日本/子ども虐待の予防(公開日:2021.09.14)
【報告】「子どもの意見表明・子ども参加」をテーマに立憲民主党の勉強会で発表しました
2021年7月29日、立憲民主党つながる本部と子ども・子育てプロジェクトチーム共催で行われた「子どものためのほうりつ」意見交換会に、セーブ・ザ・チルドレンの国内事業部の西崎が登壇し、子どもの意見を反映した立法・政策づくりを訴えました。政党への働きかけとしては、今年4月26日に開催された自民党のChildren Firstのこども行政のあり方勉強会での発表に続くものとなりました。
今回の意見交換会はオンラインで開催され、日ごろから子どもたちに関わる活動をしている9つの関係団体のほか、立憲民主党の国会議員や地方議員も参加しました。意見交換会の様子は、同党の公式YouTubeでも配信されています。
子どもの権利保障の実現のために
立憲民主党は先の通常国会で、子ども総合基本法案を衆議院に提出しました。今後、その法案をはじめとする子どものための法律・施策づくりにおいて、どのような要素や考え方が重要であるかという点を各団体が発表しました。
セーブ・ザ・チルドレンは、日本国内の子どもの権利保障の実現のために、1)子どもの権利条約を基盤とした総合的な法律を制定すること、2)国・自治体レベルで実施されている子どもに関する政策を統合的・分野横断的に調整する行政機関を創設すること、3)独立した子どもの権利擁護・監視機関を設立すること、の3点が必要だと考えています。
これらは、2019年の国連子どもの権利員会からの日本に対する勧告でも指摘されています。また、私たちを含め140の市民団体が参加する「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」も、これら3点を含んだ共同声明を出しています。
子どもの意見を聴き、それを立法・政策づくりに反映すべき
子どもを取り巻く課題の中心にいるのは、当事者である子ども自身であるにもかかわらず、子どもたちの声は社会で尊重されておらず、かき消されがちです。しかし、子どもたちは当事者として、意見を表明する権利があります。
セーブ・ザ・チルドレンは、勉強会の参加議員に対して「子どもの意見の尊重」が重要であること、そして子どもに関する立法・施策づくりのプロセスに子どもの意見を反映することを強く訴えました。加えて、子どもに関する新たな省庁では子どもの声を聴き、尊重し、取り入れる仕組み(子ども参加)が必要であることも指摘しました。
子ども参加とは、自分自身に直接的あるいは間接的に関わりのあるすべての事柄において、子どもが適切かつ十分に情報を与えられ、意見を表明し、かつ尊重され、積極的に関与することです。子ども参加は、子どもや社会にとって一度きりのイベントではなく、継続的なものでなくてはなりません。
そのためには、制度として子どもの声を聴く仕組みを取り入れ、必要な資金や人材を確保することが必要です。そして、その声を十分に考慮して政策・施策に反映していくこと、その結果を必ず子どもたちにフィードバックしていくことも重要となります。
これは必ずしも出てきた意見全部を取り入れるということではありません。難しい場合には、なぜ難しいのか、どうしたら実現できそうかなどを、子どもたちに対して説明することが求められます。
セーブ・ザ・チルドレンは今後も、子ども政策をめぐる議論にあたって「子どもの権利に基づくこと」「子どもの意見を聴き尊重することが重要であるということ」を、子どもたちの声とともに訴えていきます。
(国内事業部 西崎萌)