日本/子ども虐待の予防(公開日:2019.07.02)
「たたかない、怒鳴らない、子どもと向き合うヒントーみんなで考えるワークショップー」を開催しました
セーブ・ザ・チルドレンは、体罰等を用いない子育ての推進を行っています。その活動の1つとして0歳から18歳未満の子どもを持つ養育者を対象に、普段の子育てを振り返り、「たたかない、怒鳴らない、子どもと向き合うヒント」について学ぶワークショップを年に2回開催しています。6月22日に、2019年度1回目となるワークショップが開催されました。当日の様子や、参加者の声を紹介します(今年度の2回目は千葉県柏市で開催予定です。詳しくはこちら)。
当日は、0歳から18歳の子どもを持つ14人が参加しました。ワークショップの始めに、参加者の自己紹介と今回のワークショップに期待することを話してもらいました。「普段、子どもへしつけなのに怒鳴ってしまう」「‘伝わる’しつけの方法が知りたい」といった、しつけに関連する声が多くあがりました。
最初は、多くの人が緊張気味のようでしたが、グループでの話し合いが始まるとすぐに打ち溶け合っていきました。子どもを育てながら抱えている悩みや疑問を共有しあうことで、悩んでいるのは自分だけじゃないと安心したり、子育てのヒントを得たようです。
自己紹介の後、たたいたり、怒鳴ったりといった「体罰等」の定義について、体罰等を用いない方が良い理由として発達への影響に関する科学的な根拠、そして、子どもの権利の侵害の3点をお伝えしました。「科学的に体罰が身体に与える影響など、説得力があってよかった。」という感想がありました。
そして、体罰等によらない子どもへの向き合い方のヒントを子どもの権利の観点から「イライラを知る」「子どもに寄り添う」「伝わるしつけ」という部分に焦点を当て説明し、それぞれについて、グループごとに、ワークに取組みました。どのグループも真剣にワークに取組み、発表の場面では、グループのメンバーの思いや考えに耳を傾けていました。
最後に、個人で「たたいたり、怒鳴ったりしないためにどんなことができるのか」を書き出し、グループの中で共有しました。ペアワークやグループワークをたくさん取り入れることで、養育者自身それぞれが新しい気づきを得たり、他の参加者の状況から自身の子育てを客観的に振り返るきっかけを得たような様子がうかがえました。
参加者からは、「子育てをするうえで、相手を尊重することがとても大切だという気づきがあってよかった。」「もやもやしてた事がはっきりと整理できました。色んなお家の子育てについて聞けて安心しました。」「子どもは一人一人違うから、自分の子どもがマニュアル通りのことができなくても”大丈夫”と思えた。」「イライラの対処法を習得できれば大きな声を出さずに子育てできると思います。早く子どもに会ってお話ししたいです。」といった声が聞かれました。
セーブ・ザ・チルドレンの体やこころを傷つける罰をなくすための取り組み
セーブ・ザ・チルドレンは、子どもへの体罰等をなくすための取り組みを行っています。2019年6月19日には、親権者等による体罰を禁止する改正法が国会で可決されました。今後、体罰等によらない子育てへの理解がより必要とされます。そうした中、養育者の方が、より子どもの気持ちに寄り添った子育てをする後押しとなるようにセーブ・ザ・チルドレンは活動を続けていきます。
(報告:東京事務所 岩井)