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バングラデシュ
(公開日:2018.11.16)

NGO42団体が共同声明を発表:ロヒンギャ難民の帰還に対して危険で時期尚早であると警鐘を鳴らす(2018.11.9)

 
ミャンマー西部ラカイン州およびバングラデシュのロヒンギャ難民キャンプで活動する人道支援団体および市民社会組織は、ロヒンギャ難民の帰還が11月中旬に開始される、という10月30日のバングラデシュとミャンマー両国政府の共同作業部会の発表に関し、深い懸念を表明します。

ミャンマー政府とバングラデシュ政府は、難民と国際社会に対し、帰還は、安全で、自発的かつ尊厳が守られた形でのみ行われると保証しており、私たちは、両国政府に対し約束が守られるよう求めます。

国連は、現時点で、ミャンマーの状況は人々が帰還するのに適切でないと繰り返し述べています。依然としてミャンマーから避難する難民は後を絶たず、帰還を進めることは時期尚早です。バングラデシュから、人々の命と安全に重大なリスクが依然として存在するミャンマーへ、人々の意思に反し送還することは、ノン・ルフールマン原則(庇護希望者の追放・送還の禁止)に違反します。

バングラデシュに避難するロヒンギャ難民は、一貫して故郷や出身地、または自身で選択した場所に戻りたいと話しています。 彼らは、平等な権利と市民権を享受できるよう保障を求めています。 また、彼らが被った重大な人権侵害に終止符が打たれ、彼らに避難を強いた暴力行為の責任者が処罰されるよう求めています。 ロヒンギャ難民は、移動の自由や社会サービス、生活手段がない隔離された環境へ戻ることを望んでいません。 彼らは、ラカイン州中部でロヒンギャと他のイスラム教徒12万8,000人が、6年以上にわたり移動の自由も無くキャンプに隔離されているのと同様の状況が常態化することを恐れています。

何より大事なのは、ロヒンギャ難民が、恐怖を感じている点です。 彼らは、安全を求めてバングラデシュに避難し、そして、安全な避難場所を提供してくれたバングラデシュ政府に非常に感謝しています。 しかし、彼らは今、ミャンマーに戻ったとき、何が起こるのか恐れており、また、十分な情報が無いことにも不安を感じています。

『帰還を願う強い気持ちはあるものの、市民権がない状況では戻れません・・・私たちは、ミャンマーに暮らす他の人々と同じように、市民権と普通の生活を求めます。私たちは安心・安全に、暴力を受けずに暮らしたいのです。

私は、ミャンマーにきょうだいがいます。[・・・]夜、眠りにつくのが怖いと言います。それは、寝ている最中に殺されるのではないかと恐れているからです。ここに来てからは、アッラーの恵みとバングラデシュ政府のおかげで、私たちは、夜、眠ることができます。 しかし、私のきょうだいは、夜、寝ることができません』(難民キャンプで避難生活を送る女性、30代半ば)


難民を保護する国連機関である国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、いかなる帰還プロセスにおいてもロヒンギャ難民に対して、自主的に帰還をする権利を行使し、帰還をするかしないか、また帰還を希望する場合はその時期を、真に自由にかつ十分な情報を得たうえで意志決定することができるよう、最新の客観的で正確な情報を適切な言語と方法で提供し、またミャンマーが安全に帰還できる環境かを把握することを含め、重要な役割を果たさなければなりません。

私たちは、バングラデシュとミャンマー両国政府に対し、当初の約束を守り、そして、バングラデシュに避難しているロヒンギャ難民が、ラカイン州の状況について完全かつ公平な情報へのアクセスに基づいて、帰還に関して自由にかつ情報をよく理解したうえで選択を行えるよう保証することを求めています。 国連の諸機関は、こうした情報を提供できるよう、そして、帰還先とされる地域の状況を確認するために、ラカイン州全土へ自由にアクセスできなくてはなりません。
声明文(英語)および、NGO42団体はこちら

 

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