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シリア危機
(公開日:2018.04.06)

東グータ地区で支援活動を続けるドクターSamerから声が届きました〜私たちは、家族や友人たちと、この故郷の地に暮らしたいのです〜

 
シリア・東グータ地区の町ドゥーマ(Douma)で和平協議が行われる中、数万人もの市民が、反体制派勢力の支配する地域に取り残されています。現地で支援活動を続けるセーブ・ザ・チルドレンのパートナー団体によると、包囲された地域では医薬品や栄養価の高い食料が不足しており、大勢の子どもたちが栄養不良に陥っています。

地元の支援組織は、一軒一軒訪問しながら、身を守るために地下室やシェルターに避難している人たちに支援物質を届けています。セーブ・ザ・チルドレンのパートナー団体も、栄養不良の子どもたちに温かい食事と食料の入ったバスケットを届けています。

現在東グータ地区で支援活動を続けるセーブ・ザ・チルドレンのパートナー団体職員、ドクターSamerの現地からの声を聞いてください。



「皆さんこんにちは。私は、ドューマで働く29歳の歯科医師です。デューマで生まれ育ちました。家族は、父と母と3人の弟と1人の妹からなる7人家族で、私は長男です。私のすぐ下の弟は、2012年に殺されました。そして先週の火曜日、3月27日に、もう一人の弟が殺されました。残されたきょうだいは、私と、12歳の弟と、16歳の妹の3人になりました。

(2012年に)シリア危機が始まったとき、私は大学に通っていましたが、紛争と抑圧に晒される人々を助けるために、すぐにこの町に戻ってきました。

私は救急をはじめ、さまざまな分野の病院に勤務し、私たちの活動が組織立って運営されるようになってからは、歯科医師や運営スタッフとして、さまざまな組織や施設で働きました。最近の大きな活動の中で、私たちは約140人からなる保健・栄養緊急支援チームを立ち上げ、地下室やシェルターを訪問して栄養不良に関する調査の実施と、栄養不良の子どもたちや妊産婦に栄養価の高い食料の入ったバスケットの配布を行っています。

私たちはまた、地下室やシェルターで、医療センターに行けない負傷した人々の応急手当を行うなど、できる限りのことをしています。

私たちの組織はさらに、病院や医療センターに燃料を提供したり、爆撃から医療施設が守られるように隔離したりするなどの活動もしています。現在は、地元議会の緊急委員会のプロジェクトのモニタリングも行っています。

私たちは、家族や友人たちと、この故郷の地に暮らしたいのです。私たちがこの地を去ることを、強制してほしくはないのです。私たちは、生存と尊厳が保障された、民主的な市民社会が確立した国に暮らすことを夢見ています。私たちのただ一つの夢です。私たちに、この地を去ることを強制するようなことをさせないでください。私たちはこの地を離れたくありません。私たちの故郷を離れたくないのです。」


セーブ・ザ・チルドレンは、東グータ地区に残る人々、また他の地区に避難している人々の安全と無事について、深く懸念しています。紛争当事者が、国連や赤十字・赤新月社と協力し、地域に留まる市民も、地域から避難する市民も、新たな暴力や恣意的な拘束、報復行為から守られるよう確約することが不可欠です。

この2月、国連安全保障理事会で、全会一致で採択された、人道支援のためにシリア全土で30日間の停戦を求める決議第2401号が、速やかに履行されるべきです。

 

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