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日本/子ども虐待の予防
(公開日:2020.03.02)

共同声明 日本が世界で59番目の体罰全面禁止国へ 虐待や体罰等の子どもに対する暴力のない社会を実現するために

 

あらゆる国における体罰の禁止と根絶を目指し活動する国際NGO「子どもに対するあらゆる体罰を終わらせるグローバル・イニシアチブ」(以下、グローバル・イニシアチブ)は2月28日、日本が世界で59番目の体罰全面禁止国になったとする声明を発表しました。
日本では、親などによる体罰禁止を明記した改正児童虐待防止法等が2019年6月に成立し、2020年2月20日に、厚生労働省から体罰の定義や範囲等をとりまとめたガイドライン『体罰等によらない子育てのために〜みんなで育児を支える社会に〜』(以下、ガイドライン)が発表されました。

ガイドラインは、2019年改正法を踏まえ、子どもの権利が守られる体罰のない社会を実現していくことを明確に打ち出しています。そのうえで、子どもに対して何らかの苦痛を引き起こしたり、不快感を意図的にもたらしたりする行為(罰)は「どんなに軽いものであっても体罰に該当する」とし、さらに、怒鳴りつけたり、けなしたり、辱めたりといった心を傷つける暴言や行為についても、子どもの権利を侵害すると明記しています。

同時に、「親以外の監護・教育をする権利を持たない者を含む全ての人」についても体罰は許されないことも明記しました。グローバル・イニシアチブは、子どもの権利条約の求める基準に基づき、ガイドラインの内容から日本を体罰全面禁止国と評価しました。

私たちは、長年にわたり体罰禁止を求めてきた市民団体として、日本が子どもの権利条約締約国としての責任を一つ果たしたことを歓迎します。他方、すでに体罰を禁止した国々の経験から、法改正に大規模な啓発をともなう場合が最も暴力防止の効果が高いことが指摘されています。私たちは、体罰等によらない子育てを社会全体で推進し、虐待・体罰等の暴力の被害にあう子どもをなくすことに尽力する決意を新たにしています。

また、日本政府が2019年法改正からさらに前進し、下記の課題に取り組むよう要請します。
1.肯定的で非暴力・参加型のしつけ、子育て、教育の社会啓発活動を徹底すること
2.子育て支援プログラムを含めた子育て支援策を拡充すること
3.おとなと子どもの両方に対して、暴力から守られる権利等の子どもの権利を広く啓発すること
4.虐待・体罰等防止のための予算を十分に確保し、定期的な実態調査を実施すること
5.すべての人を名宛人とした、体罰等を明示的に禁止する法改正を行うこと
6.民法の懲戒権規定を削除するとともに民法上で体罰等の禁止を明示的に禁止すること
以上


■共同声明(全文)PDFダウンロードはこちら


【参考】

子どもに対するあらゆる体罰を終わらせるグローバル・イニシアチブ 声明 Japan prohibits all corporal punishment of children (英文)

From prohibition to elimination (禁止から根絶へ)(英文)

「子どもに対するあらゆる体罰を終わらせるグローバル・イニシアチブ(Global Initiative to End All Corporal Punishment of Children (英文))」は、体罰の根絶をめざす国際団体。体罰禁止に関する最新の情報を包括的に収集・提供するハブ的な役割を果たし、子どもの権利条約に沿った法改正のための技術支援も行っている。その情報や体罰全面禁止に関する国別評価には国際的な信頼が置かれている。

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン特設サイト「どうなる?子どもへの体罰禁止とこれからの社会」https://www.savechildren.or.jp/lp/banningphphub/

 

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