インドネシア(公開日:2014.11.28)
【防災事業】 コミュニティを巻き込んだ大規模な防災訓練を行いました!(2014.11.28)
インドネシアは、日本と同じ災害大国で、地震や津波、洪水、火山、地滑り、台風などあらゆる自然災害が起こる国と言われています。しかし、国の防災対策が未整備のため、多くの場合、災害が起こってしまうと甚大な被害をもたらします。またインドネシアでは富裕層と貧困層の格差が広がっており、農村部や都市部のスラム街など貧しい人々が暮らす地域は特に、災害に対する脆弱性が非常に高く、支援が必要とされています。
このような地域での災害に対する対応能力の向上のため、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは2014年5月より、北ジャカルタの貧困層が住むスラム地域で、防災教育支援を実施しています。本事業では主に、対象の学校やコミュニティを巻き込んだ防災訓練や、必要な防災キットの配布等を行っています。
この度10月28日に、貧困層が多く住むカンポン・サワ地区で、住民や関係者、子どもたちなど約800名を集めて、大規模な避難訓練を行いました。
↑避難訓練の参加登録をする住民
避難訓練は、豪雨が3日間続いて洪水になってしまったことを想定して行われました。この地区は近くに大きな川があるため、毎年雨季になると川が氾濫してしまうのです。しかし、豪雨が数日間続いた後急に洪水になってしまうため、住民はいつ避難すべきかわからず、被害が拡大してしまうのです。そこで重要なことは、サイレンなどで警告をして、子どもたちと地域住民を早めに安全な場所へ避難させることです。
避難訓練ではまず、子どもたちが学校の中に避難し、その後サイレンを聞いた地域住民も避難してきました。
↑学校の中(右奥の緑色の建物)へ避難する子どもたち
↑避難場所を知らせるサインボードも設置
↑サイレンを聞いて地域住民も避難
それから、負傷した人の救助と応急手当てに入ります。手当は医療チームの担当者が行います。
↑負傷者は一時避難場所へ運び、応急処置の後、病院などへ照会
避難所の中では、子どもたちが怪我をした際の応急処置(包帯の巻き方、薬のつけ方など)を学び、繰り返し練習をしました。
↑応急処置を学ぶ子どもたち
また別の避難所では、災害による避難が長引いた際、子どもたちの心理的な負担を軽減するため、歌を歌ったり、簡単なゲームをしたりといった子どもたちの「こころのケア」の活動も行われました。
↑歌を歌って「こころのケア」をする学校の先生と子どもたち
訓練終了後には、コミュニティ関係者を集めて、訓練の振り返り評価を行いました。避難訓練の間、各活動が実施されたポイントに地域住民が評価者として入り、活動評価の結果を持ち寄って、各ポイントの活動のよかった点や改善すべき点を話し合いました。この評価プロセスに、本事業にご支援いただいている株式会社ファミリーマートの現地法人(PT.Fajar Mitra インドネシアファミリーマート)の社員の方が積極的に参加して下さいました。
↑訓練後に評価を行う地域住民とPT.Fajar Mitra インドネシアファミリーマートの社員の方々
本事業は、皆様からのご寄付及び株式会社ファミリーマートのご支援により実施しております。
(インドネシア担当:清水 梢)