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シリア危機
(公開日:2021.01.18)

シリア危機 シリア北西部 2ヶ月で新型コロナウイルス感染者数が4倍に―酸素吸入器や安全な水が不足

 
シリアでは、新型コロナウイルス感染症の感染が急速に拡大しています。セーブ・ザ・チルドレンは、シリア国内の病床や検査数、安全な水、酸素吸入器が慢性的に不足していることから、感染拡大に歯止めがかからない状況になっていると警鐘を鳴らします。特にシリア北西部では、2020年11月1日から12月31日の2ヶ月間で新型コロナウイルス感染者数が4倍に増加し、深刻な事態となっています。


イドリブ県にある避難民キャンプ

2021年1月時点で、シリア全土における感染者数は4万人を超え、死亡者数は1,355人となっています。そのうち、北西部[1]では半数以上にあたる2万338人の感染者、北東部では8,100人の感染者が確認されています。しかし、検査体制や検査数に限りがあることや、医療機器や医療用物資の不足[2]により、実際の感染者数・死亡者数はさらに多いと考えられます。

シリア北西部で、2020年3月以降[3]追加された人工呼吸器は4台、集中治療室のベッドは64床のみで、この地域全体でも人工呼吸器は157台、集中治療室のベッドは212床しかない状況です。北東部では、感染拡大に伴い、11月に発表された部分的なロックダウンがさらに15日間延長されました。

イドリブ県で英語教師をするナディンさんは次のように話します。
「新型コロナウイルスは、人の健康を害するだけでなく、社会を弱体化させ混乱を招き、人びとから愛する人を奪います。私の家族は新型コロナウイルスに感染しました。私の体調に影響はありませんでしたが、自分にはなすすべもなく、母親が何時間も息苦しそうにしているのを見るのは耐え難いことでした。家族がつらいときに、何の力にもなれないことは最もつらいことです。」

セーブ・ザ・チルドレンは、新型コロナウイルス感染症予防対策を進めるとともに、すべての紛争当事者に対して停戦を訴えています。また、10年におよぶ紛争や新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受ける子どもたちが安全に復学できるよう、国際社会に対してさらなる資金拠出を呼びかけています。
[1]https://app.powerbi.com/view?r=eyJrIjoiNTRiMmZiMTAtNWYzZC00M2RmLWFkOTktZWZlMjQ4NmFhOWVhIiwidCI6ImY2MTBjMGI3LWJkMjQtNGIzOS04MTBiLTNkYzI4MGFmYjU5MCIsImMiOjh9
[2]https://www.un.org/press/en/2020/sc14306.doc.htm
[3]https://www.savechildren.or.jp/scjcms/sc_activity.php?d=3237

 

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