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シリア危機
(公開日:2021.05.12)

シリア危機 シリア北西部:停戦合意から1年超―いまだ子どもたちと学校への攻撃はやまず

 
1年以上前に停戦が合意されたにもかかわらず、シリア北西部では学校への攻撃が続いています。


2018年に空爆によって被害を受けたシリア北西部イドリブ県の学校


セーブ・ザ・チルドレンとパートナー団体は、2020年初頭から現在まで、シリア北西部にある教育施設に対し37件の攻撃があったことを確認しています[1]。このうち9件は、2020年3月の停戦合意後に行われました。

これらの攻撃により、少なくとも4人の子どもと学校関係者4人の死亡が確認されていますが、実際の死亡者数はさらに多いと考えられています。また、学校施設が破壊されたことで、多くの子どもたちは教育を受ける機会を失いました。
加えて、シリア全土では61件の攻撃が報告されており[2]、2019年の80件と比較して減少しているものの、現在も続く紛争により、子どもたちは、いまだに教育の危機に晒されています。

イドリブ県で避難生活を送るサラさん(10歳)は、故郷で通っていた学校が攻撃された日のことを思い出し、次のように話します。
「学校で勉強をしていたときに砲撃を受けました。すぐに安全な場所に隠れ、耳を閉じ、空爆の音を聞かないようにしました。私は学校が大好きなので、学校がなくなって勉強することができなくなると思うと、とても混乱しました。もう二度と勉強ができないのだと思いました。」

イドリブ県で2年暮らすラヤさん(10歳)は、次のように語ります。
「学校が空爆されたとき、私の兄と姉が学校で勉強していました。教室の窓が落ち兄にあたりましたが、幸い姉に被害はありませんでした。」

セーブ・ザ・チルドレンは、すべての紛争当事者に対し、国際人道法を順守し、学校保護宣言に則り[3]、学校や民間施設を標的とした攻撃をやめ子どもたちの安全を確保するよう求めます。

[1] Save the Children collaborated with a partner to create a system in North West Syria to regularly collect information and evidence related to attacks on education and their impact on children, teachers and education infrastructure.
 
[2] The Monitoring and Reporting Mechanism (MRM) was launched by the UN to monitor grave child rights violations and enhance the accountability of perpetrators. The purpose of the MRM is to provide for the systematic gathering of accurate, timely, objective and reliable information on six grave violations committed against children in situations of armed conflict. 

[3]
学校に爆弾が撃ち込まれる−教育を守るための世界的な取り組み「学校保護宣言」


 

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