イエメン（公開日：2020.01.14）
イエメン 数千人の子どもたちが飢餓の危機に直面
2015年3月から武力衝突が激化したイエメンで、紛争により、支援を届けることができない地域に住む子どもたちのうち、このまま支援を届けることができなかった場合、重度急性栄養不良に陥ったり、命が犠牲になる危険がある子どもたちは1万7,000人と考えられています[i]。
国連人道問題調整事務所(UNOCHA)によると、現在、イエメン全土の75の郡（県の下の行政単位）が、国連が定める人道支援関係者が支援を持続的に届けるため定期的にアクセスできない地域になっています[ii]。これらの地域には、約220万人の子どもたちを含む440万人以上が暮らしています。また、75郡の80%が、飢饉に陥る寸前の深刻な食料不足に直面しています[iii]。さらに、支援を届けることができる地域であっても、その半数の地域が同様に深刻な食料不足に直面しています。
支援を届けることが困難な地域に住む5歳未満の子ども12万1,000人は、すでに中程度の栄養不良の状態にあり、重度の栄養不良に陥る危険に直面しています[iv]。しかし、こうした地域に住む子どもたちが、医薬品や栄養治療食といった緊急支援物資を手に入れられる可能性は極めて低く、2019年9月末までに、これらの支援を受けた子どもたちはわずか35%でした[v]。
人道支援機関は、緊急支援活動を継続しており、支援を必要とする子どもたちとその家族へ援助物資を届けています。しかし、激しい戦闘や、人道支援を届けることができない状態は、ホデイダ県やハッジャ県、タイズ県、サーダ県に住む家族の状況をさらに悪化させています。また、橋や道路、医療施設などのインフラの損壊に加え、政治的妨害によって、栄養価の高い食品や保健医療サービス、安全な水などの市民生活を支えるために必要不可欠な物資やサービスが利用できなくなっています。
セーブ・ザ・チルドレンが支援するアムラン県の保健医療施設で働くマンソール・マタール医師は次の通り話します。
「港湾の封鎖や紛争により、ホデイダやアデンを経由して輸入される食料の供給が著しく遅延しています。子どもたちの命を守るためには、食料が予定通りに到着することが不可欠です。私たちは、物資が入ってこないために、子どもたちを健康に保つために必要な衛生用品の支援を止めざるを得えませんでした。こうした状況の結果、見るからに重度栄養不良と分かる状態の子どもたちが、日常的にここに連れてこられています。」
[i] Nutrition cluster: In 2019, an estimated 94,000 children under five in the hard to reach areas were suffering from severe acute malnutrition. An estimated 77,000 children were reached with treatment services and 17,156 remain to be treated in 2019.
[ii] UNOCHA https://data.humdata.org/dataset/fb7a8285-912b-4fb5-a6cf-c5ed6b0ae2c2/resource/d5a56a55-d9df-475a-b79c-fed433da8bbd/download/yemen_hard-to_reach_framework_4_june_2019.pdf
[iii] IPC (Integrated Food Security Phase Classification): A common global system for classifying the severity and magnitude of the food insecurity and malnutrition situation. The five Severity Phases of IPC are (1) Minimal/None, (2) Stressed, (3) Crisis, (4) Emergency, (5) Catastrophe/Famine.
[iv]Nutrition cluster: In 2019, an estimated 350,000 children under five in the hard to reach areas were suffering from moderate acute malnutrition. By the end of September, 88,452 MAM children had been reached by aid workers and an estimated 121,481 MAM children remain to be treated in 2019.
[v] The figures and coverage reported here are based on 83% of SAM treatment report and 64% of MAM treatment reports received by nutrition cluster to date.
国連人道問題調整事務所(UNOCHA)によると、現在、イエメン全土の75の郡（県の下の行政単位）が、国連が定める人道支援関係者が支援を持続的に届けるため定期的にアクセスできない地域になっています[ii]。これらの地域には、約220万人の子どもたちを含む440万人以上が暮らしています。また、75郡の80%が、飢饉に陥る寸前の深刻な食料不足に直面しています[iii]。さらに、支援を届けることができる地域であっても、その半数の地域が同様に深刻な食料不足に直面しています。
支援を届けることが困難な地域に住む5歳未満の子ども12万1,000人は、すでに中程度の栄養不良の状態にあり、重度の栄養不良に陥る危険に直面しています[iv]。しかし、こうした地域に住む子どもたちが、医薬品や栄養治療食といった緊急支援物資を手に入れられる可能性は極めて低く、2019年9月末までに、これらの支援を受けた子どもたちはわずか35%でした[v]。
人道支援機関は、緊急支援活動を継続しており、支援を必要とする子どもたちとその家族へ援助物資を届けています。しかし、激しい戦闘や、人道支援を届けることができない状態は、ホデイダ県やハッジャ県、タイズ県、サーダ県に住む家族の状況をさらに悪化させています。また、橋や道路、医療施設などのインフラの損壊に加え、政治的妨害によって、栄養価の高い食品や保健医療サービス、安全な水などの市民生活を支えるために必要不可欠な物資やサービスが利用できなくなっています。
セーブ・ザ・チルドレンが支援するアムラン県の保健医療施設で働くマンソール・マタール医師は次の通り話します。
「港湾の封鎖や紛争により、ホデイダやアデンを経由して輸入される食料の供給が著しく遅延しています。子どもたちの命を守るためには、食料が予定通りに到着することが不可欠です。私たちは、物資が入ってこないために、子どもたちを健康に保つために必要な衛生用品の支援を止めざるを得えませんでした。こうした状況の結果、見るからに重度栄養不良と分かる状態の子どもたちが、日常的にここに連れてこられています。」
[i] Nutrition cluster: In 2019, an estimated 94,000 children under five in the hard to reach areas were suffering from severe acute malnutrition. An estimated 77,000 children were reached with treatment services and 17,156 remain to be treated in 2019.
[ii] UNOCHA https://data.humdata.org/dataset/fb7a8285-912b-4fb5-a6cf-c5ed6b0ae2c2/resource/d5a56a55-d9df-475a-b79c-fed433da8bbd/download/yemen_hard-to_reach_framework_4_june_2019.pdf
[iii] IPC (Integrated Food Security Phase Classification): A common global system for classifying the severity and magnitude of the food insecurity and malnutrition situation. The five Severity Phases of IPC are (1) Minimal/None, (2) Stressed, (3) Crisis, (4) Emergency, (5) Catastrophe/Famine.
[iv]Nutrition cluster: In 2019, an estimated 350,000 children under five in the hard to reach areas were suffering from moderate acute malnutrition. By the end of September, 88,452 MAM children had been reached by aid workers and an estimated 121,481 MAM children remain to be treated in 2019.
[v] The figures and coverage reported here are based on 83% of SAM treatment report and 64% of MAM treatment reports received by nutrition cluster to date.
