となって子ども支援を推進できるよう、地域のNPOや団体の活動への資金提供(助成事業)や組織基盤強化へのサポートを実施しています。
2013年も、?助成事業、?組織基盤強化、?技術支援を柱として、広範囲にわたる子ども支援分野において地域の活動を支援しました。
?2013年の活動実績?
?助成事業 : 6つの助成事業を実施し、400近い団体を支援しました。
事業名 | 内容 | 支援団体 |
こども☆はぐくみファンド | 被災地の子ども支援団体へ、分野や地域を限定せず幅広く支援しました。 | のべ56団体 |
フクシマ ススム プロジェクト 子ども支援NPO助成 | 2013年から福島県の子ども(県外避難者を含む)に特化した助成事業を開始しました。特に困難な状況にある子どもの負担・不安軽減や、居場所・遊び場作りなどを支援しました。 | 15団体 |
RESTART JAPAN 夢実現プロジェクト | スポーツ少年団や学校の部活動など、子どもの日常的なスポーツ・文化活動を取り戻す活動への助成を行いました。2013年から、団体の組織基盤強化にかかる活動への助成も始め、広報や法人化をサポートしました。 | 254団体 |
地域子どもサポートファンド | 夢実現プロジェクトと同じく、子どものスポーツ・文化活動への助成を行いました。2012年までは岩手・宮城県両県で、2013年は福島県での事業を行いました。 | 31団体 |
まちくるみ育児ファンド | 乳幼児のいる被災家庭への訪問支援を広げる活動を行う(特活)ホームスタート・ジャパンとともに事業を実施しました。地域住民が訪問支援できる仕組みで子育て家庭の孤立化を防ぎます。 | 12団体 |
みんなの希望ファンド | 原発事故の影響下で生活している福島県又は現在も放射線の影響が強いと思われる地域の子どもたちが、より質の高い保養プログラムに参加できるよう、保養プログラムの実施に関わる全国の団体に対する助成とプログラムの質向上のための支援を開始しました。 | 7団体 |
?組織基盤強化 および ?技術支援 : 助成先団体に対して、より質の高い活動を安定して継続できるよう、組織基盤を強化するための研修やコンサルティングを実施しました。
活動名 | 内容 | 実施した助成事業 |
学び合いフォーラム | 助成先団体が相互に経験共有し、交流を深めるための、宿泊型研修を実施しました。 | こども☆はぐくみファンド、 フクシマ ススム プロジェクト |
組織運営コンサルティング (子ども参加型運営) | 団体の支援する子どもたち自身が団体運営に参加できるような組織を目指して、組織運営コンサルティングを行いました。 | 夢実現プロジェクト |
子どもの安全な活動となるための研修 | 保養活動における子どもたちの安心・安全な環境を守るための、子どもの権利にもとづいた1日研修を実施しました。 | みんなの希望ファンド |
個別コンサルティング | 会計などに関する個別コンサルティングを行いました。 | すべての助成事業 |
?今後に向けて?
東北三県におけるNPOなどの団体は、団体のスタッフやボランティア自身も被災している中、震災の影響により活動を急拡大・急展開せざるをえないなど、震災以前より困難な状況下にありながら、子どもたちの今と未来を支える活動を続けています。また、「復興支援への関心が薄れる中で、今後も活動を続けられるか」、「休みなく働くことで団体スタッフが疲労を感じている」といった声も聞かれています。
一方で、子どもの状況に目を向けてみると、PTSDなどの心理的影響や体力低下などの身体的影響が震災後しばらくしてから言われるようになり、子どもの環境は地域や家庭状況などによりますます多様化しています。
これからも、子どもの権利が守られるには、より多くの細やかな支援が必要とされます。そのためには、地域団体への支援が欠かせません。これまでは緊急性の高い状況の中で、まずは団体が活動を続けられることの優先順位が高くなっていました。しかし、徐々に、地域の団体が「より自立的、継続的に」活動を続けられるよう、団体の基盤強化に対する支援も大切になってきています。
2013年の事業は、SCJを応援してくださった全国の方々や企業のご支援のもとに進めることができ、心より感謝申し上げます。コミュニティ・イニシアチブでは、今後も復興支援において地域の方々が主役となって子ども支援を推進できるよう、事業を進めていきます。今後とも、どうぞ温かいご支援をよろしくお願いいたします。
(東日本大震災復興支援事業部:川原望美)