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日本/子ども虐待の予防
(公開日:2021.05.20)

【報告】「子どもの権利基盤のこども庁に向けて」をテーマに自民党勉強会で発表しました

 
2021年4月26日、自民党の第12回「Children Firstのこども行政のあり方勉強会―こども庁の創設に向けてー」において、セーブ・ザ・チルドレンが登壇し、子どもの権利を基盤としたこども庁の設立を訴えました。

同勉強会には、日本財団、子どもの声からはじめよう、Children's Views & Voicesの各団体とともに登壇し、自民党の国会議員20人以上に加え、地方議員160人以上(オンライン)、そして関係団体や報道関係者などが参加。こども庁への関心の高さがうかがえました。





子どもの権利基盤のこども庁創設に向けて

こども庁創設は、2021年2月に自民党の山田太郎参議院議員と自見はなこ参議院議員を共同事務局として発足した同勉強会にて緊急提言として出され、現在、自民党内で検討が行われています。子どもに関連する政策が、各省庁でバラバラに実施されているという課題認識のもと、⼀元的に⼦どもの⾏政を扱う⾏政組織として提案されています。

セーブ・ザ・チルドレンは、こども庁創設の議論にあたって、1)子どもの権利条約を基盤とした総合的な法律(子ども基本法など)を制定すること、2)国・自治体レベルで実施されている子どもに関する政策を統合的・分野横断的に調整する、調整機関としてのこども庁であること、3)独立した子どもの権利擁護・監視機関を設立すること、の3点が必要だと考えています。これらは、2019年の国連子どもの権利員会からの日本に対する勧告※でも指摘されています。また、セーブ・ザ・チルドレンを含め140の市民団体が参加する「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」も、これら3点を含んだ緊急提言を出しています。
※第4・5回日本政府統合定期報告書に関する総括所見



子どもの意見を聴き、それを尊重するこども庁であるべき
また、2019年の国連子どもの権利委員会からの日本への勧告では、緊急の措置が取られるべき分野として、1)差別の禁止、2)子どもの意見の尊重、3)体罰、4)家庭環境を奪われた子ども、5)リプロダクティブヘルスおよび精神保健、6)少年司法の6点に関する改善が強く求められています。こども庁設立にあたっては、これらの分野の課題にいかに早急に取り組むことができるかも重要です。

子どもを取り巻く課題の中心にいるのは、当事者である子ども自身であるにもかかわらず、子どもたちの声は社会から無視され、かき消されがちです。

セーブ・ザ・チルドレンは、勉強会の参加議員に対して「子どもの意見の尊重」が重要であること、そしてこども庁設立のプロセスに子どもの意見を反映することを強く訴えました。加えて、こども庁に子どもの声を聴き、尊重し、取り入れる仕組みが必要であることも指摘しました。

そして、勉強会では、子どもの声を聴いた具体例として、セーブ・ザ・チルドレンが今年2月に実施した子どもアンケートを紹介しました。子どもの意見を聴くにあたっては、大人は子どもが安心・安全に考えや意見を伝えられるように環境を整え、子どもの年齢などを考慮し、子どもに寄り添って聴くことが求められます。

そのための工夫として、ひらがな版と漢字版の2種類のアンケートフォームを用意したこと、「誰が回答したのかわからない」「途中でアンケートをやめることもできる」といった子どもが安心して回答できるように配慮したこと、アンケートの途中で回答している子どもを励ますような言葉がけも追加したことを説明しました。

また、セーブ・ザ・チルドレンの子どものセーフガーディング指針に則って、子どもへの影響と安全に配慮した企画とデータ収集に努めたことや、国立成育医療センターのご協力も得て、相談窓口の紹介等も行ったことも紹介しました。
※当日の発表資料や、「Children Firstのこども行政のあり方勉強会」についてはこちらからご覧いただけます。

セーブ・ザ・チルドレンは、こども庁や子ども基本法など子ども政策をめぐる今後の議論にあたって、子どもの権利に基づくこと、子どもの意見を聴き尊重することを継続して働きかけます。そして、こども庁が創設される場合には、こども庁が、子どもたち一人ひとりが権利の主体であることが浸透した社会や、子どもと大人がお互いを尊重し合い、対話を重ね、より良い結果を生み出すことができる社会をつくるけん引役となることを求めていきます。

(東京事務所 西崎萌)

 

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