日本/東日本大震災/コミュニティ・イニシアチブ(公開日:2013.11.28)
聾学校の高校生 新ユニフォームで全国大会に出場(2013.11.27)
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、ウォルマート・ストアーズ・インクの支援のもと、東日本大震災で被災した子どもたちの教育支援の一環として2011年9月から、岩手県と宮城県において「スポーツ・文化 地域子どもサポート事業」を開始しました。この事業は、被災の影響で通常の活動が実施できない子どもたちのスポーツや文化活動を支援するもので、活動費や物品購入費、遠征費などを1団体につき上限30万円の活動資金を援助します。
2013年8月から福島県では初めてこの支援の公募が行われました。採択された団体の一つ、福島県立聾学校陸上部が全国大会に出場しましたので、その模様をお届けします。
■全国大会入賞や自己記録更新など日頃の練習の成果が実る
11月8日(金)、東京の駒沢オリンピック公園総合運動場にて、「第50回記念全国聾学校陸上競技大会東京大会」の第一日目が開催されました。この大会に福島県立聾学校陸上部の7名の部員が、100m、400m、三段跳、走り高跳び、やり投、砲丸投、4×100mリレーの7種目に出場しました。
400mで力走する橋本くん(左から2番目) ブルーが鮮やかなユニフォーム
唯一の女子選手で砲丸投に出場した塩田さん 他の部活動と掛け持ちでやり投に
出場した菅野くん
100メートルの準決勝にも進出し、 三段跳で10m96の記録を出し、見事
三段跳と掛け持ちで頑張る渡辺拓海くん 全国大会入賞を果たした渡辺裕貴くん
■20年前から使用していたユニフォームが新しいユニフォームへ
ブルーが鮮やかなユニフォーム。実はこの大会が初お披露目でした。福島県立聾学校陸上部では、大会前まで20年前に購入したユニフォームを少しずつ更新し、着用していました。さらに、東日本大震災及び原発事故後は、部活動にかかわる直接的な支援が少なく、新しいユニフォームをつくる余裕が無かったためです。
「震災で思うように練習ができない状況でも全国大会の出場を決めた子どもたちに、せめて新しいユニフォームを着て頑張ってほしい。また、全国のみんなに元気な姿を見せたい。」
そのような現状を変えたいという、陸上部顧問の先生からの公募があり、今回の支援につながりました。
陸上部のキャプテンを務めた渡辺拓海くんは、「新しいユニフォームはかっこ良くて気に入っています。このユニフォームを着て大会に参加できて嬉しかったです。僕は3年生で全国大会は最後ですが、後輩の皆も気持ちを強く持って頑張ってほしいです。」と話してくれました。
三段跳で入賞した渡辺裕貴くんは、「最後の大会で入賞できて嬉しいです。1年生の時は決勝に残れませんでしたが、2,3年生の時は決勝に残れました。三段跳は、最初は難しかったけど、先生に何度も指導してもらってここまで来ることができました。」と話してくれました。
新しいユニフォームを着た、メンバーは結果として「三段跳び7位」「4×100mリレー6位」と2種目で入賞を果たしました。校長先生は「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンのユニフォーム支援が生徒たちの大きな後押しとなり、子どもたちの努力が実を結んだかたちとなりました。昨年よりも好成績でした。」と大会後に話してくれました。
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンとウォルマートは、活動資金の支援により、震災で滞っていたスポーツ・文化活動が円滑に行われることで、子どもたちが活き活きと活動でき、日常を取り戻すことができる、さらに、そのことにより地域が活性化されることを期待して支援を続けていきます。
(報告:広報 三輪 喜則)