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インドネシア
(公開日:2019.02.21)

【インドネシア交通安全事業】子どもたちが安全に通学できるように ― 学校での活動が開始されます

 
インドネシアでは、都市部の人口の増加に対して公共交通サービスが十分でないこと、歩道橋などの交通インフラ設備が十分に整備されていないこと、また、人々に交通安全に関する知識が十分でないことなどが原因で、都市部における交通事故の多さが問題となっており、交通事故に巻き込まれる子どもが少なくありません。

セーブ・ザ・チルドレンは、子どもたちが安全に学校に通えるようになることを目指し、2014年4月から2018年3月まで、西ジャワ州バンドン市において、小中学校30校を対象に、子どもたちの交通安全を促進する事業を実施しました。
この事業の成果と学びをもとに、現在、北ジャカルタ市および東ジャカルタ市において、小学校10校と中学校10校を対象に、交通安全事業を実施しています。


子どもたちが作った理想の学校周辺環境の模型を紹介するスタッフ(右)

2018年10月、それぞれの学校で活動を開始するに、教育省や交通省などの関係者、事業に参加する学校の教師や生徒の代表、地域のNGO/NPO団体のメンバーなどに対し、事業を紹介するイベントを実施しました。

会場には、西ジャワ州バンドン市で実施した交通安全事業の成果を発表するブースが設けられ、事業で作成した交通安全のポスターや、子どもたちが啓発活動を行った際の写真などが展示されました。また、バンドン市の事業に参加した学校の教師が、自分たちの学校で行った交通安全に関する啓発活動について、映像や写真を使用しながら説明しました。北ジャカルタ市および東ジャカルタ市の学校の教師たちからは、どのように交通安全のトピックを英語や社会などの授業に取り入れたのかなど、さまざまな質問がありました。

また、このイベントに先立ち開催された、事業対象校の子どもたちが、学校周辺で交通事故が起こりやすい場所や場面を話し合うリスク・マッピングのワークショップで作成された、自分たちが安全と感じる理想の学校周辺環境の模型も展示されました。



学校周辺の模型を作る中学生
学校の周りに、歩道橋や横断歩道、信号などを作っていきます

2019年1月には、交通省や教育省、市民社会団体などの参加のもと、2018年末に実施したベースライン調査の結果を発表しました。ベースライン調査は、対象校の生徒、保護者、教師が現在持っている交通安全に関する知識や、実際にその知識をどの程度実践しているかについて調査したものです。

この調査によって、オートバイの後部座席に乗る時に、37%の生徒がヘルメットを使用していないことや、半分以上の生徒が、道路を横断する時に左右を複数回確認するなどの安全確認方法について、知らなかったり実践していなかったりすることが分かりました。また、保護者の80%以上が、「学校安全ゾーン」と呼ばれる学校の前の道路に示されているゾーンについて、そのエリアでは車両の運転速度を落とさなければならないということを知らなかったことが分かりました。

さらに、学校の前で、実際の通学の様子を確認したところ、法的に運転が認められていない年齢の子どもにオートバイの運転を許可している保護者や、ヘルメットを着用させずにオートバイの後部座席に子どもを乗せている保護者も少なくないことが分かりました。

これから対象校で始まる活動では、こうした点の改善に向けて、特に重点的に取り組んでいきます。セーブ・ザ・チルドレンは、子どもたちや保護者だけでなく、学校関係者や地域の人たちの交通安全に関する知識と行動の改善に向けて、交通安全事業を実施していきます。


事業開始時のイベントには、教育省や交通省などの関係機関も参加しました


この事業は、皆様からのご寄付および損害保険ジャパン日本興亜株式会社のご支援により実施しています。


(海外事業部 インドネシア担当:福田)






 

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