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イエメン
(公開日:2022.03.14)

【イエメン】子どもたちが保健医療を受けられず−燃料不足が危機的な状況に

 
イエメンでは、紛争が起こってから最悪の燃料不足に陥っており、数千人の子どもたちが、命を守るための保健医療を利用できないという瀬戸際に立たされています。


イエメンのハッジャ県にある保健センター

こうした状況は、燃料の輸入が著しく減ったため起こっており、全国の医療機関が人工呼吸器やその他生命維持に関わる医療機器の停止を余儀なくされています。多くの病院は、このまま燃料の供給が遅れたり、利用できる量の制限が続けば、病院を完全に閉鎖しなければならなくなると訴えています。

また、イエメン国内における燃料不足より、首都サヌアにあるガソリンスタンドに6kmの行列ができたという報道にもある通り、人々の移動にも影響を及ぼしています。そして、この影響は食料価格や水の供給、人道支援活動にも波及すると考えられます。

アイシャさん(55歳)は、「(ガソリンスタンドで)これまでの人生で見たこともないような長い行列に、2日間ずっと車中で並び待ちました。男性用の行列はもっと長かったです。行列の中で自分の順番を失わないように、息子から届けられた6食分の食事を食べました」と話します。

燃料不足は、紅海に面した港への燃料輸入の制限強化と、長期間に及ぶ輸送の遅延が重なったことにより起こりました。燃料を積んだ船は、連合軍が管轄する地域で平均して112日間待たされている状況で2019年の17.4日と比較して543%増加しています。結果としてイエメンに到着する燃料は激減し、今年1月には昨年同月比で70%減少しています。

セーブ・ザ・チルドレンは、すべての紛争当事者が、国際人権法と国際人道法を順守するよう要請します。市民は、生きるために必要な最低限の物品を手に入れることができなければならず、国連決議の履行が市民へ被害を及ぼすために利用されてはなりません。

セーブ・ザ・チルドレンは1963年からイエメンで活動しており、教育や保健・栄養、水・衛生、子どもたちをさまざまな暴力から守るための支援(子どもの保護)などを行っています。加えて、私たちは、病院10ヶ所と新型コロナウイルス感染症治療センター2ヶ所を含む186ヶ所の医療施設にソーラーパネルを導入し支援しています。

 

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