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イエメン
(公開日:2019.04.10)

イエメン サヌア市内で起こった爆発により、学校にいた少女が犠牲に

 
4月7日、イエメンの首都サヌアにある女子学校(Al Raee school)の近隣で爆発がありました*。この爆発の全容は明らかになっていませんが、多くの子どもたちに被害が出ています。


セーブ・ザ・チルドレンのスタッフは、すぐに現場に駆け付け、この爆発によりけがをした少女たちが、速やかに政府の病院から私立病院へ移れるよう、被害に遭った子どもたちの搬送、転院の支援を行いました。

公立の医療施設は4年間続く紛争により満足に機能しておらず、私立の医療施設でないとよりよい保健医療サービスを受けることができません。爆発があった7日には、12歳から16歳の少女5人が搬送されましたが、そのうちの1人の少女は、その晩に息を引き取りました。

セーブ・ザ・チルドレンは、引き続き、けがをした少女たちが最適な医療ケアを受けられるように、転院と治療費の支援を続けていきます。

セーブ・ザ・チルドレンのスタッフは次のように状況を伝えています。
「7日の昼間に爆発があったとの知らせを受け、すぐに学校に向かいました。現場に到着すると、子どもたちは床に倒れ、血を流しながら親を呼んでいました。親たちは、子どもたちの安否を心配しながら行方を捜していました。ひどい出血のために、教室の中で亡くなった子どもたちもいました。そして、大勢の負傷者が、助けを求めながら学校の外の通りに走って逃げていました。

子どもたちを、治療ができる病院へ運ぶことは困難を極めました。ある少女は重傷を負い、入院していましたが、治療に必要な医療機器や医薬品が無かったために死亡しました。亡くなった少女の両親に、そのことを告げることは非常につらかったです。母親は泣き叫んでいました。


サルマさん(16歳)

また、命は助かったものの重傷を負ったサルマさんの父が、私の手を握り、泣きながら子どもの命を守るために全力を尽くすよう懇願していた様子が忘れられません。搬送した子どものうち、幸運にも4人の少女の命が助かりました。しかし、残念なことに、この爆発によって大勢の子どもたちが犠牲になりました」

セーブ・ザ・チルドレンが病院に搬送したアミナさん(14歳)は、「もう二度と学校に行かない」と話していました。


アミナさん

セーブ・ザ・チルドレン イエメン事務所代表ターメル・キロロスは次の通り訴えます。「この爆発の全容は明らかになっていません。しかし、この爆発が紛争によるもので、その爆発によって大勢の子どもたちが死傷したのであれば、本来安全な場所であるはずの学校で、再び子どもたちの命が奪われ、日常生活が壊されました。血に染まったスクールバッグや、ひどい精神的苦痛を受けて泣き叫ぶ少女たちの光景は許されるものではありません。原因が何であれ、この紛争で最も大きな代償を払っているのは子どもたちです。子どもたちは攻撃対象ではなく、学校や病院も攻撃から守られるべきです。

すべての紛争当事者は、子どもを含む民間人を紛争から保護するために、国際法に基づく義務を順守する必要があります。しかし、最も必要なことは、イエメンで起こっている紛争を完全に終わらせることです。紛争が終わってこそ初めて、子どもたちは、恐怖ではなく、安心・安全な環境の中で成長することができます」
* https://reliefweb.int/sites/reliefweb.int/files/resources/HC%20Statement_Saana_8%20April_FINAL_ENG.pdf

 

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