イエメン(公開日:2025.11.06)
【イエメン 支援事業開始】国内避難民キャンプでのノンフォーマル教育と子どもを暴力から守る取り組み
イエメンは、10年以上にわたる紛争により国民の半分以上にあたる1,950万人が人道支援と保護を必要としており、そのうち約半数以上が子どもです[1] 。
こうした状況で、子どもたちへの教育は大きな課題になっています。長期間にわたる紛争の影響により、2025年1月時点で約2,400の学校が全壊または損壊するか、学校以外の用途で使用されています[2] 。
また、経済状況の悪化により、多くの世帯が子どもたちの学習に必要な学用品を購入できなくなりました。2016年からは教員への給与の支払いも不定期となり、2024年には約19万3,000人の教員が給与を受け取れておらず[3]、質の高い教育を受けることができません。
こうした状況で、子どもたちへの教育は大きな課題になっています。長期間にわたる紛争の影響により、2025年1月時点で約2,400の学校が全壊または損壊するか、学校以外の用途で使用されています[2] 。
また、経済状況の悪化により、多くの世帯が子どもたちの学習に必要な学用品を購入できなくなりました。2016年からは教員への給与の支払いも不定期となり、2024年には約19万3,000人の教員が給与を受け取れておらず[3]、質の高い教育を受けることができません。
特に、紛争が激しい地域から国内の他の地域に逃れてきた国内避難民の子どもたちは、世帯収入の減少や頻繁な避難などにより、学習機会を得にくい状況にあり[4]、避難生活を送っていない子どもたちと比較して、学校を中退するリスクが2倍になることが指摘されています[5]。
これらの要因により、イエメン全土で現在320万人を超える子どもたちが学校に通うことができていません[6]。
多くの子どもが教育を受けられない状況のなか、ユニセフが実施した子どもの読解力を測る調査では、簡単な文章を読むことのできる子どもはイエメン国内に5%しかいないことが報告されています[7]。
事業対象地である南部ラヒジュ県では、多くの公立学校がすでに定員を超えて生徒を受け入れており、国内避難民の子どもが新たに編入する余地がほとんどなくなっています。
また、仮に受け入れることができたとしても、公立学校は国内避難民キャンプから離れた位置にあり、保護者は子どもの長距離の通学が危ないと考え、公立学校に通うのを許可しないといったケースもあります。
さらに長引く紛争の影響で児童婚や児童労働、ジェンダーに基づく暴力など子どもの保護に関する課題も悪化しています[8]。学校に通うことのできない子どもはこれらのリスクに直面する可能性も増加します。
こうした状況を受け、2025年9月1日から、セーブ・ザ・チルドレンは、ラヒジュ県で国内避難民キャンプにおけるノンフォーマル教育支援と地域の子どもの保護の課題への対応能力強化事業を開始しました。
この事業では、国内避難民キャンプにある2ヶ所の学習支援センターの運営を行い、地域から採用した教員が授業をすることで、子どもたちが教育を受けられるように支援しています。
教育の質が担保できるよう、教員に対しては緊急下における教育のほか、暴力を用いない指導方法や心理的な問題を抱えた子どもたちへの対応方法などに関する研修を行います。長らく教育から離れてしまったことで授業についていけないなど学習に困難を抱えている生徒に対しては、補習授業を実施します。加えて子どもたちが学習に集中できるようペンやノートなどの学用品を配布し、学校へは授業を行うために必要な授業用備品を提供します。
また、子どもたちが授業外で取り組みたい活動について子どもたちの意見を聞き、さまざまな課外活動を実施するほか、国内避難民キャンプで避難生活を送る人たちの教育への関心を高めるために、保護者会や生徒会のメンバーが中心となり、教育の重要性を伝える活動を実施する予定です。さらに、安心・安全な学習環境を担保するために施設整備を行い、学習支援センター内外における各リスクを緩和するための行動計画を策定し、活動します。
加えて、活動地域では、子どもたちの保護者も教育を受けていないという問題が保護者会から提起されました。そのため一部の保護者に対する補習授業を実施します。
子どもの保護の支援では、社会福祉労働省に勤務するソーシャルワーカーに対して研修を実施し、適切に支援を必要としている子どもを特定し、必要な支援につなげられるようにします。
そして、教員や保護者、地域の人たちから構成された子どもの保護委員会が、ソーシャルワーカーに対するサポートができるよう研修を実施し、地域における子どもが直面する問題について話し合う会合を持ち、問題解決のための活動を実施します。
このような活動を通して、子どもたちが暴力などから守られ、安心・安全な質の高い環境で学習を継続することができるよう支援していきます。
