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インドネシア
(公開日:2019.06.28)

【インドネシア交通安全事業】交通安全に関する啓発キャンペーンを実施しました

 
セーブ・ザ・チルドレンは、都市部の道路交通量増加にともなう交通事故の多発が問題となっているインドネシアの北ジャカルタ市と東ジャカルタ市にて、子どもたちが安全に学校に通えるようになることを目指して、子どもと青少年のための交通安全事業を実施しています。5月には、「国際交通安全週間」のイベントと、イスラム教の断食月明けの祝日に向けた帰省ラッシュによる交通事故多発期間に向けた交通安全キャンペーンを実施しました。


断食月明けの休暇に向けた交通安全キャンペーンには、
20校で合計6,000人以上の生徒と保護者が参加しました

まず、5月上旬には、「国際交通安全週間」のイベントとして、交通安全に関する公開討論会を開催しました。これは、大学生も含む青少年世代が社会において交通安全を推進するリーダーシップを育成することを目的としており、大学生たちによる交通安全についての意見表明や、交通局や教育局、警察との意見交換が行われました。


「国際交通安全週間」イベントでの大学生たちの意見表明。活発な議論が展開されました

大学生の参加者からは、「特に交通事故の数が多い北ジャカルタでは、警察は道路交通法違反をより厳しく取り締まるべきです」「運転免許を不当に取得している人がいるのも事実です。運転する側の法的違反が問題視されないのであれば、私たちは何に注意すればよいのでしょうか?」といった、不安を抱いている状況についてのコメントがありました。

これらの意見を聞き、参加した警察の職員は、「交通安全の重要性を広めるにはあなたたちの協力が必要です。特に、友人や兄弟などに、ぜひ交通安全のメッセージを広めてください」と述べました。また、交通局の職員からは、「私たちは、常に市民の皆さんの話に耳を傾け、交通安全についても一緒に行動していきたいと思っています。私たちが自分自身のリーダーとして、まずは、一人ひとりがルールを順守することが重要です」というメッセージがありました。

この公開討論は地域のラジオやテレビでも放送され、交通安全について一人ひとりが意識する重要性について、広く一般にメッセージを伝える機会となりました。


ラジオ、テレビ、ソーシャル・ネットワークも使い、
交通安全に対するメッセージ広く伝えられました

また、今年は5月初旬から約1ヶ月続いた断食月に合わせて、もう1つの活動を実施しました。インドネシアでは、断食月明けの長い祝日期間に、都市部で働いている人たちとその家族が故郷へ帰省することが慣習となっています。

断食月の終盤には多くの人たちが国中を移動することから、都市部を中心に大渋滞が発生し、交通事故の数も増加します。そこで、子どもたちが断食月とその後の休暇を安全に過ごすことができるように、事業に参加した20校においてキャンペーンを行いました。


交通安全ルールについてのクイズに答える子どもたち

キャンペーンでは、警察や交通局の職員が、安全に家族で帰省するために必要なこと、例えば、事故に遭ってけがをした時の対処方法や、どういった時間帯や地域で事故が起こりやすいか、車やオートバイで移動する際に、出発前にどのような点検を行うべきかなどについて説明を行いました。

また、インドネシア赤十字による、基礎的な救急法の講習も行われました。子どもたちだけでなく、子どもたちの保護者に対しても同様の講習が行われました。


道路でけがをした人を見たらどのように対処する?
基礎的な救急法を知っておくことも大切です

この事業を担当しているセーブ・ザ・チルドレンのスタッフは、「私たちは、子どもたちに、まずは自分自身と自分の家族にとっての交通安全の“大使”となってほしいと思っています。一人ひとりの行動の変化が、一般社会の意識の向上へとつながることを願っています」と、事業について話します。

セーブ・ザ・チルドレンは、予防が可能である子どものけがや死亡事故を減らすために、地域社会に対する啓発も含めた交通安全事業を実施していきます。

この事業は、皆様からのご寄付および損害保険ジャパン日本興亜株式会社のご支援により実施しています。

(海外事業部・福田直美)

 

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