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日本/子ども虐待の予防
(公開日:2014.10.10)

東京で「子どもへの暴力・虐待防止のための「体罰の根絶」を目指して」シンポジウムを開催しました。(2014.10.10)

 

2014年9月19日、東京でNPO法人子どもすこやかサポートネットとシンポジウムを共催しました。本企画は、先日ご報告した 子ども虐待防止学会世界会議で開催をしたシンポジウムのテーマについて、対象と場所を変え、更に議論を深める機会となりました。




〜みなさんは体罰と聴いて、何をイメージしますか〜



東京でのシンポジウムは、子どもや親・養育者の方を日々支える仕事に携わっている方々を対象に行いました。この機会に、子育てに悩んだとき、困ったとき、身近で家族を支える立場にある子ども支援者の方々と、深刻な「虐待」のみならず、子どものより身近な日常にある「体罰*」の問題性について確認をすることが大切であると考えたためです。


(注)セーブ・ザ・チルドレンは、国連の子どもの権利委員会にならい「体罰」 (英語でcorporal punishment) は「どんなに軽いものであっても、有形力が用いられ、かつ何らかの苦痛または不快感を引き起こすことを意図した罰」と同義として考えています。


<当日のプログラム>

子どもたちの声

太田久美氏

認定NPO法人チャイルドライン支援センター専務理事兼事務局長

体罰に関する親の意識

高祖常子氏

認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事

育児情報誌「miku」編集長

体罰は何が問題か

明橋大二氏

NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと理事長

児童相談所嘱託医、小学校スクールカウンセラー

体罰禁止へ向けた世界の動向〜なぜ体罰の根絶が必要か〜

ピーター・ニューウェル(Peter Newell)氏

子どもに対するあらゆる体罰を終わらせるグローバル・イニシアチブ代表

体罰禁止へ向けた取り組み〜現状と課題〜

田沢茂之氏

NPO法人子どもすこやかサポートネット代表理事

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン・アドバイザー


当日は、上記の登壇者の方々より日々子どもの声を受け止めたり、支援を必要とする親を支えたりしている現場からの報告に加え、日本の保護者の意識調査の結果の報告などを受けました。また、本テーマに関する世界の第一人者より、世界各国の取り組みや潮流が共有された後、日本の現状と課題の確認が行われました。


質疑応答セッションでは、数多くの質問を頂きました。現行の法律、私たち市民の役割、子どもを叩くなどの不適切な関わりがある親への支援のあり方、ほか、体罰を受けた子どもへの影響やその親の心境にかかる質問もあり、登壇者からは、丁寧で実践的な回答がありました。



アンケートには、この問題の解決に向けて何かしたいと回答された方が90%に上りました。また、「体罰について反対の立場でありながら、どこかで容認している自分の感情も気が付くことができた。暴力をふるってしまう親こそ支援を教育が必要だとより強く思った。」、「他の国で、法律が改定されたことで社会規模が変わったということを知って希望を感じました。どの登壇者の方の話も大変興味深かったので、もっと長い時間お話を聞いていたかったです。」といった声を頂いています。


本シンポジウムを通し、より身近な日常にある「体罰」を含めて、子どもへの不適切な関わりをなくしていくため、虐待防止の問題に取り組む多くの現場関係者・有識者の方々と協働をしていくことが大切であることが改めて見えてきました。セーブ・ザ・チルドレンも「生きる・育つ・守られる・参加する」という子どもの権利の実現を目指し、多領域の子ども支援者の方とのネットワークを大事にこの活動を広げていきたいと考えています。


・・・・・


なお、今般、名古屋・東京でのシンポジウム開催に合わせ、以下の制作物を2部作成いたしました。勉強会や研修時などに是非お役立て下さい。


■「子どもに対する体罰を終わらせるための手引き」 
家庭における「体罰」を含めて、効果的な法改正をしていくためにはどうしたらよいか等がわかり易く説明されています。


■「子どもに対する暴力のない社会をめざして〜体罰を廃止したスウェーデン35年のあゆみ
35年前に世界で最初に家庭を含む「体罰」禁止の法制化を成し遂げたスウェーデンの取り組みを紹介している冊子です。


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今回のシンポジウムは、以下の団体より多大なるご協力の下、実施できたことをご報告いたします。


NPO法人エファ・ジャパン、NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと、NPO法人タイガーマスク基金、NPO法人ファザーリング・ジャパン、NPO法人ホームスタート・ジャパン、認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク、認定NPO法人チャイルドライン支援センター、育児雑誌「miku」



(報告:東京事務所 片山元子)



 

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