シリア危機(公開日:2014.03.20)
【シリア危機3年】故郷も平和も知らないシリアの子どもたち(2014.03.20)
ヨルダンのザータリ難民キャンプで写真家ガイル・デューリー氏が撮影
3月15日で内戦勃発から3年経ったシリア。セーブ・ザ・チルドレンは、内戦下に国外の避難先で暮らす「故郷も平和も知らないシリアの子どもたち」のことを国際社会に広く知ってもらうために、高名なイギリス人写真家ガイル・デューリー(Giles Duley)氏に撮影を依頼しました。
今回は、セーブ・ザ・チルドレンもシリア難民支援活動を展開している、ヨルダンのザータリ難民キャンプで撮影が行われました。上の横長の写真は、白い背景の前に立つ、子どもと母親のポートレイト写真を繋ぎあわせたもので、一枚一枚の写真には、フォトエッセイが添えられています。
白い背景での撮影
ガイル・デューリー氏は、ファッション・音楽写真家としてヴォーグ、ローリング・ストーン、エスクァイア誌などで活躍後、人道写真家に転身。2011年、アメリカ軍に同行したアフガニスタンで、取材中に小型簡易爆弾(IED)を踏み、瀕死の重傷を負った結果、両足と左腕を失いました。現在は、義足と義手で人道写真家としての活動を続けています。
デューリー氏は、白い背景での撮影にこだわった理由を次のように説明します。「私は、今回の撮影を、難民キャンプに関することではなく、人に関することにしたかったのです。白い背景のポートレイト写真にすることで、難民キャンプにいる人たちでなく、それぞれの人の物語を写すことができると考えました。難民生活を送る人たちを見て、自分には想像もできない、異なる世界のことだと考えるのは簡単です。しかし、ある一家が子どもを学校に通わせるために悪戦苦闘し、子どもたちが満腹で暖かく過ごせるかを心配する様子を見れば、彼らが世界中どこにでもいる家族と同じであり、ただ厳しい環境での生活を強いられていることがわかるのです。」
故郷も平和も知らないシリアの子どもたち
「私たちは、シリア内戦と、それにより必要とされる人道支援の規模の大きさを思う時、難民一人一人が尊厳を持つ個人であることを胸に刻まなければなりません。女性、子ども、家族それぞれが、多くの困難の中で懸命に生きていこうとしていることを、ガイル・デューリー氏の写真は思い出させてくれます。紛争が始まってから3年が経過し、これまで以上の支援が必要とされています。また、この内戦で最も大きな犠牲を払わされているのは子どもたちであることを、私たちは決して忘れてはいけないのです。」セーブ・ザ・チルドレン、ヨルダン・カントリー・ディレクター、サバ・アル・モバシアット
■セーブ・ザ・チルドレンのシリア人道危機支援活動
2012年よりシリア人道危機への支援活動を開始し、紛争下のシリア国内で、これまで50万人に対して食糧、水、薬やシェルターなどの生活必需品を提供。また、ヨルダン、レバノン、エジプト、イラクでは、シリア難民や受け入れ国に対する支援を実施。物資配布だけでなく、子どもたちへの教育や社会心理的サポートを積極的に行っています。
3月15日で内戦勃発から3年経ったシリア。セーブ・ザ・チルドレンは、内戦下に国外の避難先で暮らす「故郷も平和も知らないシリアの子どもたち」のことを国際社会に広く知ってもらうために、高名なイギリス人写真家ガイル・デューリー(Giles Duley)氏に撮影を依頼しました。
今回は、セーブ・ザ・チルドレンもシリア難民支援活動を展開している、ヨルダンのザータリ難民キャンプで撮影が行われました。上の横長の写真は、白い背景の前に立つ、子どもと母親のポートレイト写真を繋ぎあわせたもので、一枚一枚の写真には、フォトエッセイが添えられています。
白い背景での撮影
ガイル・デューリー氏は、ファッション・音楽写真家としてヴォーグ、ローリング・ストーン、エスクァイア誌などで活躍後、人道写真家に転身。2011年、アメリカ軍に同行したアフガニスタンで、取材中に小型簡易爆弾(IED)を踏み、瀕死の重傷を負った結果、両足と左腕を失いました。現在は、義足と義手で人道写真家としての活動を続けています。
デューリー氏は、白い背景での撮影にこだわった理由を次のように説明します。「私は、今回の撮影を、難民キャンプに関することではなく、人に関することにしたかったのです。白い背景のポートレイト写真にすることで、難民キャンプにいる人たちでなく、それぞれの人の物語を写すことができると考えました。難民生活を送る人たちを見て、自分には想像もできない、異なる世界のことだと考えるのは簡単です。しかし、ある一家が子どもを学校に通わせるために悪戦苦闘し、子どもたちが満腹で暖かく過ごせるかを心配する様子を見れば、彼らが世界中どこにでもいる家族と同じであり、ただ厳しい環境での生活を強いられていることがわかるのです。」
故郷も平和も知らないシリアの子どもたち
家は砲弾によって破壊され、内戦から逃れるためにシリアを出ました。今はシリアでの生活の全てが恋しくて懐かしいです。シリアでは、私は美容師をしていて、何件かの洋服店も経営していたんです。でも、すべて破壊されてしまいました。私の姪はシリアで監禁されていますが、そのような人たちを全員釈放してほしいと思います。私には娘が6人と息子のファイザルがいますが、子どもたちの生活は180度変わってしまいました。ただシリアに戻りたい。
シリアの家が恋しいです。安全な場所に避難できたことは神に感謝していますが、難民キャンプでの生活は厳しく、子どもを育てるのはとても困難です。特に心配なのは子どもの教育です。教育がなければ子どもたちの未来はありません。難民キャンプの生活は、子どもたちから未来も夢も希望も奪ってしまうのです。状況がよくなればすぐにでもシリアに戻り、子どもたちがもう一度、お医者さまや学校の先生になる夢のために勉強ができるようにしてあげたい。子どもたちとシリアに戻れる日を、心から待ち望んでいます。
「私たちは、シリア内戦と、それにより必要とされる人道支援の規模の大きさを思う時、難民一人一人が尊厳を持つ個人であることを胸に刻まなければなりません。女性、子ども、家族それぞれが、多くの困難の中で懸命に生きていこうとしていることを、ガイル・デューリー氏の写真は思い出させてくれます。紛争が始まってから3年が経過し、これまで以上の支援が必要とされています。また、この内戦で最も大きな犠牲を払わされているのは子どもたちであることを、私たちは決して忘れてはいけないのです。」セーブ・ザ・チルドレン、ヨルダン・カントリー・ディレクター、サバ・アル・モバシアット
■セーブ・ザ・チルドレンのシリア人道危機支援活動
2012年よりシリア人道危機への支援活動を開始し、紛争下のシリア国内で、これまで50万人に対して食糧、水、薬やシェルターなどの生活必需品を提供。また、ヨルダン、レバノン、エジプト、イラクでは、シリア難民や受け入れ国に対する支援を実施。物資配布だけでなく、子どもたちへの教育や社会心理的サポートを積極的に行っています。
---