イエメン(公開日:2022.05.24)
【開催報告・YouTube公開】オンラインイベント「紛争下8年目のイエメンの今とこれからを考える」
2022年4月27日に4団体共催でオンラインイベント「紛争下8年目のイエメンの今とこれからを考える」を開催し、約90人の方に参加いただきました。お申込み・ご参加いただいた皆さまありがとうございました。
当日のイベント録画をセーブ・ザ・チルドレンのYouTubeで公開しています。ぜひ、ご覧ください。
このイベントは、イエメン危機に対応し、イエメンや周辺国で活動を行ってきたセーブ・ザ・チルドレン、アドラジャパン、アイキャン、ジャパン・プラットフォームの4団体で共催しました。
(プログラムの詳細はこちら。)
講演:「幸福のアラビアがなぜ空洞国家になったのか〜内戦の背景と現状」
ジェトロ・アジア経済研究所 研究推進部 上席主任調査研究員で40年以上イエメンに関する研究や調査に携わっている佐藤寛氏より、「幸福のアラビアがなぜ空洞国家になったのか〜内戦の背景と現状」をテーマに講演がありました。
イエメンの紛争の経緯や、イエメンの人々の今の生活(インフラの損壊、2種類の通貨、給料の未払いなど)、最新の動向と今後の展望などについて説明しました。
「JPFイエメン人道危機プログラム」の説明、NGOの活動紹介
ジャパン・プラットフォームから「イエメン人道危機プログラム」の説明後に、活動を実際に実施してきたアイキャンとセーブ・ザ・チルドレンから活動の紹介を行いました。
セーブ・ザ・チルドレンからは、海外事業部の小山より、イエメンで保健・栄養支援、教育支援、子どもの保護支援、水・衛生支援など幅広く実施していることを紹介しました。
特に、イエメンの中でも激しい武力衝突が頻発しているタイズ県における子どもの保護支援、水・衛生支援について報告を行いました。
水・衛生支援では、トイレの修繕や衛生用品の配布、子どもを含む地域の人々が正しい衛生習慣を獲得できるよう実施している衛生啓発セッションの様子などを紹介しました。
子どもの保護支援では、イエメンのような紛争下では家族の離散や児童婚、児童労働、性暴力などのリスクに子どもが晒されていることや、そのような子どもへの個別支援を行うケースマネジメントが地域の中で機能するように、地域の人たちの能力強化の取り組みが重要であることなどについて説明がありました。
現地からのビデオメッセージ
また、セーブ・ザ・チルドレンとアイキャンより、現地で一緒に働くスタッフからのメッセージや支援を利用している子どもからのメッセージを紹介しました。
Ruyaさんは、彫刻や絵を描くことが大好きです。しかし、紛争の影響で水や電気が家で使えない状況のため、遠くの水源に水汲みに行かなければなりません。
午前は学校に行きますが、昼食後は日没まで容器を6個から7個持って水を汲みに行くため、好きなことをする時間はありません。「私は水や電気が家で使えれば幸せです」という言葉に、イエメンの子どもたちが置かれている状況が表されています。
オープンパネルディスカッション
ファシリテーターに明治学院大学国際学部・国際学研究科教授の平山恵氏を迎え、佐藤寛氏、各団体の代表者が登壇し、ディスカッションを行いました。セーブ・ザ・チルドレンからは海外事業部の福原が登壇しました。
パネルディスカッションでは、イエメンの現状、NGOの支援内容や困難な点、今後の展望などについて活発な議論が展開されました。
特に、セーブ・ザ・チルドレンの支援では、地域の人々が取り組みの一部となるよう能力強化などの活動を行うことを重要視していることを訴えました。さらに、直接支援だけでなく、紛争による子どもへの影響を軽減するためにアドボカシー(政策提言)を行い、学校を軍事利用や攻撃から守るための「学校保護宣言」批准に向け日本政府へ働きかけていることなどを報告しました。
最後に、佐藤寛氏より水や電気もない状況に置かれている人々がイエメンには多くいることを常に忘れないこと、支援は限られた人にしか届いていないこと、NGOだけでなく一人ひとりが声を上げていくことが大切であるとの説明がありました。
佐藤氏の最後の発言にもあるように、NGOだけでなく一人ひとりがイエメンの現状を知ること、忘れないこと、声を上げることが重要だと思います。今回のようなイベントをはじめ、セーブ・ザ・チルドレンのさまざまな活動を通じて、関心・支援の輪を広げていきたいと考えています。
