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イエメン
(公開日:2020.12.01)

イエメン 今年最悪の事態 ホデイダ県とタイズ県で記録的な人数の子どもたちが死傷

 
イエメンのホデイダ県とタイズ県では、10月だけで少なくとも29人の子どもたちが死傷しました[1]。この人数は、今年の月平均より55%も増加しています。



さらに、この2県で10月中に死傷した民間人は228人にのぼり、今年1月から9月までの月平均の2倍となっています。さらに、そのうち4分の1が子どもでした。


ハミドさん(16歳)

ホデイダ県で活動するセーブ・ザ・チルドレンのチームは、けがをする子どもたちが増えていると話します。実際、今年6月以降、この地域での戦闘により重傷を負った子どもたち40人を支援しました。同様にタイズ県でも、子どもたちやその家族が死亡したり、重傷を負う事態が起こっています。タイズ県に暮らすハミドさん(16歳)は次の通り話します。
「ベッドに行こうと部屋に入ったとき、突然、爆発音がして辺り一面ちりやほこりで覆われました。歩こうとして立ち上がった瞬間崩れ落ち、そのときひざのけがに気が付きました。妊娠しているおばも、同じ部屋におり負傷しました。私の兄弟も被弾したためけがをした他の家族とともに病院に運ばれました。いま最もつらいのは、歩けないことと、他の子どもたちが歩いたり遊んだりしているのを見ることです。」

ハミドさんのおばヌーラさんは、病院に運ばれ昏睡状態のまま帝王切開で出産しましたが、その後新生児と2人の子どもたちを残して亡くなりました。

2018年のストックホルム和平協議でホデイダ県とタイズ県での停戦や兵士の撤退などが合意されたにもかかわらず、この2年間で戦闘は急増しています[2]。特に、私たちはイエメン国内へ輸入される物資の70%が搬入されるホデイダ港があるホデイダ県での戦闘の増加を危惧しており[3]、一時的な閉鎖であっても、すでに深刻な食料不足に直面するイエメンに暮らす人たちが、さらに食料や生活必需品を手に入れることが難しくなると警鐘を鳴らします[4]。
<続報>11月29日にホデイダ県市内南部にある自宅が砲撃を受け6人の子どもたちを含む13人が犠牲になりました。

[1] Data from Civilian Impact Monitoring Project https://civilianimpactmonitoring.org/
[2] https://osesgy.unmissions.org/full-text-stockholm-agreement
[3] https://reliefweb.int/report/yemen/undp-support-vital-hodeidah-ports-sets-pace-sustainable-peace-yemen
[4] https://apnews.com/article/virus-outbreak-sanaa-famine-david-beasley-united-nations-ff4efada3f17362917ec63d6ad1342ab




 

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