バングラデシュ(公開日:2021.03.26)
ロヒンギャ難民キャンプで大規模火災 23人の子どもが行方不明に
セーブ・ザ・チルドレンは、2021年3月21日に、バングラデシュ南東部コックスバザールにあるロヒンギャ難民キャンプで発生した大規模火災で行方不明となっている少なくとも23人の子どもたちの捜索に、24時間体制で取り組んでいます。
この大規模火災では、燃えやすい竹や防水シートでつくられた数千軒の家屋に、一気に炎が燃え広がりました。この火災により、子どもを含む11人が亡くなり、5万人が住居を失ったとみられています。また、数百人が依然として行方不明と報じられています。
セーブ・ザ・チルドレンは、難民キャンプのリーダーや他団体とともに、行方不明になった子どもの捜索活動や家族再会のための支援を進めています。これまでに、289人の子どもが離ればなれになった家族と再会することができました。
セーブ・ザ・チルドレンは、3月24日に他団体と共同で声明を発表し、難民キャンプに設置されているフェンスが、難民の避難を妨げ、消火活動に大幅な遅れをもたらしたため、フェンス設置について再検討すべきであること、また、緊急時の安全な避難と緊急支援の円滑な実施のためゲートの開放と24時間アクセス可能なスタッフの配置を訴えました。
セーブ・ザ・チルドレンでボランティアとして活動するロヒンギャ難民 のタエバ・ベガムさんは、炎が家に広がる前に、息子とともに避難しました。
「自宅の裏で火災が発生したとき、私は子どもとともに、着の身着のまま命を守るために、少なくとも1キロ走りました。持ち物はすべて灰になってしまったので、近隣の兄の家に身を寄せています。
命を守るために泣きながら走っている人々を見ましたが、鉄条網があるために遠くへ逃げることができませんでした。しばらくすると軍が来て、人々が避難できるように対応しました。そして、私たちの家の目の前にあった鉄条網が取り壊され消防隊による消火活動がはじまりました。もしフェンスが取り壊されていなかったら、私たちが避難している兄の家も焼け落ちてしまっていたかもしれません。」
また、同じくボランティアであるジャフォルラさんは、今回の大規模火災で家を失いました。現在は、セーブ・ザ・チルドレンの緊急シェルターに避難しています。
「突然、火災に気がついて、家の外に出ましたが、辺りは大混乱でした。炎は自宅を焼き尽くし、子どもたちや妻の姿はどこにも見当たりませんでしたが、セーブ・ザ・チルドレンが、妻と子どもたちとの再会を支援してくれました。子どもたちのためにどうしても家が必要です。子どもたちの体調は良くなく、精神状態も良いとは言えません。」
セーブ・ザ・チルドレンは、この大規模火災により精神的苦痛を抱える子どもたちや家族に対して心理的応急処置を提供しています。また、訓練を受けたスタッフやボランティアが24時間常駐し、子どもたちが安心・安全に過ごせる一時的な居場所を12ヶ所開設したり、シェルターキットを配布したりしています。
世界保健機関(WHO)によると、今回の大規模火災により、保健医療施設が少なくとも6ヶ所倒壊したことが明らかになっています。セーブ・ザ・チルドレンは、こうした状況下で、食料や水の不足、保健医療サービスが利用しづらくなっていることから、妊娠中の女性や生まれたばかりの乳幼児、そして5歳未満の子どもたちの置かれる状態を懸念しています。私たちと医療・保健分野で連携している団体は、保健医療スタッフや救急車などの手配を行っています。加えて、キャンプで活動する他の人道支援団体も、飲料水ボトルや移動可能な水のタンクを難民の人たちに配布するために、迅速に支援を展開しています。
セーブ・ザ・チルドレン バングラデシュ事務所代表のオノ・バン・マネンは次のように訴えます。
「ロヒンギャ難民は、すでに私たちの想像を絶する苦しみに耐えてきています。激しい暴力により家を追われ、避難を余儀なくされた家族は、いまや火災により手元にあるわずかな持ち物も失いました。さらに、こうした惨状に加えて、子どもたちを失い悲しみにくれる人たちもいます。
人道支援団体による多くの支援があったとしても、難民キャンプは子どもたちにとって成長するための場所ではないのです。
私たちは、火災により避難を余儀なくされたロヒンギャ難民の人たちに対して、子どもたちが目のあたりにした恐怖から立ち直れるよう、できる限りの支援を行っています。また、こうした災害のあとは子どもたちの人身取引などが増加する傾向があることから、子どもたちを守るために、24時間体制で活動を続けています。しかし、人道支援のための資金は不足しており、国際社会が支援を拡充することが必要です。」
