バングラデシュ(公開日:2022.03.09)
【バングラデシュ】 子どもを守るための仕組みを強化する支援
バングラデシュ南東部に位置するコックスバザール県は、約265万人の人口を有する観光業や漁業が盛んな地域です。セーブ・ザ・チルドレンが2019年にバングラデシュの社会福祉局と合同で実施した調査を通して、コックスバザール県では子どもを守る仕組みが十分に機能しておらず、子どもに対する暴力や搾取、虐待などの問題への対応が不十分であることが明らかとなりました。
さらに、2017年以降、大勢のロヒンギャの人たちが避難してきたことによる社会的経済的な影響、さらには新型コロナウイルス感染症拡大などによって、子どもがこれらの問題に晒されるリスクは、さらに高まっています。
これらの状況を受け、私たちは、コックスバザール県において、子どもをさまざまな暴力やそのリスクから守るため(子どもの保護)の仕組みを強化するための事業を行っています(事業の詳細はこちらのブログ をご参照ください)。
子どもを守るための仕組みを強化するためには、地域社会や行政機関の制度の整備や能力強化が必要となります。この事業では、地域社会の能力強化の一環として、地域子どもの保護委員会(子どもの保護委員会)の設置と委員会への支援を行っています。
さらに、2017年以降、大勢のロヒンギャの人たちが避難してきたことによる社会的経済的な影響、さらには新型コロナウイルス感染症拡大などによって、子どもがこれらの問題に晒されるリスクは、さらに高まっています。
これらの状況を受け、私たちは、コックスバザール県において、子どもをさまざまな暴力やそのリスクから守るため(子どもの保護)の仕組みを強化するための事業を行っています(事業の詳細はこちらのブログ をご参照ください)。
子どもを守るための仕組みを強化するためには、地域社会や行政機関の制度の整備や能力強化が必要となります。この事業では、地域社会の能力強化の一環として、地域子どもの保護委員会(子どもの保護委員会)の設置と委員会への支援を行っています。
子どもの保護委員会は、地域のリーダーや教員、青少年の代表、地域行政のソーシャルワーカー、ヘルスワーカー、NGOの代表などから構成され、地域における子どもの保護に関する意識啓発や、問題やリスクを抱える子どもを見つけたときに、行政やNGOなどの個別支援につなげたり、フォローアップしたりする役割を果たします。
子どもの保護委員会は、バングラデシュ政府の法律で設立が定められているもののロヒンギャ難民キャンプ近くのごく一部の地域でしか設立されていませんでした。
こうした現状を受け、コックスバザール県内17の地域で、17の子ども保護委員会の設置を支援しました。
設置後は、子どもの保護委員会メンバーに対して、子どもの権利と子どもの保護について、子どもの保護委員会の役割、子どもの保護に関する問題やリスクの特定方法、関係機関への報告方法などに関する研修や、事業スタッフによる現地でのフォローアップなどを通じた能力強化を実施しています。
ここで、子どもの保護委員会によって実際に行われた支援の事例をご紹介します。
事業対象地に住む15歳の少女は、両親からある男性と結婚するように言われました。少女は学校に通い続けたいと訴えましたが、両親は受け入れてくれませんでした。そのことを知った子どもの保護委員会メンバーは、両親と話し合い、その結果家族は、新型コロナウイルス感染症の影響で生計が悪化していること、3人の姉はすでに結婚しており、末の娘も結婚することで、子育ての責任から解放されたいと考えていることがわかりました。子どもの保護委員会メンバーは、児童婚が未成年の子どもに与えるさまざまな負の影響や少女が学習を続けることで、今後両親を支えることもできると説明し、両親は18歳まで結婚させないことに決めました。
今回のケースはあくまでも一例で、他にも地域の子どもが抱えるさまざまな問題を子どもの保護委員会が支援しています。より困難なケースや、専門的な支援が必要な場合には、政府機関やセーブ・ザ・チルドレンをはじめとするNGOなどが直接対応にあたることもあります。
この事業では、こうした活動以外にも子どもの保護に関する仕組みを強化するための多様な活動を行っています。引き続き、地域社会や行政機関と協力しながら、バングラデシュの子どもたちを守る支援を行っていきます。
本事業は皆さまからのご寄付と、日本NGO連携無償資金協力の助成を受けて実施しています。
(バングラデシュ駐在員 松村拓憲)
子どもの保護委員会は、バングラデシュ政府の法律で設立が定められているもののロヒンギャ難民キャンプ近くのごく一部の地域でしか設立されていませんでした。
こうした現状を受け、コックスバザール県内17の地域で、17の子ども保護委員会の設置を支援しました。
設置後は、子どもの保護委員会メンバーに対して、子どもの権利と子どもの保護について、子どもの保護委員会の役割、子どもの保護に関する問題やリスクの特定方法、関係機関への報告方法などに関する研修や、事業スタッフによる現地でのフォローアップなどを通じた能力強化を実施しています。
ここで、子どもの保護委員会によって実際に行われた支援の事例をご紹介します。
事業対象地に住む15歳の少女は、両親からある男性と結婚するように言われました。少女は学校に通い続けたいと訴えましたが、両親は受け入れてくれませんでした。そのことを知った子どもの保護委員会メンバーは、両親と話し合い、その結果家族は、新型コロナウイルス感染症の影響で生計が悪化していること、3人の姉はすでに結婚しており、末の娘も結婚することで、子育ての責任から解放されたいと考えていることがわかりました。子どもの保護委員会メンバーは、児童婚が未成年の子どもに与えるさまざまな負の影響や少女が学習を続けることで、今後両親を支えることもできると説明し、両親は18歳まで結婚させないことに決めました。
今回のケースはあくまでも一例で、他にも地域の子どもが抱えるさまざまな問題を子どもの保護委員会が支援しています。より困難なケースや、専門的な支援が必要な場合には、政府機関やセーブ・ザ・チルドレンをはじめとするNGOなどが直接対応にあたることもあります。
この事業では、こうした活動以外にも子どもの保護に関する仕組みを強化するための多様な活動を行っています。引き続き、地域社会や行政機関と協力しながら、バングラデシュの子どもたちを守る支援を行っていきます。
本事業は皆さまからのご寄付と、日本NGO連携無償資金協力の助成を受けて実施しています。
(バングラデシュ駐在員 松村拓憲)