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シリア危機
(公開日:2020.11.27)

シリア危機 シリア北西部 停戦合意後も暴力により125人以上の子どもたちが死傷

 
2020年3月の停戦以降、シリア北西部で少なくとも43人の子どもたちが犠牲になり、84人が負傷したことが分かりました[1] 。特に、今年10月はその人数が最も多く、3月以降死傷した人たちのおよそ4分の1にあたる27人の子どもたちが死亡または負傷しました。


イドリブ県内で安全な場所を求め避難しているきょうだい。
父親は空爆により腕を失いました

シリア北西部イドリブ県とハマ県、アレッポ県で治安が悪化し、即席爆発装置(IED)の使用や砲撃などが各地で報告され、停戦以降も273人の民間人が死亡し、875人が負傷したことが分かっています。これは毎月143人もの死傷者が出ている計算になります。

空爆で母と兄を亡くしたイドリブ県南部に暮らすサミさん(10歳)は、次のように話します。
「もう二度とアイスクリームを食べません。以前は好きでしたが、もう好きではありません。お母さんと兄が亡くなったのは、アイスクリームのせいだからです。私がアイスクリームを買いに連れて行ってほしいと頼んでお店に行ったとき、空爆に遭い亡くなりました。」

腕を失ったマジダさん(8歳)は、「腕を返してください。お母さんに苦労をかけないと約束します。」と訴えます。

また、3人子どもの父であるフォアドさんは次のとおり話します。
「攻撃の最中、最もつらいのは、子どもが、目をしっかりと見たあとに膝の下に顔を隠そうとするときです。(大人ですら)自分自身を守ることができないような状況下でも、子どもは親は守ってくれると思うのです。」

セーブ・ザ・チルドレンのシリア事業ディレクター ソニア・クシュは次のとおり話します。
「3月に停戦合意がなされたにもかかわらず、シリア全土で子どもたちやその家族が殺害されています。子どもの死傷者数は、子どもたちがこの紛争による攻撃の矢面に立たされていることを改めて浮き彫りにしています。大規模な戦闘がないときでも、子どもたちは殺害され負傷しているのです。シリア北西部の子どもたちは、常に危険にさらされています。紛争により家を追われただけでなく、子どもたちは深刻な新型コロナウイルス感染症拡大からのも必要としています。そして、家族が十分な食料を手に入れることができないため、お腹を空かせたまま眠っています。」

私たちが発表した最新の報告書によれば、この数ヶ月間に70万人以上の子どもたちが、深刻な経済状況の悪化や暴力、そして新型コロナウイルス感染症に伴うさまざまな制限による影響で深刻な飢えに直面しています。また、国連の調査によれば、新型コロナウイルス感染症の陽性者数は、9月の第2週と10月中旬の間で20倍に増加しています[2]。

セーブ・ザ・チルドレンは、国際人道法や国際人権法が順守されること、そして、すべての紛争当事者に対して、子どもや若者とその家族、そして学校や病院を攻撃しないよう呼びかけています。

[1] 2020年3月から2020年10月にかけて国際NGO「International NGO Safety Organisation (INSO)」が実施した調査結果をもとに、セーブ・ザ・チルドレンが分析を行った。
[2] OCHA updates https://reliefweb.int/report/syrian-arab-republic/recent-developments-northwest-syria-situation-report-no-21-20-october#:~:text=Rapid%20increase%20in%20COVID%2D19,cases%20as%20of%2019%20October

 

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