ガザ(公開日:2025.05.26)
【パレスチナ・ガザ地区】
被災した子どもとその家族の命を守る人道支援事業のご報告
2024年2月1日以降、ジャパン・プラットフォームからのご支援と皆さまのご寄付により実施していた「ガザ地区・被災した子どもとその家族の命を守る人道支援事業」が2025年1月31日に終了しました。セーブ・ザ・チルドレンでは、引き続きガザでの緊急支援を実施していますが、以下の通り活動報告をさせていただきます。
パレスチナ・ガザ地区では、2023年10月以降イスラエル軍による激しい空爆が行われ、2025年5月14日までに5万2,000人以上の人々が犠牲になりました。ガザ地区の家屋の92%が破壊され、220万人の人々が、逃げ場のないわずか365平方キロメートル1 の土地の一部に追いやられ、テント暮らしを強いられています。また、医療や食料、燃料などを含む生活必需品の域内への搬入も厳しく制限されており、多くの人々が飢餓や感染症、怪我に苦しんでいます。子どもたちも空爆開始以降学校にも通えず、精神保健・心理社会的支援を必要とする子どもは100万人を超えると言われています2 。
これらの状況を受け、本事業では、アクセスの厳しいガザ地区北部の655世帯を含む2,153世帯に2週間分の食料と、中南部のUNRWAの避難所で生活する1万893世帯に飲料水を提供しました。また、750世帯に衛生用品を届けると共に、衛生啓発セッションを169回実施しました。
更に、物資配布だけでなく、医療機関への紹介が必要な子ども、著しく生活に困窮している子どもへの食事、衣服の提供など、喫緊の問題に直面する子ども2,305人を対象に個別支援(ケースマネジメント)を実施すると共に、聴覚障害のある子ども2,400人に、補聴器などを提供しました。
また、3,447人の子どもと、1,790人の大人を対象に精神保健・心理社会的支援を実施し、描画や塗り絵、体を動かすことに主軸を置いたゲームなどを通じたストレスの発散方法の共有に加えて、子どもには日常的なリスクや、それらから身を守る方法を、大人には、子どものセーフガーディングや、既存のリスクから自身や子どもを守る方法などに関する啓発セッションを実施しました。
聴覚障害のある子どもは、補助器具を受け取ったことで、友だちや親との交流ができるようになり、そうした子どもの養育者からは「補聴器装着後、子どもたちの孤独と攻撃性が著しく減少した」、「子どもの状態が、暗いトンネルから、明るく照らされた場所に導かれたように変化した」と言う声がありました。また精神保健・心理社会的支援に参加した子どもの87%、大人の78%が、「活動によってストレスが和らいだ」と回答しています。
ただ、ガザ地区の状況は悪化の一途をたどり、これまでにガザ地区の子どもの人口の1パーセントに当たる、2万人近くの子どもが犠牲となりました。また、2025年3月初旬からガザ地区への物資供給が完全に停止されており、この数日間物資供給が再開されているものの、飢餓が蔓延しています。こうした壊滅的な状況に追い打ちをかけるように、5月18日からイスラエル軍による地上侵攻が再開され、数日間だけで、多くの子どもが犠牲になっています。セーブ・ザ・チルドレンでは、困難な状況にある中で、現地スタッフの安全を確保しながら、最大限の支援を継続するとともに、恒久的停戦を強く求めていきます。
(海外事業部 金子由佳)
パレスチナ・ガザ地区では、2023年10月以降イスラエル軍による激しい空爆が行われ、2025年5月14日までに5万2,000人以上の人々が犠牲になりました。ガザ地区の家屋の92%が破壊され、220万人の人々が、逃げ場のないわずか365平方キロメートル1 の土地の一部に追いやられ、テント暮らしを強いられています。また、医療や食料、燃料などを含む生活必需品の域内への搬入も厳しく制限されており、多くの人々が飢餓や感染症、怪我に苦しんでいます。子どもたちも空爆開始以降学校にも通えず、精神保健・心理社会的支援を必要とする子どもは100万人を超えると言われています2 。
これらの状況を受け、本事業では、アクセスの厳しいガザ地区北部の655世帯を含む2,153世帯に2週間分の食料と、中南部のUNRWAの避難所で生活する1万893世帯に飲料水を提供しました。また、750世帯に衛生用品を届けると共に、衛生啓発セッションを169回実施しました。
更に、物資配布だけでなく、医療機関への紹介が必要な子ども、著しく生活に困窮している子どもへの食事、衣服の提供など、喫緊の問題に直面する子ども2,305人を対象に個別支援(ケースマネジメント)を実施すると共に、聴覚障害のある子ども2,400人に、補聴器などを提供しました。
また、3,447人の子どもと、1,790人の大人を対象に精神保健・心理社会的支援を実施し、描画や塗り絵、体を動かすことに主軸を置いたゲームなどを通じたストレスの発散方法の共有に加えて、子どもには日常的なリスクや、それらから身を守る方法を、大人には、子どものセーフガーディングや、既存のリスクから自身や子どもを守る方法などに関する啓発セッションを実施しました。
聴覚障害のある子どもは、補助器具を受け取ったことで、友だちや親との交流ができるようになり、そうした子どもの養育者からは「補聴器装着後、子どもたちの孤独と攻撃性が著しく減少した」、「子どもの状態が、暗いトンネルから、明るく照らされた場所に導かれたように変化した」と言う声がありました。また精神保健・心理社会的支援に参加した子どもの87%、大人の78%が、「活動によってストレスが和らいだ」と回答しています。
ただ、ガザ地区の状況は悪化の一途をたどり、これまでにガザ地区の子どもの人口の1パーセントに当たる、2万人近くの子どもが犠牲となりました。また、2025年3月初旬からガザ地区への物資供給が完全に停止されており、この数日間物資供給が再開されているものの、飢餓が蔓延しています。こうした壊滅的な状況に追い打ちをかけるように、5月18日からイスラエル軍による地上侵攻が再開され、数日間だけで、多くの子どもが犠牲になっています。セーブ・ザ・チルドレンでは、困難な状況にある中で、現地スタッフの安全を確保しながら、最大限の支援を継続するとともに、恒久的停戦を強く求めていきます。
(海外事業部 金子由佳)
1 外務省、パレスチナ基礎データ|外務省
2 UNOCHA, Reported impact snapshot | Gaza Strip (14 May 2025)