バングラデシュ(公開日:2021.09.28)
ロヒンギャ難民の子どもたち16万4,000人以上が学習再開
バングラデシュのコックスバザールにあるロヒンギャ難民キャンプに暮らす16万4,000人以上のロヒンギャの子どもたちが、学習を再開しました。
コックスバザールのロヒンギャ難民キャンプある学習センター(2019年2月撮影)
ロヒンギャ難民の子どもたちに初等教育を提供する学習センターは、新型コロナウイルス感染症の影響により1年半前に閉鎖され、世界で最も長い期間休校となっている施設のひとつでしたが、2021年9月22日より再開されました。
バングラデシュ政府は、全国およびコックスバザールにおける新型コロナウイルス感染症の検査陽性率が、8月上旬の30%以上から今週は5%程度に低下したことを受け、2年生から4年生の子どもたちを対象に学習センターの再開を許可すると発表しました。
バングラデシュの学校は9月12日に再開されましたが、ロヒンギャ難民の子どもたちへの教育は再開されていませんでした。休校期間中、ロヒンギャ難民の子どもたちは児童婚や、家計を支えるための児童労働などのリスクに晒されていました。
セーブ・ザ・チルドレンは、学習センターの再開を歓迎する一方、他の年齢の子どもたちも教室に戻れるようにすること、また、ミャンマーの教育カリキュラムを使った試験的なプログラムを実施することを政府に求めます。コックスバザールの難民キャンプでは、約90万人が避難生活を送っていますが、そのうち約45万6,000人が子どもです。
ロヒンギャ難民キャンプに暮らすタスリムさん(9歳)は、次のように話します。
「ミャンマーの教師によるミャンマーのカリキュラムを使用した授業のほうが良く、将来は、医師や教師になるという夢をかなえたいです。」
セーブ・ザ・チルドレンのバングラデシュ事務所代表オノ・バン・マネンは、ロヒンギャの子どもたちや家族は、質の高い教育環境を切望していると話します。
「ロヒンギャ難民の子どもたちに質の高い教育を提供するためには、さらなる支援や努力を重ねる必要があります。そのためには、子どもたちを学校に戻すよう家族を説得するコミュニティでの啓発活動や、ロヒンギャ難民の子どもたちが母国語で学習できるようにするための試験的プログラムの実施や拡大が早急に求められています。」
セーブ・ザ・チルドレンは、100万人近いロヒンギャの人たちがミャンマーからバングラデシュに逃れた2017年以降、ロヒンギャとバングラデシュの教師の協力を得て、バングラデシュ南東部コックスバザールの難民キャンプにある100ヶ所の学習センターでロヒンギャ難民とホストコミュニティに教育を提供してきました。