企業連携(公開日:2021.04.13)
【連携事例】セーブ・ザ・チルドレン×ファミリーマートSDGsオンライン教室を石巻市の高校で開催
2021年3月18日、セーブ・ザ・チルドレンは、ファミリーマートとともに、「『いま、私たちにできることを考えよう』SDGsオンライン教室」を石巻市立桜坂高校にて開催しました。高校1年生、2年生の計10クラス、約240人の生徒たちが、タブレットに繋いだモニター越しにセーブ・ザ・チルドレンとファミリーマートのスタッフとオンラインで繋がり、持続可能な開発目標(SDGs)についてともに学びました。
NGOと企業それぞれの強みを生かした協働のSDGs授業
昨今、中学・高校を中心にSDGsに関する授業のニーズが高まるなか、学校でも、SDGsを理解するための新たな学習方法や教材が模索されています。このような状況がある一方、対面での講演会や体験学習の実施が、新型コロナウイルス感染症の影響で難しくなっており、現状に即した新しい学習の形が各学校で検討されています。
こうした状況やニーズに対し、セーブ・ザ・チルドレンとファミリーマートは、SDGs 達成に向けたNGOと企業との連携事例や、それぞれのセクターでの活動の特徴を活かした協働でのオンライン授業「『いま、私たちにできることを考えよう』SDGsオンライン教室」を今年度より全国で継続的に実施していきます。
セーブ・ザ・チルドレンとファミリーマートによる今回の協働企画は、以下のような特徴があります。
・全国の中学校・高校、特にSDGsについて基礎的なレベルから学びたい学校を対象に、オンラインで実施する授業です。
・SDGsには国際機関や各国の政府だけではなく、NGOや企業も取り組む必要があり、すでにさまざまな活動が進められていることを具体例を用いて説明します。さらに学生を含む市民など、あらゆるステークホルダーの連携がSDGsの目標達成に必要であることを理解できるような内容です。
・学生たちがSDGsの達成を自身の課題として捉え、身近に感じ、「自分ゴト化」するため、講義形式の授業ではなく、グループワークによる参加型のアクティブラーニングを取り入れています。
<授業構成>
・SDGsの基本説明
・NGOの具体的なSDGs取り組み事例紹介
・企業の具体的なSDGs取り組み事例紹介
・NGOと企業の連携によるSDGs取り組み事例紹介
・SDGsを自身の課題として捉え、身近に感じるためのグループワーク
「NGOと企業の連携によるSDGs取り組み事例紹介」では、セーブ・ザ・チルドレンとファミリーマートが取り組む「タイの水の事故防止事業」を紹介しました。タイでは子どもの死亡原因の1位が水難事故であるという「課題」に対し、NGOのもつ専門性や現地とのつながりと企業が持つ知名度や発信力を連携させ、水泳教室の実施やタイの行政への働きかけという取り組みを行っていることなどを説明しました。
「最近の気になるニュース」をもとにSDGsを自分ゴト化する
このオンライン授業の1番の目的は、「生徒たちにSDGsを自分ゴトとして捉えてもらう」ことです。そのためのグループワークの時間では、事前に宿題になっていた「最近の気になるニュース」を持ち寄り、それぞれ、17あるSDGsのゴールのどれにつながるのか、そしてその達成のために自分たちは何ができるのかを考えてもらいました。
授業前は、セーブ・ザ・チルドレンやファミリーマートのスタッフが遠隔(オンライン)でグループワークのファシリテーションを行うことは難しいのではないかという懸念もありましたが、生徒や先生方の積極的な参加により、各グループからSDGsの目標達成のためのたくさんのアイデアが出されました。
グループワークの最初に行われた「ニュースの共有」では、オンライン授業の前日に報道された同性婚否認の違憲判決のニュースをはじめとするジェンダーの問題にかかわる話題から、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種、子どもの虐待死事件、レジ袋の有料化や食品ロス対応アプリ導入など環境問題にかかわるものまでさまざまな身近なニュースがとりあげられました。
その後行われた、ニュースやそれと関連するSDGsの目標を達成するためのアイデアに関するディスカッションの時間では、付せんやワークシートも活用し、たくさんの案が各グループから出されました。いくつかの例をご紹介します。
「新型コロナウイルス感染症のワクチン接種のニュースは、SDGsゴールの3番(すべての人に健康と福祉を)と10番(人や国の不平等をなくそう)に関係していると思う。一部の先進国ではワクチン接種が進んでいるが、接種できない国もあり、偏りがある。自分たちが直接かかわれるアクションとしては、感染者を増やさないために不要不急の外出を控え、うがい手洗いをしっかりとおこないたい。」
「レジ袋有料化のニュースは、SDGsの11番(住み続けられるまちづくりを)、12番(つくる責任、つかう責任)、14番(海の豊かさを守ろう)、15番(陸の豊かさを守ろう)に関係すると思う。レジ袋を有料化しても、それに代わるプラスチックの袋を購入する人が増加しているという。また、今も日本から海外にプラスチックゴミが輸出されている。このような状況に対し、なるべくエコバッグの利用をよびかけ、自分たちも持ち歩くようにし、紙袋を再利用するなどしたい。」
「身近な問題でもSDGsに関係していることを知ってとてもおどろいた」
授業後のアンケートでは、
「SDGsという言葉さえわからなかったけど理解できた!!」
「身近な問題でもSDGsに関係していることを知ってとても驚いた」
「自分達にできるSDGsに向けた取り組みは沢山あることに気づきました‼️‼️」
「今までは、学校に貼ってあるSDGsの17の項目をサラッと流す程度でしが、今日の授業でまだまだ知らないことがあるんだともっと知りたいと思いました。」
といったコメントが生徒たちから寄せられました。グループディスカッションを通じてSDGsの課題をグループのメンバーとともに考えたこと、また生徒たちにとって親しみのあるコンビニとの協働授業であったことにより、今回の授業は参加者がSDGsをより身近なものとして考えるきっかけとなりました。
セーブ・ザ・チルドレンとファミリーマートは、今後も、子どもたちが社会課題やSDGsを自分ゴトとして捉え、それらの達成に向けて自ら行動を起こすことができるよう、継続してオンライン授業を実施していきます。
(報告:パートナーリレーションズ部 法人連携チーム 山田有理恵)―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
セーブ・ザ・チルドレンは、毎年600以上の企業・団体の皆さまとさまざまな形で連携し、子どもたちを取り巻く課題解決のために、緊急・人道支援や教育、子どもの保護、保健・栄養などの分野で、日本を含む世界約120ヶ国で活動しています。これからも、企業の皆さまとも協力・連携しながら、子どもたちを取り巻く社会課題の解決に取り組んでいきます。
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