トップページ > スタッフブログ > バングラデシュ > 【バングラデシュ】サイクロン「レマル」上陸:27万人以上の子どもたちが家を失う

バングラデシュ
(公開日:2024.06.11)

【バングラデシュ】サイクロン「レマル」上陸:27万人以上の子どもたちが家を失う

 
2024年5月26日にバングラデシュ南西部を通過したサイクロン「レマル」は、時速120キロ、高潮は通常の2メートルから3.5メートルを上回る規模となりました1 。子ども約160万人を含む約375万人がこの暴風雨の影響を受け、16人が犠牲となりました。

およそ27万人4,000以上の子どもたちが、家を失ったり、損壊した住居に住まざるを得ない状況に置かれたりしています。また停電により数百万人が影響を受けています 。



政府によると、このサイクロンにより19県で少なくとも15万棟の家屋が倒壊または損壊し、約63万9,000人が影響を受けています2 。さらに、サイクロンによる洪水で、多くの地域で診療所が機能していません。

そして、洪水のために約50万人がボートでしか行くことができない地域に取り残されています。外部とのつながりが遮断され、孤立しているほか、多くの世帯にとって重要な収入源であった農地やエビ・魚の養殖場は甚大な被害を受けています。塩分濃度の上昇により、以前から安全な水が得られにくかった地域では、井戸や貯水池への深刻な被害も報告されています。

また、暴風雨によって電線や電波塔が破損したり、数千本の木々が根こそぎ倒れたりしたことで道路がふさがれ、支援活動を届けることが難しくなっています。そのため、1,700万人以上が、電気のない生活を余儀なくされています。

サイクロンが上陸したとき、自宅にいて浸水被害にあったアハメドさん(57歳)は、こう話します。

「私の家は完全に水没し、それ以来、家には戻っていません。家の中にいたとき、首まで水に浸かっていましたが、誰も助けに来てくれませんでした。村でも、家が流されたり倒壊したりした住民もいると聞いています。飼っていた私のヤギは3頭とも流されました。」

セーブ・ザ・チルドレンは、保健医療チームを含む4つの緊急支援チームをサトキラ県とパトゥアカリ県に派遣し、食料品や緊急シェルター(住居)、調理器具セット、衛生用品キットの配布を実施しています。さらに、サトキラ県にある5ヶ所の上水道施設は、暴風雨の中でも発電機を使って稼働し続けることができ、生きるために必要な安全な水を現在2万人に提供できています。   




セーブ・ザ・チルドレンのバングラデシュ事務所代表シュモン・セングプタは、次のように述べています。

「今回被害にあった沿岸地域の子どもたちは、サイクロンによる被災があった前から支援を必要としており、現在は27万人以上が家を失うか、損壊した建物で暮らしています。

子どもたちとその家族は、今すぐに安全な住居、食料、水を必要としています。しかし、このサイクロンによって生活基盤が破壊されたため、長期的には、もっと必要なものが多くなるでしょう。経済的に困難な家庭では、子どもたちを養うためにお金を稼ぐ手段がほとんどなくなってしまいました。

また、このサイクロンは、気候変動による地域への影響やストレスを緩和するためのコミュニティの対処能力をさらに低下させました。遅発型災害は、子どもたちの生活にも影響を及ぼしています。

例えば、塩水の浸入はバングラデシュで、すでに600万人近く(人口の4%近く)に影響を及ぼしており、この人数は2050年には1,360万人、2080年には1,480万人に増加すると予測されています3

各国首脳代表などが、気温の急激な上昇を早急に止め、気候変動の影響に対処し、バングラデシュのような国々がこれらの災害に備え、対応できるよう支援するために、直ちに行動を起こす必要があります。特に、貧困や不平等、差別の影響を受けている子どもたちの未来が守られるようにする必要があります。」


災害や人道危機から子どもたちの命と未来を守るためのセーブ・ザ・チルドレンの活動へのご支援をお願いします。「いのち・みらい貯金箱」へのご寄付はこちら
https://bit.ly/400trpi


<いのち・みらい貯金箱>
セーブ・ザ・チルドレンは、国内外の緊急・人道支援の最前線で、保健医療、食料やこころのケアなど幅広い支援を提供し、子どもたちの命と未来を守るために活動しています。「いのち・みらい貯金箱」は、緊急支援が必要な地で迅速に支援を行うための資金です。世界各地の自然災害や人道危機における支援に役立てられます。


1
 https://reliefweb.int/report/bangladesh/bangladesh-cyclone-remal-2024-situation-report-no-03-29-may-2024

2 バングラデシュの人口の43%が0歳から17歳で、平均世帯人員は4.26人である。

3 https://www.icccad.net/wpcontent/uploads/2019/04/Panii_Jibon_ICCCAD_Action_Research_Report_2019.pdf


 

あなたのご支援が子どもたちの未来を支えます

もっと見る

月々1500円から、自分に合った金額で子どもの支援ができます。
定期的に年次報告書や会報誌をお送りしています。

1回から無理なくご支援いただけます。

PAGE TOP