日本/東日本大震災/コミュニティ・イニシアチブ(公開日:2015.07.29)
福島の子ども支援活動を続けるために
〜フクシマ ススム プロジェクト 福島子ども支援NPO助成「助成先・学びあいフォーラム2015」開催〜
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(以下SCJ)はサントリーホールディングスと共に、福島の子どもたちを支援しているNPOを対象に「フクシマ ススム プロジェクト 福島子ども支援NPO助成」を実施しています。2013年〜2015年の3年間にわたり、のべ57団体へ支援をしてきました。
2015年7月5日〜6日、福島市内にて「助成先・学びあいフォーラム2015」を開催しました。このフォーラムは、各団体の活動が将来まで見据えて助成金を有効に使い、助成終了後も自立して活動を継続できるよう、NPO運営の知識習得や活動計画の見直しの機会として毎年実施しているものです。今回は、これからの活動継続に不可欠な「資金調達」の具体策となる「行政との連携」「寄付金集め(クラウドファンディング)」を講義とワークショップを通じて学ぶと共に、二日目午後は、現在、福島の子どもを対象として実践している「放射能リテラシーワークショップ」を、おとなを対象に初めて行いました。
福島を始め、各県から19団体32名が参加しました。
自己紹介の様子。2日間、よろしくお願いします。
1日目は、日本NPOセンター新田恵理子氏による「NPOと行政との連携・協働のあり方について」、ジャパンギビング宮本聡氏による「クラウドファンディングで支援を集めよう」の講演を実施。講演後1日目夕方〜2日目午前中は「行政との連携」「クラウドファンディング」の2グループに分かれ、各団体で具体的な行動に移すためのワークショップを行いました。
日本NPOセンター/新田恵理子氏(左)、ジャパンギビング/宮本聡氏(右)
「行政との連携」や「寄付金集め」を重要とわかりつつも、具体的にどうすればよいのか、手探りの団体もある様子でした。助成金終了後も活動を継続していくには、これから何をするべきか・・・? 2日間、講師もスタッフも団体の方と共にワークをし、話し合いました。
講師やスタッフも入り、各団体の計画を一緒に考えました。
2日目の午後は、現在、福島県で、子どもたちを対象に実践している「放射能リテラシーワークショップ (以下ワークショップ)」をおとな版として実施しました。
最初のワークは、グループに分かれ、放射能について「不安なこと、気になること、知りたいこと、取り組んでいること」を書き出します。講師は、おなじみの特定非営利活動法人市民科学研究室の上田昌文さん。各グループでの白熱した議論に耳を傾け、参加者からの質問に丁寧に答えてきます。
次々と挙がる質問に丁寧に答える上田昌文さん。
質疑応答も活発で、関心の高さがうかがえました。
続いてのワーク、福島県産の食材50品目の中から10品目選んで、どのぐらい放射性物質を体内に取り込んでしまうかを学ぶ食材選びゲームは、具体的な数値を知ることで、福島県産の食材が厳しく安全管理されていること を学ぶ機会になりました。そして、子どもたちが放射能について周りの人と話すことや、放射能について学ぶことをどう思っているかを、これまで放射能リテラシーワークショップに参加した子どもたちが書いてくれたアンケート結果から子どもたちの声の紹介などをしました。そして、最後に、放射能関連の情報や放射線教育関連の書籍や冊子、ホームページなどを紹介しました。放射能についての情報が溢れているなかで、どのように判断し、日々の活動に活かせるのか、整理できる時間となりました。
研修後のアンケートでは「助成金に頼らない体制づくりを改めて急がねばならないと感じた」「行政への声かけの仕方について、話が分かりやすかった」「寄付集めの具体的な進め方、考えが参考になりました」「震災後の各団体の成長と課題が分かり、共有できました」「放射能リテラシー推進の必要性を認識した」といった声をいただきました。
真剣に考え、お互いの話を聞き、学び合いました。
今回参加されたNPOの皆さんは、様々に異なる複雑な状況下にある子どもや保護者に日々寄り添っています。福島の子どもたちを長期的に支え見守るためには、こうしたNPOの活動が長く続くことが、大切なことと考えています。今回のフォーラム内容も活かしながら、各団体の活動を今後も続けていって頂きたいと思います。
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概要
・日時:2015年7月5日(日)〜6日(月)
・場所:福島県 飯坂温泉 飯坂ホテル聚楽
・参加者:「フクシマ ススム プロジェクト 福島子ども支援NPO助成」助成先団体19団体32名
・主催:公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
・実施:公益社団法人 地域創造基金さなぶり
実施内容
・はじめに「フクシマ ススム プロジェクト 福島子ども支援NPO助成」の振り返りと今回のフォーラムの位置づけ
・基調講演1「NPOが活用できる資金」と「子ども・子育て支援新制度(概略)」
・基調講演2「行政との連携」について
・基調講演3「クラウドファンディング」について
・テーマワーク「行政との連携」/「クラウドファンディング」
・ワークショップ「放射能リテラシー」
「フクシマ ススム プロジェクト 福島子ども支援NPO助成」の詳細はこちら
(報告:東日本大震災復興支援事業部 奥山)