セーブ・ザ・チルドレンはこれからもイエメンを含む困難な状況に置かれた人たちへ支援を届けていきます。ぜひ、ともに行動を起こし、その輪に加わっていただけると幸いです。
(海外事業部:田部井梢)
当日のイベント録画をセーブ・ザ・チルドレンのYouTubeで公開しています。ぜひ、ご覧ください。
このイベントは、イエメン危機に対応し、イエメンや周辺国で活動を行ってきたセーブ・ザ・チルドレン、アドラジャパン、アイキャン、ジャパン・プラットフォームの4団体で共催しました。
(プログラムの詳細はこちら。)
講演:「幸福のアラビアがなぜ空洞国家になったのか〜内戦の背景と現状」
ジェトロ・アジア経済研究所 研究推進部 上席主任調査研究員で40年以上イエメンに関する研究や調査に携わっている佐藤寛氏より、「幸福のアラビアがなぜ空洞国家になったのか〜内戦の背景と現状」をテーマに講演がありました。
イエメンの紛争の経緯や、イエメンの人々の今の生活(インフラの損壊、2種類の通貨、給料の未払いなど)、最新の動向と今後の展望などについて説明しました。
「JPFイエメン人道危機プログラム」の説明、NGOの活動紹介
ジャパン・プラットフォームから「イエメン人道危機プログラム」の説明後に、活動を実際に実施してきたアイキャンとセーブ・ザ・チルドレンから活動の紹介を行いました。
セーブ・ザ・チルドレンからは、海外事業部の小山より、イエメンで保健・栄養支援、教育支援、子どもの保護支援、水・衛生支援など幅広く実施していることを紹介しました。
特に、イエメンの中でも激しい武力衝突が頻発しているタイズ県における子どもの保護支援、水・衛生支援について報告を行いました。
水・衛生支援では、トイレの修繕や衛生用品の配布、子どもを含む地域の人々が正しい衛生習慣を獲得できるよう実施している衛生啓発セッションの様子などを紹介しました。
子どもの保護支援では、イエメンのような紛争下では家族の離散や児童婚、児童労働、性暴力などのリスクに子どもが晒されていることや、そのような子どもへの個別支援を行うケースマネジメントが地域の中で機能するように、地域の人たちの能力強化の取り組みが重要であることなどについて説明がありました。
現地からのビデオメッセージ
また、セーブ・ザ・チルドレンとアイキャンより、現地で一緒に働くスタッフからのメッセージや支援を利用している子どもからのメッセージを紹介しました。
Ruyaさんは、彫刻や絵を描くことが大好きです。しかし、紛争の影響で水や電気が家で使えない状況のため、遠くの水源に水汲みに行かなければなりません。
午前は学校に行きますが、昼食後は日没まで容器を6個から7個持って水を汲みに行くため、好きなことをする時間はありません。「私は水や電気が家で使えれば幸せです」という言葉に、イエメンの子どもたちが置かれている状況が表されています。
オープンパネルディスカッション
ファシリテーターに明治学院大学国際学部・国際学研究科教授の平山恵氏を迎え、佐藤寛氏、各団体の代表者が登壇し、ディスカッションを行いました。セーブ・ザ・チルドレンからは海外事業部の福原が登壇しました。
パネルディスカッションでは、イエメンの現状、NGOの支援内容や困難な点、今後の展望などについて活発な議論が展開されました。
特に、セーブ・ザ・チルドレンの支援では、地域の人々が取り組みの一部となるよう能力強化などの活動を行うことを重要視していることを訴えました。さらに、直接支援だけでなく、紛争による子どもへの影響を軽減するためにアドボカシー(政策提言)を行い、学校を軍事利用や攻撃から守るための「学校保護宣言」批准に向け日本政府へ働きかけていることなどを報告しました。
最後に、佐藤寛氏より水や電気もない状況に置かれている人々がイエメンには多くいることを常に忘れないこと、支援は限られた人にしか届いていないこと、NGOだけでなく一人ひとりが声を上げていくことが大切であるとの説明がありました。
佐藤氏の最後の発言にもあるように、NGOだけでなく一人ひとりがイエメンの現状を知ること、忘れないこと、声を上げることが重要だと思います。今回のようなイベントをはじめ、セーブ・ザ・チルドレンのさまざまな活動を通じて、関心・支援の輪を広げていきたいと考えています。
セーブ・ザ・チルドレンはこれからもイエメンを含む困難な状況に置かれた人たちへ支援を届けていきます。ぜひ、ともに行動を起こし、その輪に加わっていただけると幸いです。
(海外事業部:田部井梢)