トップページ > スタッフブログ > イエメン > 【イエメン ラヒジュ県】学校での新型コロナウイルス感染症拡大予防と学習継続のための支援開始

イエメン
(公開日:2021.05.07)

【イエメン ラヒジュ県】学校での新型コロナウイルス感染症拡大予防と学習継続のための支援開始

 
イエメンでは2021年5月5日時点で6,394人の新型コロナウイルス感染症の感染者と、1,241人の死亡者が報告されています。また、これらの数値を基に算出された死亡率は19.4%(日本は1.7%)と非常に高い状態です*1


イエメン南部ラヒジュ県にある国内避難民キャンプ

また、検査数が限られていることなどを踏まえると、実際の感染者数は報告されている人数より、さらに多いと考えられています。

このような状況であるにもかかわらず、イエメンでは感染予防策として重要な手洗いなどを行うための安全な水や衛生施設へのアクセスが困難な状況が続いており、イエメン全土で1,540万人が水・衛生支援を必要としています*2

そして、新型コロナウイルス感染症の流行は教育にも大きな影響を及ぼしています。感染が拡大する前から、紛争による影響で、学校の損壊や教員の給料の未払い、学用品の不足、家族と離れる恐怖などが原因で、子どもたちの教育を受ける機会は限られていました。

そこに新型コロナウイルス感染症の影響による長期的な休校や家庭の経済状況の悪化などが加わり、子どもが教育を受けることはこれまで以上に難しい状況となっています。国連が発表した2021年の人道支援概況(Humanitarian Needs Overview)によると、イエメン全土で560万人が教育支援を必要としています*3

こうした状況を受け、2021年3月31日より、セーブ・ザ・チルドレンは、イエメン南部に位置するラヒジュ県で、学校内の感染症予防を徹底し、子どもたちが継続的に学習できる環境を整備するための事業を開始しました。

ラヒジュ県では、2020年3月16日から休校していた小学校が、2020年9月より順次再開しました。しかし、学校内や周辺地域での適切な新型コロナウイルス感染症予防策が十分にとられていないことが課題となっていました。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぎ、子どもたちが安全に学校に通うことができるように、学校の手洗い場などの整備、子どもたちや教員、保護者に対する感染予防に関する啓発活動、石けんなどを含む衛生用品の提供などを行う予定です。


セーブ・ザ・チルドレンのスタッフから手洗いの指導を受けている子ども

また、学校は再開したものの、紛争の影響による学用品や学習用備品の不足、長期休校に伴う学習の遅れなどが原因で通学を断念してしまう子どもたちがいないよう、学用品と学習用備品の提供や教員研修、補習授業なども行います。


これに加え、セーブ・ザ・チルドレンは、子どもたちの参加する権利を尊重し、子どもの意見が学校運営に反映されるように、生徒主体の活動の支援も行います。たとえば、子ども自身が周りの子どもに感染予防策の重要性について伝えられるよう、学校衛生クラブを形成します。

さらに、保護者会メンバーや教員に対する感染予防策に関する研修を実施することで、セーブ・ザ・チルドレンのスタッフだけでなく、事業に携わる保護者や教員が、子どもたちや地域住民に対し、感染予防策を伝えられる体制を構築します。

このような活動を通して、子どもたちや教員、地域の人たちが連携して、子どもたちが安全かつ継続的に教育を受けられるよう後押ししていきます。

本事業は皆さまからのご寄付と、ジャパン・プラットフォームからのご支援により実施しています。

(海外事業部 田部井梢)

*1 WHO, https://covid19.who.int/region/emro/country/ye, as of 5 May 2021
*2 OCHA, “Humanitarian Needs Overview 2021”, February 2021, p.58
*3 OCHA, “Humanitarian Needs Overview 2021”, February 2021, p.54

 

あなたのご支援が子どもたちの未来を支えます

もっと見る

月々1500円から、自分に合った金額で子どもの支援ができます。
定期的に年次報告書や会報誌をお送りしています。

1回から無理なくご支援いただけます。

PAGE TOP