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日本/子ども虐待の予防
(公開日:2015.10.08)

シンポジウム「体罰等の根絶と子どもがのびる育て方―子どもを育てるのに暴力は必要ですか―」を開催しました!

 

2015年9月5日、日本弁護士連合会(以下、日弁連)とセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、シンポジウム「体罰等の根絶と子どもがのびる育て方―子どもを育てるのに暴力は必要ですか―」を共催しました。このシンポジウムは、子どもたちに対する体罰が一向になくならない日本の現状を受け、学校や家庭を含むあらゆる場面での体罰をなくすにはどうすればよいかを考える機会とすべく企画したものです。当日は、日々、現場で子どもや親・養育者を支える職種の方々など、全国各地から100名を超えるみなさんの参加がありました。




プログラム内容


○報告:日弁連子どもの権利委員会幹事・愛媛弁護士会 弁護士 森保道氏
「日弁連意見書『子どもに対する体罰及びその他の残虐な又は品位を傷つける形態の罰の根絶を求める意見書』について」



日弁連が今年3月に発表した『子どもに対する体罰及びその他の残虐な又は品位を傷つける形態の罰の根絶を求める意見書』について、過去の事例・事件を交えながら説明しました。また、この意見書の基となる国連子どもの権利条約や国連の体罰等の定義、国際社会の動向などについても合わせて報告し、体罰等の明示的な禁止の法制化の必要性を訴えました。

○基調講演:心療内科医 明橋大ニ氏
「子どもへの暴力・虐待防止のための『体罰の根絶』を目指して〜体罰の何が問題か〜」



医師として日々子どもや養育者に接する立場から、具体的な事例と科学的な研究に基づき、体罰が子どもの発達にどれほど大きな影響を与えるのか、また、そもそも体罰の問題点は何なのかについて講演。臨場感のある数々の事例とわかりやすい分析に、参加者も話に引き込まれていました。

○活動報告:セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン ポジティブ・ディシプリン・カントリートレーナー森 郁子
「子どもを叩かず、怒鳴らずに育てる方法はありますか?〜前向きなしつけ〜『ポジティブ・ディシプリン』の取組みから」



セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが2009年より取り組む「叩かない・怒鳴らない子育て法“ポジティブ・ディシプリン”」を紹介。このプログラムが開発された経緯から、プログラム内容の紹介、参加者の声などを中心に発表し、養育者支援を通じて,罰を用いることのない・子どもの体やこころを傷つけない子育てを提案していくこと重要性を訴えました。

シンポジウム最後の質疑応答の時間では、「体罰を肯定する人々に、どのようにして体罰をやめてもらうよう説得できますか?」、「体罰を使わないと子どもからなめられてしまうのではないか?」といった体罰に関する素朴な疑問や、「ポジティブ・ディシプリンにはどのような人が参加しているのか?」のような発表内容に関する質問など、会場のみなさんから寄せられたたくさんの質問に対して、各登壇者が丁寧に回答をしました。



2時間半という短い時間ではありましたが、子どもへの体罰等に関して様々な側面からの議論がなされたことで、参加者がそれぞれの立場で体罰についての考えや知識を深め、体罰根絶に向けて取り組むためのつながりを強める機会になったのではないでしょうか。

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、子ども虐待の早期予防の一つの取組みとして、「子どもの体やこころを傷つける罰」のない社会をめざし、今後も、この課題に取り組む多くの関係者の方々とともに、「叩かない、怒鳴らない」子育ての考え方の提示や社会啓発活動、政策提言活動を続けていきます。

(報告: 福島事務所 望月里紗)


 

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