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バングラデシュ
(公開日:2025.09.09)

【開催報告】セミナー「ロヒンギャ危機を忘れないで―現場からの声と支援のいま」

 


2025年8月30日、セーブ・ザ・チルドレンは他のNGO※などとともに、セミナー「ロヒンギャ危機を忘れないで―現場からの声と支援のいま」を東京・神田の会場およびオンラインで同時に開催しました。当日は、会場とオンラインあわせて64人の方々にご参加いただきました。

※主催:ロヒンギャ難民支援 有志NGO(公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、特定非営利活動法人 難民を助ける会(AAR Japan)、特定非営利活動法人グッドネーバーズ・ジャパン、公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン)
共催:SDGパートナーズ有限会社


◆大規模な武力衝突から8年…ロヒンギャ危機の今
セミナーの冒頭では、立教大学准教授の日下部尚徳氏が登壇し、ロヒンギャが難民となった歴史的背景や、過去10年間でバングラデシュ政府や市民が難民受け入れにどう対応してきたかを説明しました。さらに、2021年のミャンマーの情勢悪化以降、ロヒンギャ難民を取り巻く状況が急速に悪化したこと、これまでロヒンギャ支援の半分以上を担ってきた米国政府の拠出停止による支援現場の危機的状況など、ロヒンギャの人々が現在直面する困難を分かりやすく解説しました。


ロヒンギャ危機について解説する日下部氏


◆4団体によるロヒンギャ難民支援活動の最前線
続いて、現場で支援を続けるNGO 4団体が、それぞれの分野における取り組みを発表しました。難民を助ける会(AAR Japan)は障害者の支援、プラン・インターナショナル・ジャパンは教育支援、ワールド・ビジョン・ジャパンはジェンダーに基づく暴力の予防・対応について報告しました。セーブ・ザ・チルドレンは、水・衛生およびシェルター(仮設住居)分野のロヒンギャ難民支援(過去のブログ:【ロヒンギャ難民支援】生活環境改善事業の開始〜持続可能な水・衛生と居住環境の改善を目指して)の事業を担当する松田が登壇し、写真を交え水・衛生およびシェルターの3ヶ年事業での活動詳細、成果、今後の活動の見通し、シェルターの活動に従事する難民女性のケースストーリーなどを紹介しました。


水・衛生分野の活動を紹介する松田

質疑応答では、「高校生として、日本にいる私たちに今できることは?」「将来、ロヒンギャの教育支援に携わる方法は?」などの質問が寄せられました。オンライン配信の終了後、会場ではグループディスカッションや全体共有も行い、参加者と登壇者が対話する時間を多く設けました。各グループからは、ロヒンギャの人々の帰還についての考えや、バングラデッシュが2026年に後発開発途上国(Least Developed Country: LDC)を卒業する予定である中で、ロヒンギャ問題にどういった影響をもたらすのかなど、ロヒンギャの今後に関連する質問を多くいただきました。会場・オンラインともに、ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。


活発な意見交換・質疑応答が行われたグループディスカッション


当日参加できなかった方、もう一度発表内容を見直したい方は、こちらの動画をご覧ください。



参加者の声
●ウクライナや中東の難民がピックアップされがちな世の中で、他にも日々生きていくことすら大変な人々がいることを改めて学ぶことができ、すごく勉強になりました。

●それぞれの視点や想いをもって参加されている方たちが多く、参加者同士でグループ対話する時間もあって、とても良かったです。たくさんのジェンダー課題が話されているにも関わらず、LGBTQ+の話がなかったことが気になりました。

●日本のNGOがどのような活動をしているのか具体的に知ることができました。今後もアンテナを張って、この問題を忘れないようにしたいです。


主催NGO一同、今回のセミナーを通じてロヒンギャ危機や難民支援への関心が高まり、長引く難民生活を継続して支援する重要性への理解が広がっていくことを願っています。

 

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