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日本/東日本大震災/コミュニティ・イニシアチブ
(公開日:2013.02.21)

「やまがた育児サークルランド」を訪ねました〜フクシマススムファンド〜(2013.2.21)

 

サントリーと協働で立ち上げた、東日本復興支援事業のプロジェクトの一つであるフクシマススムファンド第一期の助成により、現在15団体が活動を開始しています。フクシマススムファンドは、福島県外に避難された方々の支援を行うことも目的としており、今回は、避難家庭支援を行っている団体の一つ、「特定非営利活動法人 やまがた育児サークルランド」をたずねました。

山形市内にある「やまがた育児サークルランド」のオフィス


 山形県は震災後、被災地3県を除くと全国で一番避難者を受け入れている県で、現在でも約1万人が県内に避難しており、3,822人(2月7日現在)が山形市内に集中しています。そのような状況の中で、10年以上にわたり地域に根差した子育て支援活動を行ってきた「やまがた育児サークルランド」は、避難家庭の子育てと母親の心のケアが必要であることに気づいたそうです。代表の野口比呂美さんは言います「震災があったからという特別なことでをしたわけではなく、日常の子育て支援の延長上の活動で当然のことなんです」。

 アットホームに迎え入れてくれる「福山ひろば」のエントランス


震災後、福島から山形市内に避難されてきた家庭を対象に、母親同士の交流と情報交換などを目的とした子育てサロンを開催、多い時は日に200名もの利用があったそうです。これまで子育て支援の実績はあるものの、避難が長期化し、避難家庭の抱える状況が多様化していくなかで、それぞれの事情や悩みに対応するため、限られた人員で奔走し、試行錯誤の2年だったそうです。現在は、主にお母さんたちが集うサロンの活動にフクシマススムの助成を活かしています。山形市内に福島からの避難家庭と地元のお母さんとが交流できるサロン「福山ひろば」をオープンし、小さな子どもを連れたお母さんたちが自由にサロンを使用しています。広々とした間取りの民家を借り上げ、畳の部屋にはこたつを置き、目の届く場所に子どものプレイスペースを設けたりと、アットホームな雰囲気で、お母さん同士が自由に交流でき、子どもたちは安全な環境で遊べる場所になっています。

サロンを訪ねた日はバレンタインデー。キッチンでは、お母さんたちが楽しそうにチョコレート作りをしていました。



日の当たる部屋には、さまざまな遊具が置かれて、子どもたちの安全なプレイスペースに。


また、2時間程度の相談会も実施しています。避難家庭は、母子のみの生活、育児不安、経済的負担感、孤立傾向など配慮が必要な場合があり、こちらがお母さん達からのサインに気付いてあげることが大切です。こうして、やまがた育児サークルランドは、人とふれあえる“居場所”づくりと、心のケアというハードとソフトの両面からサポートにチャレンジしています。「理想は、避難先での母親の自立ですが、まずは相手に合わせて“寄り添う”ことを目指しています」と野口さんは今後の活動の目標を語ってくださいました。

やまがた育児サークルランドを支援することで、フクシマススムは、福島県外に避難した子育て家庭のサポートに貢献しています。


「特定非営利活動法人 やまがた育児サークルランド」のサイトはこちら


(報告: 広報 佐藤則子)


 

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