この大規模火災では、燃えやすい竹や防水シートでつくられた数千軒の家屋に、一気に炎が燃え広がりました。この火災により、子どもを含む11人が亡くなり、5万人が住居を失ったとみられています。また、数百人が依然として行方不明と報じられています。
セーブ・ザ・チルドレンは、難民キャンプのリーダーや他団体とともに、行方不明になった子どもの捜索活動や家族再会のための支援を進めています。これまでに、289人の子どもが離ればなれになった家族と再会することができました。
セーブ・ザ・チルドレンは、3月24日に他団体と共同で声明を発表し、難民キャンプに設置されているフェンスが、難民の避難を妨げ、消火活動に大幅な遅れをもたらしたため、フェンス設置について再検討すべきであること、また、緊急時の安全な避難と緊急支援の円滑な実施のためゲートの開放と24時間アクセス可能なスタッフの配置を訴えました。
セーブ・ザ・チルドレンでボランティアとして活動するロヒンギャ難民 のタエバ・ベガムさんは、炎が家に広がる前に、息子とともに避難しました。
「自宅の裏で火災が発生したとき、私は子どもとともに、着の身着のまま命を守るために、少なくとも1キロ走りました。持ち物はすべて灰になってしまったので、近隣の兄の家に身を寄せています。
命を守るために泣きながら走っている人々を見ましたが、鉄条網があるために遠くへ逃げることができませんでした。しばらくすると軍が来て、人々が避難できるように対応しました。そして、私たちの家の目の前にあった鉄条網が取り壊され消防隊による消火活動がはじまりました。もしフェンスが取り壊されていなかったら、私たちが避難している兄の家も焼け落ちてしまっていたかもしれません。」
また、同じくボランティアであるジャフォルラさんは、今回の大規模火災で家を失いました。現在は、セーブ・ザ・チルドレンの緊急シェルターに避難しています。
「突然、火災に気がついて、家の外に出ましたが、辺りは大混乱でした。炎は自宅を焼き尽くし、子どもたちや妻の姿はどこにも見当たりませんでしたが、セーブ・ザ・チルドレンが、妻と子どもたちとの再会を支援してくれました。子どもたちのためにどうしても家が必要です。子どもたちの体調は良くなく、精神状態も良いとは言えません。」
セーブ・ザ・チルドレンは、この大規模火災により精神的苦痛を抱える子どもたちや家族に対して心理的応急処置を提供しています。また、訓練を受けたスタッフやボランティアが24時間常駐し、子どもたちが安心・安全に過ごせる一時的な居場所を12ヶ所開設したり、シェルターキットを配布したりしています。
世界保健機関(WHO)によると、今回の大規模火災により、保健医療施設が少なくとも6ヶ所倒壊したことが明らかになっています。セーブ・ザ・チルドレンは、こうした状況下で、食料や水の不足、保健医療サービスが利用しづらくなっていることから、妊娠中の女性や生まれたばかりの乳幼児、そして5歳未満の子どもたちの置かれる状態を懸念しています。私たちと医療・保健分野で連携している団体は、保健医療スタッフや救急車などの手配を行っています。加えて、キャンプで活動する他の人道支援団体も、飲料水ボトルや移動可能な水のタンクを難民の人たちに配布するために、迅速に支援を展開しています。
セーブ・ザ・チルドレン バングラデシュ事務所代表のオノ・バン・マネンは次のように訴えます。
「ロヒンギャ難民は、すでに私たちの想像を絶する苦しみに耐えてきています。激しい暴力により家を追われ、避難を余儀なくされた家族は、いまや火災により手元にあるわずかな持ち物も失いました。さらに、こうした惨状に加えて、子どもたちを失い悲しみにくれる人たちもいます。
人道支援団体による多くの支援があったとしても、難民キャンプは子どもたちにとって成長するための場所ではないのです。
私たちは、火災により避難を余儀なくされたロヒンギャ難民の人たちに対して、子どもたちが目のあたりにした恐怖から立ち直れるよう、できる限りの支援を行っています。また、こうした災害のあとは子どもたちの人身取引などが増加する傾向があることから、子どもたちを守るために、24時間体制で活動を続けています。しかし、人道支援のための資金は不足しており、国際社会が支援を拡充することが必要です。」