イエメン(公開日:2021.03.22)
【イエメン】極度の食料不足に苦しむ子どもが過去最多の200万人以上に
2021年3月に武力衝突が激化してから6年が経過するイエメン。いま、子どもたちは前例のない飢餓の危機に直面しています。
生後8ヶ月のスハさんは急性栄養不良に陥り、タイズ県にあるセーブ・ザ・チルドレンが支援する保健医療センターで治療を受けています。母親のマリアムさん(26歳)は、こう話します。「夫が失業しているため、日々の食事に苦労しています。パンなどの主食は何とか食べられていますが、野菜を買う余裕はありません。」
マリアムさんは、保健医療センターで栄養指導を受けるとともに、提供された栄養治療食をスハさんに食べさせています。
保健医療センターで提供された栄養治療食をもらうスハさん(8ヶ月)
生後8ヶ月のスハさんは急性栄養不良に陥り、タイズ県にあるセーブ・ザ・チルドレンが支援する保健医療センターで治療を受けています。母親のマリアムさん(26歳)は、こう話します。「夫が失業しているため、日々の食事に苦労しています。パンなどの主食は何とか食べられていますが、野菜を買う余裕はありません。」
マリアムさんは、保健医療センターで栄養指導を受けるとともに、提供された栄養治療食をスハさんに食べさせています。
保健医療センターで身長や体重を測定するヌールさん(4ヶ月)
同じくセーブ・ザ・チルドレンが支援するタイズ県の保健医療センターに通う生後4ヶ月のヌールさんも、重度の急性栄養不良と下痢に苦しんでいました。保健医療センターでは栄養不良の子どもの治療のほか、栄養補助のためのミルクも提供されます。母親のサフィヤさんは、次のように話します。「ミルクのボトルは、以前は3,000イエメンリアル(約1,300円)でしたが、今では4,000イエメンリアル(約1,700円)に値上がってしまい、とても私たちには買うことはできません。
子どもたちは皆、病気で、希望を失っています。必需品も買うことができず、昼食をとるなら夕食はありません。子どもたちは夕食も水もとれず空腹のまま眠りにつく日もあります。紛争は終わらず、この先、私たちはどうやって生活していけばいいのか、絶望しています。」
イエメンでは、5歳未満の子ども約230万人が2021年末までに極度の食料不足に陥ると考えられており、この推計は、昨年の同時期と比較して16%の増加、過去最多の人数となっています。
世界最悪の人道危機ともいわれるイエメン危機。6年経ってもなお、食料供給の混乱、燃料価格の高騰、医療制度の崩壊や経済の破綻によって事態はさらに深刻化しています。