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バングラデシュ
(公開日:2020.08.25)

記録的猛暑と新型コロナウイルス感染症パンデミック−地球温暖化の影響か

 

セーブ・ザ・チルドレンや気候科学者、若手環境活動家は、記録的な気温の上昇と新型コロナウイルス感染症は、人類が自然との向き合い方を変え、気候危機に対処しなければ、より深刻なパンデミックや災害に直面する恐れがあると、警鐘を鳴らします。


インドネシアの首都ジャカルタでは2019年の大みそかから降り続いた雨で洪水が発生。18万人以上が避難を余儀なくされた(2020年2月撮影)


一方、セーブ・ザ・チルドレンの分析によると、地球温暖化が地域社会とその子どもたちにとって最大の脅威であることに変わりはないものの、今回の新型コロナウイルス感染症パンデミックにより、アジア太平洋地域や世界的な気候の危機に関する人々の関心や議論の喚起がほとんどないことが分かっています。

米国の国立海洋大気管理局(NOAA)によると、2020年上半期(1月-6月)の気温は、記録がある141年間で2番目に高く、記録的猛暑となったことが報告されています。シベリアでは今年6月の平均気温が平年より5度高くなっており、この世界的記録に影響を与えています。バングラデシュや中国、インド、ネパールで、数百万人に影響を与えている洪水や、熱波、サイクロン、干ばつなどの異常気象による自然災害は、地球温暖化の結果、深刻さを増しています。また、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、海面上昇は、2050年までにアジア太平洋沿岸の巨大都市や小島嶼国の多くが、100年に1度発生する規模の異常気象に毎年見舞われることを意味すると指摘しています。

地球温暖化がアジア太平洋地域の社会や子どもたちにとって最大の脅威であり続けているにもかかわらず、現在、新型コロナウイルス感染症が同地域の関心を集め議論の中心となっています。セーブ・ザ・チルドレンが行った分析によると、2020年に新型コロナウイルス感染症がアジア太平洋地域で流行してからは、7月までにオンライン上で発信された、同地域の気候変動に関する情報量は2019年の同時期に比べ半減し、新型コロナウイルス感染症に関する情報が大部分を占めるようになったと報告されています。


森林破壊や環境汚染などにより野生生物の生息地が破壊され、動物や昆虫が人に接触する機会が増えたことにより、動物由来のウイルスによるパンデミックが頻繁に発生するようになっているという調査結果も出ており[1]、政府は、オンライン上での気候危機に関する発信が減ったからといって、社会のなかで関心が薄れたと考えるべきではありません。


セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナル アジア地域事務所代表ハッサン・ノーアは次のように述べています。
「深刻化する地球温暖化に対し早急に対策を講じなければ、子どもたちはこの先、頻発するパンデミックや人類の負の遺産である気候変動危機の脅威とも闘いながら、生活していかなければなりません。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症により影響を受けた社会や経済の復興に向けた取り組みは、パンデミックと気候変動危機双方のリスクを軽減させることができます。雇用と成長を支援しながら、汚染の少ない低炭素経済、低炭素社会を推進することが必要です。脆弱なコミュニティを将来の危機から守るためにも、さらなる支援が求められています。」

[1]Global shifts in mammalian population trends reveal key predictors ofvirus spill over risk














 

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