本事業はジャパンプラットフォームからのご支援と、個人・法人の多くの皆さまのご寄付により実施しています。
(海外事業部 小山光晶)
これらの要因により、イエメン全土で現在320万人を超える子どもたちが学校に通うことができていません[6]。
多くの子どもが教育を受けられない状況のなか、ユニセフが実施した子どもの読解力を測る調査では、簡単な文章を読むことのできる子どもはイエメン国内に5%しかいないことが報告されています[7]。
事業対象地である南部ラヒジュ県では、多くの公立学校がすでに定員を超えて生徒を受け入れており、国内避難民の子どもが新たに編入する余地がほとんどなくなっています。
また、仮に受け入れることができたとしても、公立学校は国内避難民キャンプから離れた位置にあり、保護者は子どもの長距離の通学が危ないと考え、公立学校に通うのを許可しないといったケースもあります。
さらに長引く紛争の影響で児童婚や児童労働、ジェンダーに基づく暴力など子どもの保護に関する課題も悪化しています[8]。学校に通うことのできない子どもはこれらのリスクに直面する可能性も増加します。
こうした状況を受け、2025年9月1日から、セーブ・ザ・チルドレンは、ラヒジュ県で国内避難民キャンプにおけるノンフォーマル教育支援と地域の子どもの保護の課題への対応能力強化事業を開始しました。
この事業では、国内避難民キャンプにある2ヶ所の学習支援センターの運営を行い、地域から採用した教員が授業をすることで、子どもたちが教育を受けられるように支援しています。
教育の質が担保できるよう、教員に対しては緊急下における教育のほか、暴力を用いない指導方法や心理的な問題を抱えた子どもたちへの対応方法などに関する研修を行います。長らく教育から離れてしまったことで授業についていけないなど学習に困難を抱えている生徒に対しては、補習授業を実施します。加えて子どもたちが学習に集中できるようペンやノートなどの学用品を配布し、学校へは授業を行うために必要な授業用備品を提供します。
また、子どもたちが授業外で取り組みたい活動について子どもたちの意見を聞き、さまざまな課外活動を実施するほか、国内避難民キャンプで避難生活を送る人たちの教育への関心を高めるために、保護者会や生徒会のメンバーが中心となり、教育の重要性を伝える活動を実施する予定です。さらに、安心・安全な学習環境を担保するために施設整備を行い、学習支援センター内外における各リスクを緩和するための行動計画を策定し、活動します。
加えて、活動地域では、子どもたちの保護者も教育を受けていないという問題が保護者会から提起されました。そのため一部の保護者に対する補習授業を実施します。
子どもの保護の支援では、社会福祉労働省に勤務するソーシャルワーカーに対して研修を実施し、適切に支援を必要としている子どもを特定し、必要な支援につなげられるようにします。
そして、教員や保護者、地域の人たちから構成された子どもの保護委員会が、ソーシャルワーカーに対するサポートができるよう研修を実施し、地域における子どもが直面する問題について話し合う会合を持ち、問題解決のための活動を実施します。
このような活動を通して、子どもたちが暴力などから守られ、安心・安全な質の高い環境で学習を継続することができるよう支援していきます。
本事業はジャパンプラットフォームからのご支援と、個人・法人の多くの皆さまのご寄付により実施しています。
(海外事業部 小山光晶)
[1] OCHA, “Yemen Humanitarian Needs and Response Plan 2025”, p.2.
[2] OCHA, “Yemen Humanitarian Needs and Response Plan 2025”, p.45.
[3] OCHA, “Yemen Humanitarian Needs and Response Plan 2025”, p.44.
[4] OCHA, “Multi-Cluster Location Assessment (MCLA)”, p.28.
[5] Save the Children Hanging in the Balance: Yemeni Children’s Struggle forEducation 2024
[6] OCHA, “Yemen Humanitarian Needs and Response Plan 2025”, p.44
[7] UNICEF “Impact of Education Disruption: Middle East and NorthAfrica - March 2022”,p.1
[8] UNICEF “Humanitarian Action for Children 2025 - Yemen”, p2




